糖尿病の悲劇
糖尿病はいったん罹患すると治療は困難で、一生ものの病気と言われてます。また、贅沢病とも言われ、過食や肥満が発症のきっかけになるのは周知のことです。
インドでこの糖尿病が飛躍的に増えているらしいです。極度の貧困時代に出生した世代がその患者だというのです。過食・肥満・飽食、それらの要素がない時代に生まれた世代になぜこのような病気が目立ってきているのでしょう。調査研究の結果、その世代の母親、ようするに母体に原因があったというのです。
貧困に苦しみ、満足な食事もできない母親が産む子供には、その体内にいってみれば省エネルギーのモードが出来上がるらしいのです。生まれてからも満足な食事ができないと身体が認識し、その環境に対応できるように筋肉や他の組織が形作られるというのです。人体の巧妙な技ですね。
そのいわゆる省エネモードの体質の世代が、満足できる食環境に身をおかれて普通の食事を摂取すると、カロリーは平均であってもその身体にとってはすでに過剰になってしまうというのです。したがって、ごく普通の食事をし肥満でもないのに、体内では栄養過多の状態と認識され糖尿病に罹るという仕組みになってしまいます。
さて、その省エモード糖尿病とも言うべき糖尿病が、今の日本で若い世代に増えつつあるらしいのです。若い世代、つまりその母親もすでに戦後の貧しい食環境などとは無縁であったはずの女性が産んだ子供世代に、なぜこんなタイプの糖尿病が増えているのでしょう。確かに現代の日本は、過食・飽食の時代ではありますが、まだそんな過剰な食環境に身を置いてはいない若い世代、十代や二十代の若者になぜこんな贅沢病が増えているのか。
理由は簡単なところにありました。つまり、若い女性の過剰な食生活ではないそのまったく対称の「過剰なダイエット」にあったのです。若い女性の痩せたい願望、それをより助長し煽りダイエットを促すメディア、その他の広告媒体。そんな若い女性の心理からおこる、過剰なダイエットが問題視されてますが、その影響はダイエットをしている女性本人だけではなく、産み落とされる子供にまで及んでいるのでした。
母体となる女性の過剰なダイエットで、その身体は貧困な食環境にあるのと同じ状態になっており、妊娠中の子供はそれを認識して省エネモードの体質になって生まれてくるのです。なんとも皮肉なことですね。若い女性の痩身願望。分からなくはないですが、自分は子供を産む身体なのだということを理解して欲しいと思いますね。
若い女性の方々、そんなに太ってはいないですよ。しっかりと食べましょうね。蛇足ながら、若い女性の喫煙も私は唾棄すべきことと思ってますが、ある女性に苦言を呈したところ、妊娠したら煙草を止めるからと言われました。
妊娠してからでは遅いのは周知のこと、自分は子供を産むという使命を負った身体なのだということを しかと認識して欲しいものです。