リアルワールドIFRフライト
先日AirSmartのCEOとのパイロット訓練や採用についての話の中で出たことから感じたことをシェアします。
AirSmartでのフライトはチャーター便として乗客のニーズに合わせて飛びます。ベースがあるNorth Las Vegas空港から乗客を乗せることもあれば、乗客が待つ空港へ飛行機を持って行き、そこから乗客を乗せて別の空港へ飛んで行く。そこから別の乗客を乗せて飛ぶこともあれば、そのままフェリーでベースへ戻ってくることもある。そんなフライトが日常です。1日1往復の日もあれば、三地点、四地点以上など色々です。
基本全てがIFR(Instrument Flight Rules:計器飛行方式)で飛びますが、当然毎日の天候は変化します。乗客の到着遅れ、荷物の増減、乗客の増減など乗客の状況も変化します。そんな変化に対応しながらリアルワールドIFRフライトをこなしていくのです。
上の写真はKRHI空港からKMDW空港へ飛行機をフェリーして、KDMW空港で乗客をピックアップして、KSTC空港へ連れて行くフライトです。KRHI空港で天候を調べている時のForeFlightのマップ上のスクリーンショットです。
ご覧の通りKMDW空港では天候が悪い。このまま行くのか?遅らせるのか?キャンセルするのか?仮に離陸した時にはどこを代替空港として選ぶのか?
こんな判断も天候が悪いところでは日常茶飯事の出来事。チャーターフライト以外でも定期便であるエアラインも当たり前に行なっている作業風景。
と書くと簡単そうに聞こえるでしょう。
実際の当事者になって、つまり機長として判断できるまでには、それ相当の経験が必要なのは十分理解できるでしょう。それをいつ経験するのでしょうか?
通常は副操縦士として経験を積んでいきます。
副操縦士として飛ぶエリアやルートも全て経験する、しかも四季を全て経験する。としても最低1年かかります。最低でも。。です。
ところが最近のパイロット不足、特に機長の不足で、副操縦士の時間が少なく機長に昇格できるケースも多い時代。Direct Hire Captainというシステムで飛行時間を持っているとすぐに機長候補というケースもあります。
そんな中で、リアルワールドIFRを経験していないと大変なことになるってこと想像できますよね?
フライトインストラクターで飛行時間を数百時間、総飛行時間も1000時間以上なんてパイロットも多い時代。でも中身はどうなんでしょうか?(ここで書類選考落とされているケースもあります)
ほとんどのインストラクターの提供訓練はVFR(Visual Flight Rules:有視界飛行方式)なのが現実です。しかし教官としてIFRの資格も維持しなくてはいけないので、もしかすると航空法上最低の条件(6ヶ月毎のある一定の経験)をクリアしているだけかもしれないパイロットがたくさんいるのも事実。
そんな中で、リアルワールドIFRを経験していないとDirect Entry Captainでチェックアウトできるのでしょうか?副操縦士で採用されても「会社の期待するパイロット」として飛べるのでしょうか?
大手航空会社でも以前では十分経験を積んだパイロット達が入社してくるのでエリミネートもほとんどなかったと聞いています。しかし最近はエリミネートされるケースも多くなっているとか。実際私もここアメリカでその当事者に話を聞くことができました。その方は原因は2つあると自己分析していました。
外国人留学生のフライトスクールで母国語で教育していたので英語力が伸びなかった。つまり採用後の訓練でコミュニケーションが取れなかった
教えたのがPrivate Pilotコースが中心だった。Instrument Ratingコースも担当したがローカルのみで、リアルワールドIFRの経験がなくて訓練についていけなかった
改めてTama MethodのFAA FITS訓練が効果的であることを再認識させられるコメントでした。下のブログリンクからご覧ください。
FITSコンセプトのパイロット訓練の流れ、これはもうブートキャンプの世界
リアルワールド・リアルタイム・毎回異なる空港でのフライトおよび判断経験を積み重ねる!
玉那覇が日本で事前準備訓練として採用していた訓練方法を今度はアメリカラスベガスでも実施することにしました!
AirSmartのチャーターパイロットの日常を間近で見ながら、同じことをシミュレーターで実施する。自分のプランニングを先にして、実際に飛んで入ったプロパイロット達のプランと比較することで、経験値をあげて行きます。
なるほど!こういう判断をするんだ!
地上に居ながらにして、ベテラン機長の判断過程を学ぶ環境!
AirSmart Aviation Academyのフライトインストラクターは半強制的にその訓練を受けてもらいます。もちろん無料で!
ちなみに写真のフライトでは、ベテラン機長は出発時間を遅らせて離陸という判断を取りました。どこくらい遅らせるのか?乗客にはどう説明するのか?細かいところを解説してくれたことを覚えています。
副操縦士として学ぶことを地上でも勉強できる!
そのような環境をAirSmart Aviation Academyは提供しています
アメリカ就労許可がありFAA CFIとCFIIをお持ちの方はすぐに下のリンクから応募ください。
アメリカ就労許可がありFAA CFIとCFIIをお持ちで、既に飛行時間が800時間以上の方はすぐに下のリンクからチャーターパイロットとして応募ください。飛行時間が1200時間以上あればDirect Entry Captainとして採用します。
リアルワールドIFRフライトするための前には、しっかり基礎訓練を終えることも大切!そしてその基本訓練に入れるための事前準備をすることも同じくらい大切!
アメリカラスベガスでお待ちしています
AirSmart Aviation Academy
Chief Flight Instructor
Naoya Tamanaha