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YouTubeチャンネルを伸ばす方法

みなさん、YouTube やってますか?

今回は、

  • YouTubeをはじめてみたけど再生数が伸びない

  • これからやってみたい

と考えている方々へむけて、有益な情報をお届けします。ズバリ『YouTubeチャンネルを伸ばす方法』です。

自分が有名人だったり面白い人じゃなくても、自分が出演しなくても、チャンネルを伸ばせる方法です。


私の過去の経験

日本の知識レベルを底上げするんだという想いで始めたものの・・・

私は2021年4月にYouTubeチャンネルを開始して、あるジャンルで日本一の登録者数&再生数のチャンネルに成長させて、去年譲渡しました。登録者数は合計30万人。戦略的に通常動画とショーツ用のチャンネルを分けていたので、銀の縦を2枚もらいました。(分けた理由は後で話します)

サイズがでかい。MacBook Pro 16インチと同じくらいのデカさ。

当初もっていた問題意識は、世界中に優良なコンテンツがあるにも関わらず、日本人に届いてないのではないか?ということでした。みんながテレビをみていた時代は、テレビ局が世界中からコンテンツの権利を買付して放送することで情報が届いていましたが、今はテレビをみないので、流通手段がなくなりました。

村社会に閉ざされた人々は、外の世界のことを知ろうとせず、知らないものは怖い、敵だ、と考えるようになってしまいます。田舎育ちの私は、中高生の頃に東京は怖いところだから近づくなと教わりました。このままでは、日本そのものが村になってしまう。日本人の知識レベルを底上げするんだ!という野心で、動画をやろう、動画ならYouTubeだと思ってスタートしました。そんな志ではじまったYouTube動画でした。

最初は北欧の先進的な教育を紹介するドキュメンタリー番組を翻訳してみたり、米国の分析的でロジカルな経済ニュースを翻訳して投稿していましたが、再生数が月に4ビューとかしかありませんでした。(自分たちの再生数を差し引くとえ!?みたいな)そこから、どうすれば再生数が伸びるんだろう?と考えて試行錯誤した結果みつけたノウハウが今回ご紹介するものです。

結果的に作成したグーグルアカウントは20個くらい、YouTubeアカウントも20-30こはつくりました。自分たちでオリジナルで作成したものや、購入したアカウントもあります。アカウントの収益化停止になったり、BANされたこともあります。様々な試行錯誤とそこから導き出した勝つ方法を共有します。

補足:YouTubeを開始して気付いたのは、日本中にはとてつもなく詳しい人達や頭いい人達がたくさんいるということでした。コメント欄をよんでて気付かされました。この人よく知ってるな〜という人や、その発想はすごいな〜っていう人達がたくさんいて、知識レベルの底上げなんておこがましかったなと気付かされました。

常に参入のチャンスはある

色んなメディアに興味を持つ人達がよくする質問があります。〇〇へ参入するのは遅いですか?っていうやつです。今はもう遅い、みたいな言う人もいます。実は常にチャンスはあります。しかしフェーズによって参入可能領域や、必要なスキルや、必要なお金が違います。ただ、参入のチャンスはいつでもあるんです。

そういう前提で現在のYouTubeの【横長動画】のトレンドをみてみると、いまは企画系の軸で法人参入がしやすいタイミングだと考えています。昔はおもしろ軸で参入する個人のYouTuberが多かったですが、途中から法人でリード獲得を目的としたチャンネルが増えてきました。そこからYouTube Shorts と TIKTOK という短尺の縦長動画が成長したことで、暇つぶし需要とエンタメ需要が縦型動画に流れました。またYouTubeアルゴリズムが再生数ではなく視聴時間や視聴維持率を重視する方向にシフトしたこともあり、結果的に横長動画を見る人達は、目的があってみる、探してみるようになり、動画供給側も長尺で視聴維持率重視の構成となり、そういうマッチングの場となりました。

つまり、アナロジーとして検索結果に出てくるSEOサイトにとても良く似た構造になってきました。実際、SEOサイトを作っている人達がやるように、とてもロジカルにコンテンツを作成できるようになりました。

SEOサイトがいまどういう状況になっているかというと、一定の検索ボリュームや市場規模のあるキーワードの検索結果には大手企業や激強SEO会社のサイトが並んでいます。新規参入して一定の売上を出すには投下資本や必要なスキルレベルが高くなっていて、昔のように個人アフィリエイターがちょろっと参入してめっちゃ儲かるというフェーズではなくなっています。つまり、個人から法人、さらには大予算を持った法人に市場シェアがシフトしている形になっています。

SEOサイトと同じくYouTubeにもチャンネルや動画に資産の性質があるため、将来的にはYouTubeも似たような形になるんじゃないか?というのが私の考えです。

そう考えると、今というのは個人参入から法人参入への移行期になっていると考えられます。法人が仕掛けるなら今です。そして法人で参入するならどういう領域がありそうか考えるとみえてきます。そのうち、インフルエンサーと広告費用1000万円払ってキャンペーンやるなら同じ予算でチャンネル作ったほうがコスパあうんじゃない?みたいな話がされるかもしれません。

ちなみに個人も依然として参入チャンスはありますが、ShortsやTIKTOKのが相対的に参入しやすいので、今はじめるならそっちやる人が多いかもしれません。ただ実際には短尺動画も徐々にプロ系のプレイヤーが増えてきています。伸びてるジャンルを見ると上手にアルゴハックしながら組織的にやってる人達がいることが多いです。(後でこのへんもカバーします)

領域選定と考え方

領域選定の方法

そもそも、YouTubeやりたいけど、どんな動画やったらいいかわからんっていう人のために一応この項目をつくりました。結論、伸びていてこれからも伸びそうなカテゴリや動画を見つけて真似するのがよいです。

