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#153_「いずれ銀行からおカネを引き出したいときは、誰かが家まで届けてくれる世の中になるんだよ」
最近2つのことが印象に残りました。
ひとつは、学生のころからよく行っていたレコードショップが閉店したこと。このコロナ下もあって足が遠のいていた間に、つぶれてしまっていました…。けっこうショックです。あれだけのボリュームを、実際に見て選べる良さは代えがたいものだったのですが。そして、そこに集う人同士の、いわば同好の士としての一体感もまた心地よいものでした。
そして、ふたつめは、みずほ銀行のATMのシステムトラブルです。カードとか通帳が吸い込まれて出てこない、ということはなかったのですが、少しおろそうと思って立ち寄ったATMが見事に止まっており、空振りに。
そんな中、FINANCIAL TIMESに”Don’t let gig economy companies rewrite the law”という記事がありました。
この中でも、UberのCEO、Dara Khosrowshahi(ダラ・コスロシャヒ)氏の以下の発言の引用が印象的でした。
“Eventually, you know, I can see a world where if you want to take cash out from the bank, someone will come and deliver cash to you, right? It’ll be anything that you want delivered to your home.”
ダラ氏がどういうキャラかわかりませんが、「結局さ、いずれ銀行からおカネを引き出したいときは、誰かが届けてくれる世の中になるんだよ、わかる? 家に届けてもらいたいものは何でもさ。」という感じでしょうか。
たしかに、家に届けてもらうものとしては宅配便か、せいぜい出前のラーメンだった時代が過ぎて、CDでもレコードでも注文できるようになったから、件のレコードショップはつぶれたわけです。
そして、この流れは不可逆のモノであり、むしろ加速度を増して進むとすれば、現金を届けるところまで行くのかもしれません(まあその前に「現金」がなくなるかもしれませんが)。
上記のシステムトラブルにしたって、結局これもリスク分配の問題で、そのリスクをとって代行するプレーヤーが現れないとも限りません。さらにいえば、そのリスクの全部なり一部をヘッジする保険も出てきたりして。
結局、それぞれが「何もしない」ことに向けて突き進んでいるように感じます。そして、「何もしない」ことで生まれた余白を何で埋めるかについて、今はまだ、誰も何もアイディアを持っていないように思います。