バンジョーを大きな音で鳴らす方法
元々、大きな音で「うるさい‼️」バンジョーを、さらに大きな音で鳴らさなくてもエエのと違う? というご意見もあろうと思いますが、楽器でも歌手の声量でも同様で「フォルテッシモ」と「ピアニッシモ」の差いわゆるダイナミック・レンジが大きいことはメリットであり、常用音量域がマックスの90%なのか?80%なのか?余裕がある音量で弾くことによる楽器コントロールは演奏技術の向上にも繋がります。
70年代、アメリカでフェスを回っていた時に、会場の端っこにテントを張って寝ながら聞いてたら、J.D.CroweとSonny Osborneだけは寝ていても飛び起きるくらいデカい音が聞こえて来ました・・笑笑
さて、ブルーグラスのスタンダードなスリーフィンガー・ピッキングの場合、人差し指と中指に金属製のフィンガーピックを付けて、親指には樹脂製のサムピックを使うのが一般的です。どのピックがどんな感じか?は今回言及しないことにしますが、写真のように真っ直ぐ嵌めるのが基本です。
出来るだけ弦を直角方向に弾きたいので、構え方は写真のようになります。
ここから弦を「はじく」わけですが、指の力より掌、掌よりも腕の方がパワーがあります。そこで、指だけで「はじく」のではなく、掌や腕の内側の筋肉を使って、丁度ドアノブを回すような動きをすると、パワーフルなピッキングが出来ます。
その時、弦とピックが当たる瞬間の力を入れる具合は「指パッチン🤌」の感じが1番近いと思います。
弦を引っ張って離す、のではなく瞬間で「はじく」ことに注意しましょう。
日本語でギターなどの撥弦楽器を弾く表現に「爪弾く」という言葉がありますが、指先の、しかも爪の先でポロンポロンと、まさに爪弾くのではない、と認識しておきましょう。
弦楽器の駒(いわゆるブリッジ)の役割は、弦の横方向の振動を縦方向に変換して表面板(バンジョーの場合ドラムヘッド)に振動を与えて音を鳴らす、という作用なのですが・・「それなら縦方向に弾けば良いのか?」と考えられるかもしれません。でも縦方向に弦を弾くとビビりの原因にもなりますし、ブリッジの作用で然程大きな縦振動にはなりません。やはり横向きに強く「ハジく」のが大きな音の秘訣だと思います。
また、弦の振動には弦長の振動数から得られる基本音に加えて、分割振動によって発生する倍音成分が含まれているのですが、ブリッジに近い部分を弾くと倍音成分が増えるという実験結果があります。ピッキングのポジションを変えると音色が変わるのは其の作用ですが、心地よい倍音が加わると聴感的に音量が増したように聴く人に伝わります。丁度エレキギターのディストーションのように、ある種の倍音歪みが加わった音は他の音に掻き消されず伝わって響くのです。此れを応用したのがエンハンサーというエフェクターで、ボーカルに軽く掛けることによりバンド内で埋もれず、温かみのあるサウンドが得られ、実はラジオやテレビの音声にも使われています。
ピッキングポジションを工夫することによって、心地よく聴感上の音量を増やして演奏すれば「良く鳴っている‼️」と聴いている方々に伝わるのではないでしょうか?
Good Pickin’