Vega Long Neck Banjo 第5回
Martin社からVegaを買った韓国のギャラクシー企業体ですが、此の期間のことは分からないところが多くて、つまり書くことも殆どありません。
外見的な特徴は「VegaのロゴはMartin期と同じ斜体」なので、パッと見たら分からないのですが、じっくり観察すると塗装や仕上げなど、何となく「違うなぁ〜」というのが分かると思います。
このギャラクシー期のVegaに関して何か情報をお持ちの方が居られましたら是非宜しくお願いします。
さて、Deering Banjoの元社長Greg Deering氏はキングストントリオなどの60年代フォーク・ムーブメントからバンジョーに興味を持った世代なので、私たち(日本人でモダンフォークに親しんだ世代)と同じような経緯でVegaに関心を持ち、Vegaの権利を買い戻したのだと考えられます。何故かというとDeering社の現在ラインナップされているVegaブランドの製品・・同社のHPに詳しく掲載されている・・を観て頂くと分かりますが、殆どがオープンバックのフォーク・モデルで、しかもロングネック・モデルが非常に多くのバリエーションを持って製造されていることが見えます。しかも現代的な造り方で、出来る限りFairbanksの当時を再現しようと努力されているのが、例えばブラケット・バンドは内側にシュー用ボルトを収めているため胴体内側には貫通ボルトは出ていません(ただしコーディネーター・ロッドは金属製で木製のDwel Stickではない点が惜しまれますが・・)
ただし残念なところも無いわけではありません、ネックの白色バインディングが古いモデルより僅かに幅広く、スマートさに欠ける気がして此処は特に惜しまれるポイントでしょう。細い(薄い)0.3mmのバインディングは日本が誇る大和マーク社にちゃんと在庫があるので是非とも採用して欲しいところです。
まあ、なんと言っても価格が(為替の円安もあって)ちょっとした中古の軽自動車が買えるくらいになってしまったのが最も残念なところかも知れませんね・・
DeeringがVegaを買い戻した時、Greg Deering氏は「廃棄処分」とされたゴミ箱の中から貴重な古い部品類を見つけ、契約書へのサインも其処其処にゴミ捨て場を漁ることに終始したそうです。彼のバンジョー・マニアらしい側面が理解できるエピソードだと思います。
Deering Vegaのロングネックを弾いた感想は、新しい楽器特有の「安心感」と「これから鳴らさないといけない」不安感が混ざった印象でした。多くの個体が販売された60年代のVegaと比較することが正しいか?分かりませんが、古い楽器を弾き続ける(破損や部品の紛失などの)リスクとは無縁の「新品」の良さも理解しなければならないでしょう。とにかく「2024年の現在でもVega Brandのロングネック・バンジョーが新品で買える」という事実が最も重要なところです。
では、とりあえず一旦「ここまで」
あとは新事実が分かれば続きがあるかもしれません・・笑笑