具体的に説明します。

まず最近伸びてるチャンネルを調査します。
なんか最近は色々なツールがありますが、私はよく Yutura というサイトのランキングをています。今月(2024年10月)の月間再生数ランキングを上から順にずーーーっと見ていくと、再生数が急上昇しているチャンネルをみることができます。そしてぽっとでてきたチャンネルを見つかります。

https://yutura.net/ranking/mon/?mode=view&date=202410

例えば今しらべたら、この赤枠のチャンネルが伸びています。ランキング下にたどっていくと似たようなチャンネルがでてきます。

『1分動画』というチャンネルをみてみると、こんな感じの動画がでてきます。ショーツのチャンネルです。どうやら海外のバズ動画を切り抜きしてまとめているようです。「海外バズ動画切り抜き系」と呼ぶことにします。

動画内に引用元:Bekind と書いてるのでYouTubeで調べましたが存在しないです。TIKTOKで調べたら海外のアカウントがでてきました。おそらく、海外のTIKTOKチャンネルでバズってる動画を切り抜きして投稿しているようです。

次に、SOCIALBLADE というサイトで再生数などの推移をみます。(色々ツールありますが、無料だし使いやすいし十分なのでこれ使ってます)

https://socialblade.com/youtube/channel/UCuP7Oceo9kOQ_tyUWadNmJA

そうすると、2023年5月に設立されたチャンネルで再生数や登録者数がどれくらいかわかります。再生数の推移に着目すると、今年の5月〜6月に急増して、今も成長していることがわかります。(一応、とくに関係者でもなんでもなく、1分動画は勝手に取り上げています、すみません)

https://socialblade.com/youtube/channel/UCuP7Oceo9kOQ_tyUWadNmJA

そして、それぞれの指標をスプレッドシートにまとめていきます。チャンネル設立日や総再生数、動画投稿数、1動画あたりの再生数や現在までの期間(ヶ月)などです。

サンプル

似たようなチャンネルをこうやって記録していき「海外バズ動画切り抜き系」のようにジャンルのラベルをつけて集計します。そのジャンルが伸びてるか、どれくらいの再生数規模があるのか、似たようなチャンネルはどういうものがあるのか、それぞれ、どれくらいの期間で動画を何本だして再生数をどれくらいだしているのか、競合はどれくらいいるのか、チェックします。

サンプルのスプレッドシートには『【2chショート】ともやん』のようなチャンネルが入ってますが、これはランキングをざっとみたときに2chの内容をショートアニメにするジャンルが伸びていたので入れちゃいました。

みたいな感じで、
① 伸びてるチャンネルを探す、
② 集計する、
③ いけそうだとおもったら真似して参入してみる、
という流れです。

シンプルにこれを繰り返していたらヒットすると思います。チャンネル設立日が浅いにも関わらず再生数が急増しているジャンルが狙い目です。あるいは再生数が伸びるトレンドが直近で生まれているジャンルです。

そうはいってもやっても伸びないんじゃないか?疑問に持つ方、いますよね。実際にやってみてつまづいた経験のある方、いますよね。大丈夫です。解説します。

目標設定

まずYouTubeチャンネルを運営する目的と目標設定が大事です。最初に領域選定の方法を紹介したのは、ゴール設定なんかいいからとりあえずやってみたいんだ!っていうせっかちな人達がいるからです笑

まずチャンネルの目的。
色々ありますが2つに絞ります。

1. 動画で集客すること(リード獲得や来店誘導)
2. 動画で広告収入を稼ぐこと

次に目標設定。
上記をいつまでにどれくらい達成したいのかという数字目標です。

例:
・動画1本あたり2件の来客を獲得したい
・1ヶ月で100万円の広告収入を得たい

基本的にこの数字は市場感とのすりあわせが必要です。同一ジャンルで動画を作ってる人や、その中で紹介されたお店にヒアリングをして、動画1本あたりどれくらい数字がでるのか調査します。広告収入については視聴単価がジャンルによってバラバラですが、概算でも算出することができます。

おれはこのジャンルで大谷翔平になるんだ!と息巻いて、バズっても再生数が40-50万回しかいなかいジャンルで500万再生狙う、みたいなのは対象外にしています。頑張ってください。今回は再現性の高い方法にフォーカスしていて、まずジャンル平均値を狙う、ジャンル内でトップを目指す、ことが大事だと考えています。

たまにこういう悩みや質問や発言があります。

・YouTubeチャンネルを運営しているがうまくいってるのかわからない。
・なんか再生数伸びてる、うまくいってるぞ!会社を辞めて独立しよう!
・再生数が伸びない・・
・登録者数が伸びない・・・

何を基準にしていますか?

重要なのは基準を作ることです。
基準は、同一ジャンルに属するチャンネルの数字からつくります。

さきほどのように網羅的に集計してみて、あるジャンルに投稿されている動画の再生数が1本あたり平均6,000回なら、そんなもんです。登録者数についても同様です。再生数や登録者数の伸びについては、先程のシートを定点観測して数字を更新すると、ジャンル平均の成長率がわかります。そこを基準にします。転がってない数字はヒアリングします。

より詳細をみると、例えば動画10本アップして7〜8本は再生数1〜2万回くらいだけど、2-3本はヒットして数十万回以上いくなーとかの傾向もあります。

競合分析の方法

基本的に前述のようにスプレッドシートで集計して定点観測するのが基本になります。しかし、競争が激しいとせっかく動画を作っても数字が伸びないかもしれません。あるいは低迷して終わるかもしれません。

競合は、①数、②強さ、の2点で評価します。そしてこれを、①アルゴリズム、②コンテンツ、の2つの軸でみます。YouTube は良いコンテンツを作れば伸びるものではありません。『良いコンテンツづくり×アルゴリズム対策』の掛け算で伸びます。(アルゴリズムの詳細は後述)広告やSEO対策と一緒ですよね。

