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WHY?なぜ?実機訓練前にシミュレーター50時間?お答えします!

渡米後でも金銭的にも時間的にも余裕のある方はやらなくて結構!
現地アメリカ人同様仕事しながら訓練できる方はやらなくて結構!
そうでない方は絶対におすすめです!

海外航空留学で成功するための事前準備には何がどの程度必要なのか?では事前準備が大切ですよ!と色々な準備がある中で、最終課程ではシミュレーターで50時間飛んで総仕上げと書きました。

渡米前にFAA Commercial Pilotに必要な250時間のうち50時間を前倒してしてつける??

おそらくどこもやっていないことだと思いますので、一般的にはあり得ないと言われてもおかしくない訓練です。

そもそもどこもやってない理由って知ってますか?

逆説的に解説していきます。

やってない理由①スクール側の都合

無意味な訓練とか、癖がつくとか、色々言われますが、一番大きな理由は

フライトスクールとしては実機を飛んでもらうことが利益になるから!

提携を打診したいくつかのスクール経営者から言われましたから…

教官費用とフライト費用の利益率含めて経営数字を丁寧に提示されながら言われました。

そもそものフライト訓練の目的って何?訓練生のためじゃないの?と意義を説明しながらも、スクール経営者からして見れば経営上仕方ないことなのかと…

AirSmart Aviation Academyは違う!玉那覇の理念を理解してもらったTommyとの共同事業です。アメリカ来たら早くプロパイロットになってほしい!という経営理念。訓練早く終わらせて教官になってほしい。教官早く終わらせて副操縦士になってほしい。副操縦士早く終わらせて機長になってほしい。ただでさえ長い期間がかかる養成課程を短縮できることは短縮したい。だから短大2年で副操縦士をさせる方針ができたのです。詳しくは短大から副操縦士のカラクリ公開でご覧ください。

ダブルスクールという、最初で一番訓練生活が短大生活が詰め込まれている1年間で、現地で数ヶ月は期間短縮できるから、余った時間を他の事に振り分けることもできるのですから。最初1年間がどれくらい詰め込まれているのかは短大から教官のカラクリ公開でご覧ください。今の時代のパイロット不足では少しでも早くプロパイロットとしてデビューしてほしいから。

ただ早いという短期間だけではなく、しっかり中身の濃い経験をしたパイロットであるべきです。余談ですが、先日飛行時間だけは持った外国人(アメリカ人ではないという意味)パイロットがAirSmartに面接に来ました。機長候補として十分な時間ですが、ログブックの中身とコミュニケーション能力に問題があったため不合格でした。一人で自由にVFRで飛行時間を貯めるとこうなります。教官として汗をかくことの大切さを今になってわかりましたと帰っていきました。勿体無い。。。

実は…飛行機だけの訓練だと訓練生の訓練計画にも影響します。

飛行機が整備に入ってしまって訓練が予定通り進んでない。進まなかった。はよく聞く話です。

試験が近い訓練生に飛行機を割り当てることもよくある話です。つまり、時間付のフライトは優先順位を下げられることで、訓練が予定通り進まない。進まなかったということです。

と私がスクール経営者に伝えたのですが、それはコントロールできない状況に対応するためだ。仕方ないことだと…

FAAはそこを見越して(いたのかはわかりませんが)、FAA Commercial Pilot要件の250時間のうち、20%の時間に相当する50時間分を、FAA AATDで認めているのです。しかしそこはFAAです。やるべき内容をしっかりFAA FITSで示してくれているのです。無駄にシミュレーター訓練をさせるべきでないことはFAAも知っているのですから。

もしAirSmart Aviation Academyに訓練生がきて「私は既に50時間持っている。事業用は200時間でいい」と言ってきたら中身を検証します。無意味な時間と判断したら「他の学校行ってください」か「ここを無視して250時間飛んでもらいます」と言います。もちろんFAAの設定した内容であれば全く問題ない!おそらく最初のチェックアウトでそれはすぐにわかることですから。

要は飛ぶ中身なのです。訓練なのですから。ゲームで遊んでるわけじゃないです。私の訓練生はログブックに訓練内容の詳細が全てわかるサイトのQRコードを貼っていますのでどこ行っても、誰に聞かれても安心です。堂々とFAAに見せたらいいと言っています。FAAが作ったシラバスを元に作成したシミュレーター訓練に特化したコースなのですから。

ちなみにそのオリジナルコースの作成もNAFI Master Instructorの要件に加味していただきましたし、O1ビザ(そして永住権)の要件にも満たされました。何が言いたいかというと、目の前の訓練生の課題を見つけ、課題を解決していくことが、目の前の訓練生の安心につながり、自分の新しい道を作り出していく事にもなるのです。教官職って深いんです。ブログ記事パイロットとして米国就労O1ビザ取得で教官職の紆余曲折をご覧ください。みなさんはそこまでしなくとも短期間で取得できるヒントを書いたつもりです。

それでもやらない理由があるのです。

やってない理由②インストラクターの都合

シミュレーター訓練での時間付を認める条件として二つあります。

一つはFAA AATDであること。つまり機材がFAAが認める上級機種であるということ。FAAが認める機種のレベルは二つあります。Basic ATDとAdvanced ATD。やはりAATDは価格が高い… そりゃそうですよ正式にログ付できる内容が違いますから。その違いは別のブログで紹介します。

二つ目はFAA飛行教官の同乗訓練であるということ。PrivateやCommercial訓練であればCFI、Instrument Rating訓練であればCFII、Multi-Engine訓練であればMEI。要はフライトインストラクターからレッスンを受ける必要があるということ。

つまり…

フライトインストラクターは飛びたい!飛行時間を稼ぎたい!シミュレーターなんかで時間を取ってられない!

