アコハモ・マスター

アコースティックハーモニー 代表 弦楽器奏者兼修理屋・釣師 ・中古車査定士 主にバンジョーの記事を書いていますが、他の楽器もボチボチと・・

アコハモ・マスター

アコースティックハーモニー 代表 弦楽器奏者兼修理屋・釣師 ・中古車査定士 主にバンジョーの記事を書いていますが、他の楽器もボチボチと・・

最近の記事

書店とレコード店 [其の1]

絶滅危惧種店舗に街の書店とレコード店がある、いや既に絶滅しているかもしれないが・・ レコード店は今回ちょっと置いておいて、本屋さんを考えてみたい。 都会の大規模な書店でも存続が困難なのか、僕の住んでいる街(政令指定都市なんだけど)では最盛期から30%近くが減ってしまった。 街の文化度を知るには書店に入ってみることだと思う。駅前にある本屋を覗いてみれば、住んでいる住民のことが想像出来る。例えば、京都の一乗寺という、叡山電鉄の小さな駅がある町に少しの間住んでいたが、駅前の「恵

    • Roll in my sweet baby’s arms

      先ずは、こちらをご覧(お聴き)ください。 お手本となるFlatt and ScruggsのTV Showです。 イントロがレコードと違う、とかコーラスからではなくレスターのソロから始まってるとか、まあTVのための尺の問題かも知れませんが・・その辺は置いといて次に、Foggy Mt.Boysのカバーを売り物にしている人達の演奏です さあ、何か気がつきましたでしょうか? ボーカルのソロパートが終わってコーラスへ入るまでの間に(此の曲はキーがAなので)Eの音が入るか、入らない

      • 上品とか気品って何?(2)

        実は僕が書いている楽器や音楽の話題から逸れて、上品や気品について考えたり、HSPの人を思いやったりするシリーズは、音楽シーンで出会った「とても苦手な人たち」について考えたり、下品な演奏をした自分への反省であったりすることからスタートしています。 しかし、ジャズにしてもロックにしても、その音楽が形成される過程においては「下品」と思われたり演奏者を「下品な人」と扱ったりして来たのです。 絶対的な評価というより、環境や文化などで「新しく生まれた音楽」を相対的に上品か下品か、を考

        • 上品とか気品って何?

          久しぶりに某ライブハウスで演奏したら、立地条件なのか?それともご一緒した演者の方々の顔見知りなのか?聴きに来られたお客様の方々がとても上品な佇まいをお持ちの人が多かったので、この辺りを少し考えてみようと思います。 こんな話もあります、某日神戸の旧居留地にある百貨店へ出掛けた時、何人かの「気品が漂う」ご婦人や、素敵なご夫婦に出会えました。このお店では良くこんなお客さんに遭遇します。 また、マルーン色電車の中で注意深く観察していると、同じような年齢の方でも、何処となく雑な感じ

          HSPについて考える

          やはりアート系の人が多いのか、僕の周りには「高感度型」の友達が多いように思います。いわゆるHSPと言われていますが、病気とか障害ではありません。世の中には約2割近い方々が該当するそうです。 反面、過敏ではないタイプ・・まあ天然とでも言いますか?言葉は悪いですが「ニブい方」も8割ほど居るので、世の中のバランスがとれているとも言えば其の通りなのですが、HSPの本人にとっては生き辛いことが多々あって、精神的な苦痛を感じているのは間違いありません。 先ずはHSPについて、下記のリン

          HSPについて考える

          革製ストラップの手入れ

          カントリー系のミュージシャンには革ストラップが人気ですが、ついついライブの後で放置したまま、次のライブの時に漸く出して来る、なんて事が多いのではありませんか? ギターやマンドリンは楽器自体が軽いのでストラップに掛かる負荷が少ないですが、バンジョーは重いしフックから角度が付いているので、変な向きに重量が掛かるみたいですね 弊社のストラップをお願いしている「Ishigen Leather Works」さんに手入れの方法を教えて頂きました。 先ず使われた後は汗を吸っているので

          革製ストラップの手入れ

          音楽と英語

          音楽を勉強しよう、と思えばイタリア語とかドイツ語ではないのか? そういった古典的な見解を理解しない訳ではありませんが、僕のnoteを読んでくれている大半の読者層は、ポピュラー音楽のしかも米国ルーツ音楽に興味がある方々だと思いますので、クラシック音楽やそれに関する周辺の、楽器だとか録音技術やプロデュースなどの仕事は今回は敢えて触れません。あくまでアメリカン・ルーツ・ミュージックと其の周辺に限定した話と思って読んでください。 ですから、僕らの演奏しているジャンルの音楽は楽曲は勿