アルゴリズム対策の話を理解しないと上記のマトリクスで分析できないので、ここでは、ざっくりと数と強さを把握する方法を紹介します。

競合数については、前述のスプレッドシートのように集計すれば、競合の数を把握でき、かつ当該ジャンルでの再生数シェアも出すことができます。そして、一定期間にどれくらいのクオリティの動画を何本だしているかを調査します。それで、1本動画を自分で真似して作ってみます。そしたら、自分でこの動画1本作るのに6時間かかったのに、このチャンネル1日3本もだしてるのかよー、とか、このレベルなかなか高いなーとか、わかります。さすがにこれ編集者1人じゃ無理じゃね?と思ったら、そのチャンネルは組織化してチームでやってる可能性があります。

クラウドワークス、ランサーズ、ココナラ、等でYouTube動画制作案件を探してみてください。そのジャンルの動画編集の募集がでていたりします。

そうやって、競合プレイヤーの体制やレベルを想像しながら、これ自分で勝てるかなー、戦ったら何位くらいになれるかなーって考えます。そしたら再生数も大まかに出せるので目標数字とすり合わせします。

逆にですね、そのジャンルが、趣味レベルの個人撮影者でぴんぼけしてる人達ばっかりだけど再生数のびてるというケースもあります。(案外こういうのも多い)そうすると、これ余裕で勝てるんじゃない?と思えたりします。

まあなんでもそうですが、動画を編集していたり、YouTubeチャンネル運営歴が長くなるほど、相手のレベルに対する感度が上がってきます。YouTubeチャンネルの動画編集やっみてはじめてテレビ番組のテロップ入れやSEのレベルの高さに気づいたというあるある話があります。イメージそんな感じでみえてなかったことが少しずつみえるようになり、競合に対する解像度が上がっていきます。

コンテンツ分析の方法

コンテンツ分析はとても奥深いのですが、ここでは参入するかどうか判断に使えるポイントに絞って少しだけ紹介します。

基本的に、参入時は既存ジャンルの真似をしてシェアを奪っていく形をとるのですが、既存ジャンルの動画を自分で作成できるのかどうか重要です。あるいは他の人に依頼してできるものなのか。自分で1つ真似して作ってみるのがオススメです。撮影が必要なジャンルは撮影してみると良いです。そうすると自分の実力や自分の住んでいる地域で実現可能な範囲内なのかわかります。(おそらく思ってるより難しかった、時間かかった、ケースが多いはず)

次に、伸びる動画の企画です。これはスプレッドシートで定点観測したらはっきりわかります。特定のチャンネルの動画だけぴゅっと再生数が伸びることがあるので、そのタイミングで投稿された動画を確認して内容をみます。今だとだいたい他のチャンネルも真似して動画を出すのでパターンを把握できます。ああ、この切り口やこのコンテンツで伸びるんだ、と理解できます。

高度な手法ですが、既存チャンネルからどれだけシェアをとれるのか推計することもできます。コンテンツの視聴者層やニーズでセグメントを分けて、どのセグメントを切り取るか考えるのです。

詳細はコンテンツの作り方の部分で紹介します。既存の動画をみる視聴者のニーズが多様化しているにも関わらず、動画が画一的かある方向しか向いてなくて、でもそれしかないから視聴者がその動画をみているというケースがあります。(あるいはそもそも見ていなくて空白があるケース)この場合、満たせていないニーズを見つけて、そのニーズを満たすことができればその分のシェアをとれます。で、コメント欄をみたり分析ツールでユーザー属性分分析をすると推計ができます。

必要なコストを見積もる

これは重要なポイントです。目標設定した数字よりコストが大きかったら赤字になります。自分の実力を見誤っていけそうだと思って動画1本つくるのに1ヶ月かかっていたらその時間がコストにはねかえって稼ぐ意味問題がでてきます。とりあえず1本試しに真似して作ってみる、そして競合と比較してみるのが大事です。

やってみてつまづくポイント

とりあえず真似してやってみて再生数がでないなー、動画は似たような感じなんだけどなー、そういうことはよくあります。理由は大きく2つです。1つめはアルゴリズム対策ができていないから(ほぼ8−9割)私も何度もハマりました。公開情報がないので検証しながら仮説で定義するしかありません。強いプレイヤーはアルゴリズム対策がうまいです。
2つ目はコンテンツを作るのが下手すぎるから。視聴者がみたいものがわかっていなくて、真似してるつもりなんだけど真似できていないケースです。これはもう詰んでます。笑

だいたいどっちかです。どっちも解説します。

コンテンツの作り方

アイデアを出さない。まず探して真似する。

もうすでに述べているのですが、今の時代、ほぼほぼ世の中の誰かが必ず自分がやりたい動画をアップしています。基本的に伸びてる動画を探して真似するが最速です。真似して再生数を伸ばしているうちに、データやコメントが溜まってきて、視聴者がどんな人達でどういうことが気になるのかわかるようになります。そしたらアイデアを出せばいいです。こういう視聴者層がこういう動画好きなら、こんなのどうかな?ってマジカルバナナで簡単に試行錯誤できます。

有名なYOUTUBERやTIKTOKERも、実は海外でバズってる動画や企画を真似して日本に持ってきてるケースが多いです。今ではYouTubeだけでなく、TIKTOK、Instagramのリール、X(Twitter)、ニコニコ動画、など様々なSNSがあって、素人なりなんなりどっかで誰かが投稿しています。

コンセプトを決める

コンセプトは、視聴者がそのチャンネルの動画をみる理由です。最初から決めるのは難易度が高いです。私はボトムアップ型のアプローチで決めることをオススメします。つまり競合の分析をしたり、動画をアップし続けて視聴者の反応や再生数の伸び方をみて、コンセプトの枠組みを徐々に積み上げながら決めていくやり方です。

ポイント
・視聴者はどんな人達か?
・視聴者が、なぜYouTube以外の方法ではなくYouTubeの動画をみるのか?
・視聴者が、なぜYouTubeの中でもそのチャンネルの動画をみるのか?

