スローターンを体感で検証した夏|パラグライダー
パラグライダーの旋回は細かく分けると色々なテクニックがあります。
「通常ターン」「スローターン」「クライミングターン」「アクセレレーションターン」など。(用語として間違ってたらゴメンナサイ)
多くのパイロットは深く考えずにターンして、なんとなくの技術として身につけているものだと思います。
各テクニックを理解して、意識的に使い分けることでレベルアップできます。
先日、パラグライダー界のレジェンド扇澤さんはサーマルセンタリングでのクライミングターンの活用に関する動画をアップしてましたね。
(この話はまた今度)
僕自身は、あまり理論的に深堀りするのは得意ではなかったのですが(今でも得意ではない)、その重要性や有用性を実感することが多々あって、今では少し考えるようになりました。
この夏通して「スローターン」を意識しながら使ってみたので、感じたことや考えをまとめておきたいと思います。今までも自然と使っていたテクニックですが、改めて意識するとその特性を体感することができました。
スローターンとは
「スローターン」というワードが専門用語として確立しているかどうかは知りませんが、このテクニック自体は昔から自然と使われていたものです。
分かりやすい用語は他者に伝えやすくて良いですよね。
僕がスローターンというワードを最初に目にしたのはJPAスーパーバイザーでもある岡田さんのYoutube動画だったかな。
https://youtu.be/brm3V36SQ20?si=Nvfkt-ciFsTd4lvI
いつも勉強になります、ありがとうございます!
通常のターンとの違い
通常のターンでは、通常滑空の状態から内翼のブレークを引くことで旋回します。
対して、スローターンは低速飛行の状態から外翼のブレークを開放することで旋回します。
スローターンを深堀りしてみる
じゃあ、スローターンはどんな特性があって、どんなメリットがあるのか?
デメリットはあるのか?
僕なりに考えてみました。
あまり難しいところまでは深堀りせず、分かりやすい表面的な部分にフォーカスします。
メリット(特性)
ブレークを引いた状態からの旋回
翼を安定させたり滑空比調整など低速飛行している時に活用できる
外翼を加速させるので旋回時のコントロール性が良い
旋回導入時から半径やバンクのコントロールがし易い
旋回の導入がスムーズ
通常ターン時に発生する内翼の瞬間的な揚力増加がない
内翼の操作も合わせると、さらなる旋回コントロールが可能
デメリット(注意点)
低速飛行からのターンなので、内翼は基本的に引かない
引いたらスピンしちゃうかも
乱れた空域での低速飛行は失速注意(特にランディングアプローチ中)
地上付近は風の変化が大きい
どんな時に活用したか
主にタンデムフライト(というか、夏は忙しすぎてタンデムでしか飛んでない)で検証しました。
けど結果的に、体重移動(ウェイトシフト)がほとんど使えないタンデムフライトでかなり特性を体感できました。
タンデムでは通常ターンだと、どうしても内翼の揚力増加をうまく打ち消すことができずにスムーズでクイックな旋回導入が難しい。どうしてもちょっと強引になりがち。
けど、スローターンの特性のおかげでめちゃめちゃスムーズに旋回導入できるんです。
さらに、外翼を加速させて(サージ)旋回導入するので、旋回半径やバンク角をコントロールし易いもの大きなメリットでした。
僕のホーム「白馬八方フライトエリア」のランディングはちょっとクセがあるので、「臨機応変にクイックな旋回導入ができる&旋回半径をコントロールし易い」はかなりの利点です。
今夏のランディング動画の中から、スローターンの活用が分かりやすいシーンをまとめてみました👇
当然、ソロフライトでも同じように活用できるテクニックなので、ぜひ意識的に使ってみてください。