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3周遅れの「教育の質保証」

昨今各大学とも血道を上げている(上げさせられている)「教育の質保証」と、これから脱工業化社会が必要とする独自性と創造性、自律性を持った人材育成理念との整合性がどうも理解できない。前者はむしろ、かつての工業化社会型の品質保証大量生産モデルではないのか。

というよりむしろ、かつての学校教育は「品質保証」を義務付けられた工業社会型の大量生産モデル「でさえなかった」のであり、言うなれば「態度保証」とでも言うべきものだったのだと思う。

要するに「命令を素直に聞いてひたすら努力する」という「態度」さえ備わっていれば達成できるような、「難易度の低い目標」を追いかけていたからこそ成り立っていた人材モデルだったのであろう。

その「手抜き」を「反省」して、今になってようやく「品質保証」を手掛けるようになったということだ。それが「教育の質保証」である。しかしそれは残念ながら、3周ぐらい周回遅れの施策になってしまっているのではないだろうか。

今さら品質保証を実現したところで、もはや仕事の難易度は格段に上がり、そんな種類の品質など誰も求めていない(昔ながらのビジネスモデルがまだまだ通用すると考えている企業以外は)のだとすると、ずいぶんな悲喜劇だ。

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