コンセプトによって、撮影方法や、みせるもの、音の拾い方、編集方法、テロップの付け方、すべてが変わってきます。

ニーズを把握する

動画を投稿していると、同じような動画を投稿しているはずなのに再生数が伸びるときと伸びないときがあることに気づきます(気づかない人もいます)動画の内容を分析したら、普段はうつしてないけどその時はうつしたもの、あるいはこれをうつすと再生数が伸びる、みたいなパターンがでてきます。

例えば、日本人は「人の反応」を気にするので、事ある毎に「人の反応」をうつしたときに再生数がはねます。また、「英語コンプレックス」が強いので、例えば有名人が英語をしゃべったら再生数がはねます。(で、◯◯ちゃんは英語上手ね〜とか、下手だな草、とかコメントが増えたり、コメント欄で喧嘩が勃発しますw)

あとはよくあるのは、ある事実に対して、必ず見方が大きく2つにわかれます。すごい!って称賛したい人と、斜に構えて下げにいく人です。だから称賛系の動画が伸びていたら、似たような動画をディスり系の切り口で紹介したら、人を下げたいユーザーが巻きついてきます。

検証したことがあるのですが、物事をポジティブに捉えるのとネガティブに捉えるのが、どちらの切り口のほうが再生数が伸びるのか?結論はご想像の通りネガティブです。(ネガ6〜7割、ポジ3〜4割くらいの比率)テレビ、新聞、週刊誌とかと一緒。人々の不安を煽ったり、危機感を煽ったり、下げたりするほうが再生数が伸びます。

私が運営していたチャンネルでは「愛と平和」をポリシーにしていて(笑)、世の中をポジティブに捉える、人に対するリスペクトを持つ、物事の背景を想像してあげてそっとしてあげる、というのを大事にし、ネガの切り口を一切取り入れませんでした。また、どんなにバズる動画であっても公開しないこともありました。それが現在のメディアのあり方に対する問題提起でもあり、自分たちのありたい姿でもあったからです。しかし、収益や再生数を伸ばす上では最適解ではありませんでした。リピート視聴してくれる視聴者の中には案外そこに気づいている人達もいてコメントをくれるのですが、それがとても嬉しかったです。(ということまで可視化されて把握できます笑)

視聴者を把握する

どんなニーズがあるんだろう?と考えていると自然と視聴者層にも考えが及びます。YouTube はいまや視聴者の年齢層が幅広く、高齢者も相当な数がいます。動画の内容が誰向けかという点以外でも、動画の見せ方や編集方法のクセによって視聴者の傾向がかわってしまい、数字となって可視化されます。女性向けのコンテンツは女性の編集者に作ってもらったほうが案外うまくいったりします。

横長動画は尺が長くて編集に時間がかかるため、最初は無理やりこだわってやっていたことが、徐々に面倒になっていき自然体でできることややりやすい方法で編集するようになります。そうすると、編集者の傾向みたいなのが色濃くなっていきます。

新規参入の話に戻ると、例えばこのジャンルは女性ファンが多いはずなのに、この動画だと男性うけしかしなくない?みたいなことがあります。そのケースは似たような内容の動画だったとしても、女性向けに作ることで女性ファンを獲得することができて、ジャンルでは競合だが視聴者層は競合していないという状況が発生します。ラーメン屋みたいですね。

競合性の観点では、市場規模がでかいコンテンツ領域だと、年齢層や男女などのセグメンテーションに加えて、前述のニーズという切り口を組み合わせると、さらに市場が細分化されていて、穴があったりリプレイスが容易だったりするケースがあります。

最近はショーツやTIKTOKの影響で若年層のコンテンツ消費スピードが上がってきてるため、若年層向けにはハイテンポな編集カットが好まれやすいですが、年齢層が上がるとついていけないケースがでてくるので、あえてテンポを落として長尺にしたりします。私が現在手伝っているあるチャンネルでは、テンポ感のベンチマークを松田聖子の『赤いスイートピー』として、『赤いスイートピー』を作業BGMにしながら動画レビューをしています。その年代のヒットソング、流行ったアニメやテレビ番組をベンチマークにおくのがオススメです。そして作業BGMにすることで、その雰囲気っぽいSEや演出を感覚で入れたりできるようになります。また、普段使ってるSNSやTIKTOKのテンポ感につられて意識がドリフトしてるので、切り替えと基準点の再確認のために作業BGMにするのは結構好きなやり方です。

撮影のコツ

撮影は奥が深いです。(カメラやってる人や映画監督に怒られますね)ただ撮影すればよいというわけではなくて、撮影する画角でメッセージ性や伝わり方が全然かわってきます。しかし大事なのはコンセプトを伝えるのに必要な撮影方法をすること、ユーザーのニーズにあわせた撮影をすることです。

映像は、画面の中心付近に見てほしいものがある、という暗黙の認識が視聴者の中にあります。だから被写体が意図なくなぜか左上の隅っこに写っていて、中心をどこか他の地点に向けていると、視聴者の中に無意識に疑問符がついて、それが離脱やストレス、気持ち悪さの理由になります。

意外と初めて撮影する人は、ここらへんもできていないことが多くて、被写体が見切れていたり、何を撮影しているのかわからないケースがあります。

また、その場に自分がいて楽しい目線と、カメラのレンズ越しに視聴者がみて楽しい目線が異なります。コンセプトから逆算して、YouTubeをみている視聴者の目にどのようにみえるのかを着地点として調整します。