          Kingston TrioのVega

          キングストン・トリオが使ったバンジョー、一見すると同じように見えるVega Pete Seeger Modelですが、Dave GuardもJohn Stewartも何本か複数の個体を使っていた事が分かります。 1958年、Dave Guardが初期のモデルを買った件は別の原稿にも書きました。Daveが何本のSeeger Modelを弾いていたか?これは定かではありませんが、推測する限りでは「1本ではない」と思います。 その根拠になった写真が・・こちら ↓ この興味深い写真

          バンジョーを大きな音で鳴らす方法

          元々、大きな音で「うるさい‼️」バンジョーを、さらに大きな音で鳴らさなくてもエエのと違う?  というご意見もあろうと思いますが、楽器でも歌手の声量でも同様で「フォルテッシモ」と「ピアニッシモ」の差いわゆるダイナミック・レンジが大きいことはメリットであり、常用音量域がマックスの90%なのか?80%なのか?余裕がある音量で弾くことによる楽器コントロールは演奏技術の向上にも繋がります。 70年代、アメリカでフェスを回っていた時に、会場の端っこにテントを張って寝ながら聞いてたら、J

          バンジョーを大きな音で鳴らす方法

          楽器演奏とインナーマッスル

          スポーツ界では30年以上前からインナーマッスルの研究が進み、アウターマッスルを鍛える所謂筋トレと並行してインナーマッスルを重視したトレーニング方法が確立されています。 何故か?というと、ココ1番☝️という場面、ゴルフなら優勝が掛かった1メートルのパットを打ちきれなかったり、オーバーしてしまったり、またテニスならゲームポイントのチャンスボールをネットに掛けてしまったり、スタンドまで打ち込むオーバーショットになったり、普段なら何と言うことのないプレーが緊張感の中ではミスしてしまう

          楽器演奏とインナーマッスル

          12弦ギター

          最近では見かけるのがとても少なくなった12弦ギター、フォークソング全盛期には結構多くのバンドやシンガーに使われていました 楽器としては重いし、押さえにくいし、調弦は面倒だし、何ひとつ良いところが無いように思えますが・・ やはり複弦楽器が持っている独特のサウンドが魅力的なんですね 強烈なインパクトでデビューしたルーフトップ・シンガーズはなんと12弦ギターを左右に配していました 60年代は12弦でイントロを弾く曲が多かったように記憶しています シーカーズの大ヒット曲もその

          500マイル

          へディ・ウエスト作の名曲、アメリカン・フォークソングを歌う方なら殆どの人がレパートリーにされているのではないでしょうか? 例によってオリジナルを聴いて、ちょっとお勉強しました。 歌詞がたくさんあって、PP&Mもキングストン・トリオも其の中から歌い易い、内容が普遍的な部分を抜き出して(適度に短縮して)いるのが分かります。 とこで、一口に500マイルと言ってもどのくらいの距離感なのか?マイルに慣れてないキロ表示の日本で、分かりやすく考えてみましょう。 私の住んでる神戸から

          Did She Mention My Name?

          Gordon Lightfootの名曲で沢山のカバーがあり日本人でも持ち歌にされている方は多いです、ただし歌い回しに気になるところがあって、例えば1番の歌詞だと・・ It's so nice to meet an old friend and pass the time of day And talk about the hometown a million miles away Is the ice still in the river? Are the old fo

          Did She Mention My Name?

          Vega Long Neck Banjo 第5回

          Martin社からVegaを買った韓国のギャラクシー企業体ですが、此の期間のことは分からないところが多くて、つまり書くことも殆どありません。 外見的な特徴は「VegaのロゴはMartin期と同じ斜体」なので、パッと見たら分からないのですが、じっくり観察すると塗装や仕上げなど、何となく「違うなぁ〜」というのが分かると思います。 このギャラクシー期のVegaに関して何か情報をお持ちの方が居られましたら是非宜しくお願いします。 さて、Deering Banjoの元社長Greg D

          Vega Long Neck Banjo 第5回

          Dooley

          昨今、話題になっているTony TrischkaのEarl Jam Projectで取り上げられた「Dooley」ですが不思議ことに何年かのブランクをおいてゾンビのように復活する曲なんですね・・・ もちろんオリジナルはDillardsが1963年に発表したBack Porch Bluegrassのアルバムに収録されていました。 BanjoのDoug Dillardが弾く個性的な演奏はMIMT MIMTとかTIMI TIMIのような指遣いから発生しているように感じます。 5

          Keith Tunerと互換品(追記あり)

          バンジョーの弦のチューニングを故意に変えてメロディにする奏法、これはEarl Scruggsが彼の名を冠した「Earl’s Breakdown」で披露してから知られるようになったのですが、最初は普通の糸巻きを操作しチューニングを下げては元の音程に戻して、という作業を曲中に(まさに曲芸ですが)行っていました。 その後・・ 此の動画のようにカム式のチューナー(チェンジャー)が開発され、曲芸の必要性は無くなったのですが、カム式のチェンジャーについての詳しいお話は下記を参照してく

          Keith Tunerと互換品(追記あり)