ダメージシーンズ
思い出した。
それは突然のこと。
今まで一度だって思い返したことはなかったのに。
堰を切ったようにどんどん溢れ返ってくる。
あの日の記憶。
それは気持ちの悪いものでは無く、しかし清々しいものでもない。
ただただ平坦な記憶。
記憶していたことすら知らなかったような
ただの日常の一コマに過ぎない。
それでもこれだけ鮮明に思い出せるのは
僕にとっては大切で、非常に重要な人生の一部だったのだろう。
自転車を漕ぐぼく。
穴が空いたデニム。
きみはうしろで笑っている。
あたたかい春の空気が鼻を抜ける。
あながあいてるよ。
これはデザインだよ。
きみはまた笑う。
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