十分理解できる理由です。ほとんどのインストラクターがステップアップで教官職をしている以上、飛行時間をできるだけ早くつけたいのですから。

AirSmart Aviation Academyは違う!玉那覇の理念を理解してもらったTommyとの共同事業です。インストラクターにはできるだけ飛んでもらうことには変わりません。飛べる時にはできるだけ飛ぶ。逆にいうと飛べない時を活用するという考え方です。つまり夜です。その時間帯って日本は朝です。リモートで教えるという考え方です。言い方を選ばずに言うと、インストラクターにとって都合のいい時間にいい小遣い稼ぎができるのです。

オンラインでリモート教育訓練の必要性については私がRedbird Migration 2020でオンラインBreakout Sessionで伝えていますのでご参考にされてください。

つまり訓練生にとっては、渡米前にリモートで現地フライト教官から学べ、事前に時間付もできるってことなのです。

そこまで言えばインストラクターもやる気が起こりますが、そもそもの話で、何で事前にやるの?って疑問が生じます。

やってない理由③シミュレーター教育の誤解


固定概念から抜けきれていないから…

事前に仕上がってる訓練生を見たことがないからです。そもそもそんな訓練生はいない。実機を飛ばして飛行訓練をするという常識があるからです。

常識は打ち破らないと課題が解決できないのです。

あり得ないことが常識になることって多々ありませんか?

これまで30年近く日本人が海外航空留学で失敗してきた例を見てきたからです(もちろん成功者もたくさんいます)

やっとフライトシミュレーターメーカーがシミュレーターレッスンをバーチャル教官が教える仕組みを作り出してきてる背景や理由は様々ですが、言えることは一つあります。

パイロット訓練費用が高騰する中できるだけ効率的な訓練を提供する

まとめ:渡米前にシミュレーター訓練をやる理由

再掲します

渡米後でも金銭的にも時間的にも余裕のある方はやらなくて結構!
現地アメリカ人同様仕事しながら訓練できる方はやらなくて結構!
そうでない方は絶対におすすめです!

実例紹介❶

FAA Private Pilotを希望する日本人訓練生(男性40代、フルタイム社会人)の事前訓練と座学を全て終えてアメリカ訓練先に送り出しました。当時はFAA DPE(試験官)をしていたので、オーラルと実機でこれくらいできたらPrivate Pilotは合格するレベルで送りました。

現地の教官からは大絶賛をいただきました。渡米直後にこんなメッセージ。「こんな楽なPrivate Pilotの訓練生はいなかった」って。つまり全ての訓練課目の手順は知ってるし、できているってことです。

こっちからしてみれば手順を覚えるのは当たり前。パイロットとしての判断力も養成してましたから。

Cross-Countryの訓練では、Navigation Log作って飛ばせるだけではない(このレベルは当たり前)。途中で必ず何か起こるシナリオ入れてます。少しずつ徐々に負荷をかけてというテクニック。

なので訓練生からのメッセージでその効果が確認できました。「玉那覇さん、実際のクロカンでは何も起きないんですね!もうずっと色々これがこうなったらこうしよう。あれがああなったどうしよう。と考えていたら何も起きずホッとしました」

実例紹介❷

ほとんどの訓練生が資格取得後は自分の経験したところから飛び始めます。チャレンジャーは経験したところ以外を飛び始める日が早いです。下手したらずっと同じところを飛び続けて、増える飛行時間だけを気にしている人も見受けます。

10年シミュレーター教育をしてきた私の最近の訓練生は違います。50時間のシミュレーター訓練で一度たりとも同じところを飛びません。初めてづくしの空港ばかりです。しかもリアルな天候と提示した各種条件です。毎回がチャレンジのフライトを経験します。ブログで書いたリアルワールドIFRフライトに似たような経験をしていきます。

AirSmartのチャーターフライトも似たようなものです。現役キャプテンからも毎日がチャレンジだよ。だって天候も違うし、初めていく空港が結構多いしね。と言う世界。

そんな彼らはアメリカで経験した事ないところに飛んでいくことに他の人のような怖さはありません。多くのことを経験(大体が失敗経験です)慎重さを持って果敢にチャレンジする経験値が出来上がってるのです。

以上の逆説的解説からまとめると事前に50時間訓練する理由は次の通りです。

  • 現地訓練期間を短くする

  • 現地訓練費用を安く抑える

  • 特に初年度のダブルスクール時期に他の事に時間を使える

  • 渡米前に現地フライト教官からリアルな訓練を受けられる

  • 現地フライト教官のリアルな訓練=現地ですぐに使える情報

  • 自分が教官になった時にその経験が生きる

  • 50時間訓練シナリオ=そのまま使える(自分なりに修正も可)

  • 自分が教官になったら副収入も可能

  • 渡米後のストレス(できない・わからない)が少なくなる

  • 多くの失敗経験を安全な状態で経験している

  • 多くの失敗経験は正しい判断力養成に役立つ

どうですか?事前にやっておくことの大切さが少しはおわかりいただけましたか?実際にAirSmart Aviation Academyで飛んでいる訓練生に会いに来て話を聞いてみてください。このブログでは紹介できないほどの理由を彼ら自身が伝えてくれるはずです。

兼城訓練生との現地実機訓練
島袋訓練生との現地実機訓練
FM番組でのインタビュー動画(クリックすると動画へジャンプします)


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