私は撮影の画角を何十パターンも変えて試して、コンセプトにあっているかどうか、数字が伸びるかどうか、で調整していきました。背景であっても、◯◯をいれると再生数が伸びる、ことがわかると、それを意図的に含めたりします。昔、インスタグラムで男と旅行したりご飯食べてる姿を匂わせる系の匂わせ投稿、というのがありましたが、視聴者はなんだかんだ写っているものと、その理由が気になるようです。

撮影機材

YouTubeを始めるとき、カメラどうすればいいですか?とよく聞かれます。真似しましょう。そのジャンルで動画やるって決めた場合、一番いいのは似たような動画を撮影していて、いいなーって思うYouTubeチャンネルの運営者に質問してみることです。それで機材を聞いて同じようなのを使うのが良いです。

理由は、撮影する動画やコンセプトによって、最適なカメラが違うからです。私は最初とりあえずGoProっしょ!っていってあるあるなノリで買ってしまいました。高かったです。それで2、3回撮影して使わなくなりました。全然あってませんでした。(GoProは自分が激しく動くときに活きるカメラだった)

次は安いコンデジにして、そこからアップデートしていく形にしました。アップデートするときは、候補となるカメラのスペックシートをつくり、実際のカメラの使用感はカメラのレンタルサービス(GOOPASなど)でレンタルして使ってみて実際に撮影して検証して決めていました。

最初は手持ちのスマホで撮影を開始して良いと思います。ただ、容量がいっぱいになって撮影途中で強制終了したり、バッテリー切れになることが多くて撮影のストレスになることが多いです。最初は何を撮影したらよいかわからずに長時間撮影するのでなおさら。だから私はまず安いデジカメでスタート(中古でいい)がオススメです。

SDカードも、やってるうちに作業スピードを上げるためにスペックを上げたくなっていきますが、最初は安いやつとかでいいと思います。

面白い話で、たまに盗撮で逮捕されたニュースが流れると、警察が機材を横並びにした映像ながれますよね。撮影手法が似ている場合、「あー、こいつらこのカメラ使ってるのか」「あの位置からあの距離でこのカメラ使うのか〜」みたいなことが学べます。笑

私は望遠での撮影をしていたので、例えば露天風呂の盗撮とかのニュースで捕まる人がでたときは機材の公開がとても勉強になりました。

編集のコツ

よく編集ですべてが解決すると思っている初心者が多いことを指摘しました。しかし、撮影も編集も、コンセプトや視聴者に何をどう見せたいのか?から逆算して具現化するための手段なので、どちらかの理解が浅いと片手落ちになります。

最初は、撮影者と編集者が共通している方がよいです。撮影時に現場で面白かったこと、楽しかったこと、など感情が動いた場面を肌感で理解しているので、編集しながらそこをいれることができるからです。また、この撮影無駄だったな、、など理解して撮影効率も上げることができるようになります。

現場で撮影せずに編集者が編集だけしている場合、ここの肌感が全くわからないので、編集が難しくなります。編集目線でこの動画何を伝えたいんだろう・・・?という疑問符が多いと動画素材がボツになっていくので無駄も多くなります。

テレビ番組の編集はとても間が長いですが、YouTubeは間をカットしてサクサク次へ進める編集が昔のスタンダードでした。しかしTIKTOKやShortsへ短尺ニーズが移行したことで、横長動画は以前よりは間を自由かつ意図的に使えるようになっていると思います。

テロップは、とりあえずベンチマークにしてる動画を真似るといいです。あるいは自分が趣味でみている動画のテロップを真似してみる感じです。そうするとテロップの作り方を覚えることができます。真似して動画に当て込んでみたものの、自分の動画とテロップのスタイルがあわないなーと気づいたりします。そういうのも、とりあえず真似して完成物を一度作ってみてみる、というのが最初のステップです。

例えば、バラエティ、エンタメはテロップをカラフルにしたり、ドキュメンタリーや語りものは白のシンプルなテロップを使ったり、コンテンツのテイストによって最適なテロップの方向性というものは一応あります。これもなんだかんだテレビ局や他のYouTubeのテロップを類型化してパターンをみたらわかってくるのですが、地味に作って使い分けるのが難しいので、自分がいいなと思ったものを真似してワンパターンで使ってみるからスタートするのがオススメです。

ありがちなミスとしては、テロップで全部を伝えようとすることです。優先順位は①映像と音、次に②テロップです。視聴者は映像と音でコンテンツを視聴していて、その理解を促したり効果を高めるための補足手段がテロップになります。意識としては、テロップを入れなくてもめちゃ面白い動画を作る、テロップで補足したらもっと面白くなる、という感じです。

コンテンツのパクリ

自分で撮影するのは手間だしコストだ。他の人のコンテンツを使おう。という方もいると思います。例えばテレビ番組の動画、YouTubeで他の人がアップした動画、TIKTOKやX(TWITTER)等他のプラットフォームの動画です。

それらを再編集してアップすれば必要なのは編集コストだけです。YouTube は米国のサービスで、米国の法律に基づいて運営されています。米国にはフェアユースという概念があって、他の人の著作物を編集したり加工したりしてアレンジすることに価値があると考えてOKにしています。例えば〜〜〜を歌ってみた、みたいなコンテンツも同様です。一方で日本ではそういうのはNGなのでここに法律のギャップがあります。

米国のGAFAは日本ではとても強い力を持っており、日本政府は何も言うことができないので、基本的にGAFAルールが適用されます。ここに日本の法律とのギャップができていてグレーゾーンとなっています。

