シミュレーター訓練時の人の組み合わせに革命が起こっている
実機訓練の補佐的な位置付けでスタートしてシミュレーター訓練。
10年という歳月で色々な変遷があった。
補佐的な位置付けから、単独のツールとして、事前準備として、プロシージャートレーナーとして、管制官をオンラインでリアルで組み合わせる方法、色々な活用方法、そして試験でも実施されるものにまで到達。
シミュレーターの使用方法について、今回はペアリングのお話。
未経験者と教官の組み合わせ
操縦のイロハから教え、実地試験合格基準まで引き上げる仕組みを構築して始めたシミュレーター訓練。
実機と同じ訓練シラバスで基礎からしっかり応用まで積み上げていく方法。
受講生である訓練生にとっては渡米してから実機訓練に移った時にできるだけストレスを減らす効果がある。
教官が国家資格である教官資格を保持していることにより、訓練生の安心に繋がるし、後述するが飛行時間としてログ付けしておくことができるのだ。
ここが玉那覇のシミュレーター教育の原点。
あれから10年以上アメリカ訓練と日本の訓練も提供し多くの方々が夢の実現をしているのは嬉しい限り。
有資格者と無資格者(シム訓練修了者)との組み合わせ
FSOでの事前訓練コースを修了してアメリカでFAA Private Pilotを取得した者と、FSOでの事前訓練コースを修了してこれからアメリカでFAA Private Pilotを取得予定の者を組み合わせる。
写真はその二人がペアリング訓練をしている様子
実機での実体験をこれからの訓練生に伝えられるメリットには2つの側面がある。資格取得者は当然教官資格を目標の一つとして掲げている者。だから説明することを教官になるという意識で実施できる。一方これから渡米する者も同様な目的ではあるが、これまでの整理という意味で訓練生同士という仲間で遠慮なく聞ける。
当然他の訓練生もオブザーブは大歓迎だ。他の訓練生とはほぼ経験なしのレベルから受講者まで様々。ということは飛び出す質問も様々。これが教官を目標とする訓練生にとっては美味しい生きた教材なのだ。
そしてこの二人はFSOxエアスマート新コースに投入する第1期訓練生なのだ。将来はアメリカでチャーターパイロットとして活躍する人材になる。
もちろん期間限定。それでもチャレンジする価値があるのは、ラジオ番組「玉那覇尚也のパイロットになろう」で出演された海外で活躍されるプロパイロットの方々の声。
チャーターパイロットを目指すスクールで使用する機材と空港を模擬して日夜勉強会に励んでいる二人。新しい機材はこれまでの機材とは違ったエンジン出力も大きく、車輪の上げ下げもあるComplex機なので、感覚も違う。最初のフライトでも二人から「おお〜!」と声が上がるくらいなのだ。
ある程度機材にも慣れ、離着陸もこれまで通りにできるようになったら次のステップだ。
公式認定教官とのログ付け訓練
前述した国家資格を持つ飛行教官との訓練だからこそ実現できる、正式な飛行時間として充当できる。しかも今回は二人とも50時間という時間を渡米前にログ付けしていく。
アメリカのチャーターパイロットの魅力の一つに「お客様の要望で目的地が決まる」がある。自分でプランを組み立ててフライトを遂行する魅力だ。
その感覚を今から体験する。
出発空港も機材もアメリカのスクールと同じ。様々な顧客ニーズを設定する。目的地も様々。天候も様々。時にはお客に「NO GO」を伝える必要もある。
そのような実践的フライトとDecision Makingの鍛錬を50時間分実施する。しかもそれが全て飛行時間として認められる。
その様子は始まり次第このブログで公開する。
(新)未経験者と教官の組み合わせ
これまではリアルでのシミュレーター訓練だったので、渡米先の教官とは当然だが異なる者から教わることとなる。もちろん全く問題は無い。
シミュレーター精度の向上に伴い、機材・空港・エリア・ATC様々な領域で模擬が可能となった。
これからは渡米先の教官から学ぶことが可能となる。
左の写真に注目してほしい。これは教官側の映像。オンラインで訓練生のフライトの様子(高度・速度・針路・パワー設定・航跡)と、訓練生の手足の動きをモニターしながら指導をしている。
理想的には現地教官と英語で全てを学ぶこと。前述のエアスマートの教官もスタンバイしている。
しかし訓練生によっては英語力の問題もあるだろう。日本語ができる公認教官の指導を組み合わせる事も自由。
コロナの時代に登場した新しいスタイルのパイロット訓練方法。
安全に効果的に!
シミュレーター教育をそのために導入したFSOの最終目標がここにはある。
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