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村上隆 もののけ 京都は、言い訳と発展途上を楽しむべし@京セラ美術館
ふるさと納税の返礼品チケットをようやく使う日が来た、とウキウキと観に行った村上隆の展覧会で一番印象に残ったのは、作品のあちこちに散りばめられた村上隆の言い訳という名の解説文。作品、タイトル、言い訳、全部ひっくるめて「現時点でこれがウチの工房のやれること目一杯なんで、一部作りかけだけど、そこはよろしくね」とアーティストと工房の雰囲気が伝わる?展覧会でした。
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村上隆の個展は初めてなので、比較対象がないからこれが常態なのか、異常事態なのかがわかりませんが、スーパーフラットについてのもっともらしい解説聞くよりも、アーティストの為人が垣間見えるような気がする。気のせいかもしれないけど・・・で、よく考えると、日本画に画賛がついていることを思えば、作品と見紛う「言い訳」も違和感ないかも。現代の私達が、掛け軸の画賛が達筆すぎて読めないだけで、同時代の人はあれを読みながら画を楽しんでいたんだし。
現代美術の最前線で活躍する村上隆(1962年生まれ)の大規模な個展を、開館90周年を迎える京都市京セラ美術館において開催いたします。本展は、主に海外を中心に活動してきた村上にとって、国内で約8年ぶり、東京以外で初めての大規模個展となります。
かつて村上隆が企画した展覧会「スーパーフラット(Superflat)」は、2000〜2001年にかけて日本とアメリカの各都市を巡回、展覧会とともに発表された「スーパーフラット宣言」は、現代美術シーンに重要な影響を及ぼしました。その考えは、日本の伝統的な絵画表現とアニメや漫画、ゲームに代表される大衆文化を結びつけただけでなく、戦前から戦後の日本人の感性の有り様や社会の様相、さらには資本主義経済や政治、宗教をもフラットに捉え、あらゆる手法を用いて創作活動全体に取り込むことで、多種多様な作品を生み出し、アートの価値や本質的な意味を問いかけてきました。そのキャリアは、欧米が事実上の規範となっている国際的なアートシーンに、日本から独自の視点で挑み、刺激を与え続けてきた営みであると言えます。
村上が活動初期から深い関心を寄せてきた江戸時代の絵師たちが活躍し、今なお、あらゆる芸能と芸術が息づき交わり合うここ京都を舞台に、新たに描きおろした超大作をはじめ、代表的なシリーズ、国内初公開となる作品など、大多数が新作となる約170点で構成される新・村上ワールド「村上隆 もののけ 京都」にぜひご期待ください。
まさに、この開催概要にある太字部分をやろうとしたから、色々(時間とかお金とか)間に合わなかったんだな、ということが見終わってよくわかった。ということで、紆余曲折やら制作の背景やら(言い訳やら)も含めて、カイカイキキの作品なんだな、と楽しむことに。
まず、入口がすごい。巨大な仁王?の赤鬼と青鬼がお出迎え。
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そして、村上版の洛中洛外図。TVで特集を見た時に、金箔に髑髏柄が入っているのと、あちこちにもののけが散らばっているのがポイントだと言ってたので、真剣に探しましたよ・・・もののけ達を・・・
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次は村上版「平安京」。四方にいる四神や六角螺旋堂が暗闇の中に現れます。私はこの白虎が一番好きです。
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その後にも村上隆の原点「DOB君」のバリエーションや、過去作品をオマージュしつつ、今回の展覧会用に新作として出している一連の作品群が続きます。あまりに色々網羅しつつ、美術館やクライアントからの要望に応えて作っている作品も混ざっているからか、村上ファンで「あ、これはあれねー」ってわかる人以外はモリが良くて胸焼けしちゃうかもしれない。何でもありなのが楽しいって思うべし。
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この「ライオンと村上隆」制作の背景?がまたまたフキダシで書かれている。本人が納得いっているのか、いないのか。それは次の言い訳を(字が小さいが)読めたら読んでください。が、言い訳を書いた理由は、何とこのフキダシ自体が作品化していてタイトルがついているのでわかります。
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この巨大な龍図はタイトルが秀逸・・・そしてTVの特集で村上隆が辻先生ご本人を案内して「先生、これはね・・・」と嬉しそうに説明していたのが印象的でした。本当に辻先生が大好きなんだなーと。嫌味言われたのに対抗したのを伝えるのも嬉しい感じが伝わって面白かった。
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これはふるさと納税の返礼品についていたトレーディングカードの絵。が、自分の分はまだ開封してません。どれが入っているのかなあ。まだ楽しみにとっています。大事にしすぎて忘れないようにしよう。
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これ以外にも、「Lonesome Cowboy」や「Hiropon」といったアイコン的なモチーフの新作、村上版の風神雷神図、展覧会フライヤーのメインモチーフとなっている「金色の空の夏のお花畑」等、ここに並べるべき作品はありますが、とにかくあらゆるモチーフが詰め込まれているだけに、挙げていくとキリがない。
ということで、飛ばして最後の部屋へ。これは市川團十郎襲名の時の歌舞伎座の祝幕。なんと映画監督の三池崇史とのタッグでできている。誰が制作したのか知らずに見てました。村上隆×三池崇史だったのかー!
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そして最後の最後の「言い訳」は、この展覧会を開催するのに必要なお金がまだ足りなーい、仕事が終わらなーいというボヤき。
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予算が足りていないためか、この展覧会はショップの充実度も他とは違う。フィギュアや版画もしっかりと販売されている。コアファンは嬉しいかも。絶対本物だし、100万円以上のものや「価格はお尋ねください」というものもありますが、10万円台くらいのものもあったので、真剣に吟味している人もそれなりに。
と、いやに現実的な側面を(わざと?)強調した展覧会で、何となくこちらまで恐縮しちゃいそうな、現実を忘れるというよりもふと仕事を思い出してしまいそうな・・・仕事が忙しい時に来るのは微妙かも?自分の締め切り思い出しそう・・・
でも、最後にこんなどかーんとルイ・ヴィトンとのコラボFlower像があるんだよね。うん、予算は使うためにあるんだね。
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<余談>こんなに予算がなんだかんだと言いながら、中学生以下は無料、そして京都市在住の学生もしくは京都市内の学校に通学している学生の入場料を無料、というのは純粋に凄い!しかもまだ絶賛制作中で作品が更新されていくとなったら、まめまめ通ってしまいそう。いいなあ、京都の学生さん。
<おまけ>後で自分が振り返れるように記録代わりに、お気に入り画像だけ置かせてもらいますー盛りの良さを感じてもらえれば・・・
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