35歳からの独り暮らし(3)

大学時代のアルバイトが、どのようにその後の仕事観に影響したのか。

始めたのは2年になってからで、当時はまだアルバイト情報誌、紙媒体が主流だった。
そこで見つけたのが、百貨店の洋食屋。
ホールスタッフの募集だった。

人当たりの良さそうな50代くらいの男性シェフ兼店長の面接があり、無事採用となった。
私が入った時には、キッチンには店長含め3人の男性シェフ。ホールは店長の奥さんが取り仕切り、その他大学生の女子が3人いた。

ホールの男子は私1人だったが、店長も奥さんも良いお人柄で、私は結果、卒業するまでずっとそのお店で働いていた。
もちろん、業務の中で注意を受けることもあったし、時給も決して高い方ではなく、色々起こったりもしていたのだが、卒業までの約2年、続けられたのは、居心地の良さや、無料の賄いが美味しかっただけではなく。

総合的に、楽だったのだ。

百貨店のレストランフロアは、営業時間が他のフロアよりも長い所が多い中、私が働いていた当時は他のフロアと同じ営業時間だったため、夜7時がオーダーストップ。ディナータイム営業が無いようなものだ。

ランチタイムが過ぎれば、あとはのんびりとデザートメニューを食べに来るお客様を、シェフの社員さんとホール裏で、時にはタバコを吸いながら待ってるような日が多かった。

それでバイト代としてお金を得てしまったが故に、お金稼ぐって案外楽だな、という考えを持ったまま、卒業、就職と進んでしまった。

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