このグレーゾーンで戦うユーチューバーも数多くいます。やっぱり動画を撮影しないで編集するだけっていうのが最もコスパいいので。ただ、あまりにも攻めたやり方でやっている人達が一定数の規模感になるとYouTubeが対応して、一斉に収益化停止やアカウントBANなどの対応をおこないます。

切り抜きなども流行っていますが、あれも類似コンテンツが増えすぎると急に収益化停止されたりしはじめるので、一定のリスクがあります。収益化停止されたら1ヶ月は収益が入らなくなるので、売上が立ちやすいがリスキーな領域と言えます。

著作権

著作権という法律がありますが、これは基本的に権利を持っている人が、権利侵害された!と権利侵害した人に訴えない限り発動しない法律です。権利を持っている人も、SNS上の全コンテンツをチェックする術はないし、そんなことに時間を費やしてても仕方がないので、そもそも知らないケースも多く、無法地帯でチキンレースになります。自分の動画も再生数が伸びるとパクられて他のプラットフォームであたりまえのように利用されます。

一応プラットフォームとしては無法地帯にしていませんよというポーズをしないといけないので、いくつかの対策をとります。

コンテンツID

YouTubeの場合は、コンテンツIDという権利保護の仕組みを大手音楽事務所と提携して楽曲が利用されたら検知して収益を配分したり停止したりする仕組みを持っています。しかしこれは大手音楽レーベルしか使えないので弱小プレイヤーが利用することはできません。たまに屋外で撮影したものにBGMや音楽が入っていて、コンテンツIDにひっかかって動画の収益化ができなかたり、強制的に収益配分されてその動画の収益の大部分を持っていかれたりします。

YouTubeのポリシー

動画の内容、著作権、コンテンツID、など引っかかってるかもしれないです。そういうのは一度YouTubeに非公開でアップすると、自動レビューが入り、ひっかかってる場合は何が引っかかているか表示されます。YouTubeのアルゴリズムの勘違いのケースもありますが、そういう個別ケースの対応はとても遅くて対応してくれなかったりするので、エラーがあったら回避する方法を模索するのが吉となります。

コンテンツのパクリ、著作権、コンテンツID、ポリシー、などでてきましたが、基本YouTubeはアルゴリズムで自動検知しています。グレー系の領域ほど早く簡単に儲かりやすいので、ここを攻めたい人達とのせめぎあい、自動検知をすり抜けようとする人達と、自動検知のアップデートの終わりなき戦いが存在します。

YouTubeのアルゴリズム対策

アルゴリズムは公開されているわけではないので、各プレイヤーが仮説ベースでロジックを検証しながら推定しています。人によっては逆手にとってハックしにいきます。私が構築したアルゴリズムのロジックや概念を紹介します。

ブラウジング

YouTube動画の再生数は、ブラウジングで決まります。
ブラウジングというのは、YouTubeのアルゴリズムがおすすめ表示してユーザーが流入した経路のことを指します。このブラウジングが伸びると再生数が伸びていきます。逆にブラウジングが伸びないと再生数が伸びないです。

動画のアナリティクスでみれるトラフィックソース(下図)ブラウジングが伸びると、動画視聴回数のうち大部分がおすすめ表示経由になる。

動画のアナリティクスでみれるトラフィックソース

イメージでいうと店舗の棚のようなものでしょうか。人通りが多くて入口付近の棚にたくさん並べたら売れやすいみたいな。アルゴリズムが毎回自動で商品を置く棚の位置を変更しているような感じです。

ブラウジングでの競合状況

例えば特定ジャンルの視聴者層が100万人いるとして、同ジャンル内にYouTuberが10人いるとします。10人が動画を一斉に公開したら、あるチャンネルの動画は優先的にブラウジングされたり、あるチャンネルの動画はされなかったりと差が出てきます。ここで競合関係が発生します。同じコンテンツだったとしても、アルゴリズムと仲良いかどうかで差がつくということです。これはコンテンツのジャンルや切り口に関わらず一人のユーザーの画面を取り合っているため、他のジャンルや他の動画とも競い合っている部分があります。

その動画アップと再生数の間に、競合の中で相対的にどれくらいブラウジングされたのか?という概念を再生数の先行指標として「ブラウジングシェア」と定義して呼ぶことにしました。ブラウジングシェアが高いほど再生数が伸びます。

チャンネルランク

「チャンネルランク」は、「ブラウジングシェア」と同様に、仮説ベースで作った概念で、ブラウジングシェアの向上に大きく影響する要因となるものです。各チャンネルにはランクがあって、ランクが高いほどブラウジングされやすくなります。また競合が複数いたときにどのチャンネルがブラウジングされやすいかはチャンネルランクが重要な要因になります。

チャンネルランクを決める大きな要因は2つです。直近の再生数が多いこと、視聴者の視聴時間が長いこと、直近の動画がバズり続けていて、視聴時間の長いユーザーが多いほどチャンネルランクがあがりブラウジングされやすくなります。逆に、昔はバズってたけどしばらく投稿しなくなったときに、昔と同じような動画を公開しても再生数が伸びなくて、伸びるまでにしばらくかかることがあります。

チャンネルランクは絶対指標でもあり相対指標でもあって、ジャンルを超えてランクが高くある必要はなくて、まずはどのジャンル内でランクが1位であればよいです。

公開後2時間の配信実績

チャンネルランクに加えて、動画を公開後2時間(多分100分くらい)アルゴリズムがユーザーをサンプリングして動画を表示して、その結果をもとにブラウジングを伸ばしていくかの初期判定(A判定、B判定、C判定、D判定、E判定、F判定、F判定)みたいな階層的な形。で判定結果をもとにしてどの角度で伸ばしていくか変わってきます。なのでこれを伸ばしやすい時間帯やタイミングで公開すると伸びやすくなります。

人によってはツールやグループを利用して公開直後の再生数、視聴時間、エンゲージメント(グッドボタン、コメント)を意図的に操作してブラウジングにのせてるひともいました。(もちろんチャンネル収益化停止のリスクはありますがハイリスク・ハイリターン)

オリジナル判定

例えば同じ場所で撮影した動画が複数のチャンネルから一気にアップされたときに、どの動画を優先的に表示するのか。ベースはチャンネルランクで決まっていますが、ニュースなどの速報性が高いコンテンツ領域の場合は、公開直後に一気に再生数が伸びるため、とくに競合プレイヤー間でチャンネルランクが近かったりどっこいどっこいのような場合、早いもの勝ちルールが適用されます。時間的に速くアップした方が優先されるという優先順位づけです。

これはブラウジングだけでなく、アカウントの収益化停止にも影響します。同じ場所からあまりに何度もコンテンツが複数チャンネルからアップされていると、アルゴリズムがコンテンツパクって再生数を稼ごうとしてると勘違いして、いくつかのチャンネルを収益化停止することがあります。このときに聞いてくるのがオリジナル判定で、基本的に後発アップしている人の動画が収益化停止されやすいです。これも私が定義した概念です。

通常動画とショーツ動画

通常動画とショーツ動画でチャンネルを分けました。これは、先程話しをしたチャンネルランクに関係があります。YouTube Shorts の動画は2021年後半〜2022年序盤くらいからアップ開始しました。当時はブルーオーシャンすぎて、アップするたびに自動的にバズって100万再生単位で再生数が伸びていきました。ただ収益化ができなかったので、収益化されたときの準備として、時間があるときにたまにアップしてました。

しかしある時、通常動画の再生数の伸びがとても重たくて伸びない状況に陥りました。シャドウバンされていないはずで、いつもと動画はかわらないのですが、唯一違ったのが、YouTube Shortsの動画でバズってる動画が急増していることでした(500万再生とかの動画がごろごろあった)再生数が伸び悩む日が続き、結果的にその1ヶ月の収益が想定で30%〜45%くらい落ちました。そして単純にショート動画をすべて非公開にしたら元に戻りました。

これを2,3回試したのですが、やっぱりショートがバズると通常動画の再生数が伸び悩む現象が発生しました。他のチャンネルを調査したところ、DJ社長のYouTubeが通常動画とショーツのチャンネルを分けていたので、意図がわからなかったのですが、真似してチャンネルを分けることにしました。そしたら通常動画用のチャンネルとショート用チャンネルで独立して伸びていくようになりました。

私はこれはチャンネルランクが下がったからだと考えました。Short動画はライトユーザーがとても多いです。即離脱したり視聴維持率が低いライト層がとても多く、通常動画の実績とショート動画の実績が按分されてしまったために、チャンネルランクが下がって、結果ブラウジングに乗りにくくなったと考えました。アルゴリズムそんなアホなんか?とも一瞬思いましたが、理屈が通るのでそういう形としました。

ソース判定

YouTubeにはソース判定の機能があります。動画のソースがどこなのかを検知する機能です。私は最初、米国のケーブルテレビの映像を利用して再編集するジャンルをやっていたことがあります。例えば、同じ映像を3つの局が配信していると、配信内容が微妙に違います、YouTube がそのジャンルに規制を入れはじめたとすると、ソースを判定して特定の局経由の動画を全部利用不可にします。しかし他の局の映像を使っているとその検知にひっかからずに利用可能状態ですりぬけることができました。

特定ソース映像がだめになったにも関わらず、生き残っているチャンネルがあったとき、あのチャンネルはどこのソースを使ってるんだろう、とひたすら調査をして、ようやく競合チャンネルが利用しているソースを見つけたときは嬉しかったです。笑

このソース判定は、プレイヤーが少ないうちはいいのですが、儲かるとわかって参入者が増えてくると、そのジャンルの再生数が急増していくので、そうするとYouTubeの要対応リストに入り、アルゴが対策をはじめます。このタイミングでソース単位でやられてしまうので注意が必要です。

シャドウバン

アカウントはシャドウバンされることがあります。ペナルティとして強制的に再生数が伸びなくなる状態のことです。YouTube公式はやってない、そんなものないといいますが、ごまかしがきかないほどに観測されている事象が多すぎます。動画を出すたびに数字をモニタリングし続けて再生数の伸び具合をみていたりしたら、だんだん細かい変化に気づくようになってきます。で、YouTubeの場合はシャドウバンが発生する場合は何らかのトリガーがあります。ないと思って原因のわからない事象にもやもやするより、あると割り切って対応したほうが結果的に数字を伸ばせるのであると思うことをおすすめします。

収益化停止

ポリシー違反したとアルゴリズムが認識したら収益化が停止されます。収益化停止というのは収益が1ヶ月間0になるということです。昔は収益化停止されると広告が表示されなくなりました。だからグレー系のジャンルでは、定点観測していると、あ、あのチャンネル収益化停止されたんだ、と気づくことができました。しかし途中から広告が表示されるようになりました。

重要なのは、事実としてポリシー違反なのかどうかに関係なく、アルゴリズムがそう認識したかどうかです。なので判断ミスでもやられます。コンテンツのパクリ、切り抜き、等で多いのは「再利用されたコンテンツ」という理由での収益化停止です。

そのYouTubeチャンネルの再生数のうち、「再利用されたコンテンツ」に相当する動画(あるいは疑いのある動画)の再生数割合が一定を超えるとチャンネルにフラグが立ち、チェックが入り判定される仕組みになります。

悪質なYouTuberは、競合チャンネルを再利用されたコンテンツで収益化停止するために、わざと近くで似たような動画を撮影し、その相手よりも早く動画をアップすることで、オリジナル判定をおさえるということを繰り返し、相手のチャンネルを収益化停止するということをやっている人を見つけました。

儲かってない人達が妬みで他のチャンネルを攻撃する行為や、意図的に他のチャンネルを下げていく行為があります。私のチャンネルも、再生ツールと再生数水増しサイトで再生数をのせられて収益化停止させられたことがあります。また、グループで特定のチャンネルを膨大な件数通報し続けて収益化停止を狙うといった行為もありました。昔はよく5ちゃんえる掲示板でそういったことがされており可視化されていました。

難しいのは、動画を投稿してすぐ停止されるわけではなく、一定期間を置いて発動する点です。YouTubeのルールはまさかの遡及効(事後法)です。合衆国憲法でも日本でも禁止されているはずですが、まさかのグーグルのアルゴリズムでは有効になっています。

例えば、対象となる動画を作って3ヶ月後に規制が入って、その規制ではアウトな動画がひっかかっておらず、再生数が伸び続けて、6ヶ月後に収益化停止されるといったケースです。これが規制が入ったことやアウトになったことが知らされずに裏側で粛々と行われます。

アカウントBAN(チャンネルBAN、アドセンスBAN、連鎖BAN)

アカウントのBANはとても悲しいできごとです。YouTubeチャンネルがBANされると、収益も動画も全部が吹き飛びます。私も何度もBANされました。BANされるのは、何かあったときにいきなりBANというのはほとんどないと思います。収益化停止と同様に、事後でいきなりきます。おそらく、アカウントに何らかのフラグが立ち、またはフラグが一定数立つと、検査対象リストに入り、リストに入ったアカウントが順番にチェックされていく流れだと想像しています。

私の場合は、アカウントを購入して使っていると後からBANされるケースが多かったです。買ったアカウントが過去にどんな傷があるのかはわからないので、それが原因でBANされる感じです。例えばわかりやすいのはハッキング被害によって盗まれたアカウント等です。

アカウントBANで問題なのが、BANのされ方によっては、そのYouTubeに紐づいているアドセンスアカウントがBANされたり、紐づいているグーグルアカウント自体がBANされたりと、BANにも色々なレベルがあることです。連鎖的に色々なものがBANされると困るので、私はメインチャンネルとサブチャンネルでグーグルアカウントを分けて運用していました。アドセンスチャンネルは共通でしたが、そういうリスク対策のためにわけて運用していたこともありました。

収益化停止やBANリスク対策のためもあって、大抵のYouTuberはチャンネルがでかくなってくるとサブチャンを1つ以上作り、もしものときに対応できるようにしたりしています。

アカウントの売買

YouTubeアカウントは売買されています。収益化条件を満たすのがだるいから収益化済アカウントを購入して使えば早いじゃんということで市場が成立していました。2021年は収益化済アカウントで1.5万円〜3万円くらいが相場でした。ただこれが海外でアルゴハックして再生数と登録者を水増しして収益化の審査を通したものだったり、誰かのPCをハッキングしてゲットしたものだったりすることがあり、一定のリスクがあります。なので使い捨て感覚で利用するのが良いと思います。面白いのは、アカウントに生産地がついていて、トルコ産のアカウントです、ロシア産です、などと会話して、◯◯産ならリスキーだなーみたいな会話が繰り広げられて売買されていることです。

私自身は買ったアカウントは基本全部死んで、なんだかんだゼロから作ったアカウントが長く生き残りました。1つ購入したアカウントで、あきらかに誰かのチャンネルをハッキングで取得したものがあり、使えないなと思って放置していたら私の手元からもとられてなくなっていました。どうやったのかわかりません。消えていました。そういうリスクはあります。

5ちゃんねる(旧:2ちゃんねる)掲示板

昔はYouTube収益化のためのスレッドが立っていて、そこでつぶしあいが行われていました。◯◯のチャンネル儲かってるから潰そうぜっていって、動画の再生数を伸ばすセンスのない人たちが妬みで伸びてるやつを潰そうとする形で、ターゲットにしたチャンネルの動画を通報しまくることが行われていました。最初はこういう野蛮な地域からスタートして、頂点まで這い上がりました笑

しょうもないのですが、しかし目ざとく収益化停止したりチャンネルBANされたアカウントの情報がタイムリーにシェアされていたので、これをチェックしていました。あーあのチャンネル、◯◯のソースを使って、XXXの方法で、やられたかーみたいな感じで、各チャンネルだいたい、ひっかかる理由が複数存在していて、どれがひっかかったのかタイミングとパターンで判定できたので、それでアルゴリズムがいつ何を検知し始めたのかを把握していました。

定期的に行われるお掃除

だいたいグレー領域で参入者が増えてそのジャンルの再生数が伸びまくると、アルゴリズムによって対策されます。切り抜き動画なんかも一時期流行して急激にプレイヤーが増えましたが、いきなり一斉に収益化停止されたりなど、数が増えるとそういうことがおこります。基本的にはその市場の規模がでかくなるとYouTube運営による対応の優先順位が上がり、順番に対応が行われていく流れです。

高度なアルゴ対策(というかすり抜け)永遠の戦い

どんなにアルゴリズムが進化、対応しても、さらにその上をいく人達が必ず出続けています。動画を検知するものなら、動画の解像度をさげてみたり、反転させてみたり、サイズを小さくしてみたり、背景画像をつけてみたり、本当に多種多用な方法ですり抜ける方法をみつけて生き残る、あるいはアカウント停止されても何度も這い上がる人達がいます。だから、このジャンルはYouTubeに対策されてだめになったはずなのに!っていうジャンルが気づいたら復活しています。もはやその執念深さに拍手したくなるとともに、マトリックスのエージェントとネオやモーフィアス達の戦いが想像できました。

こういう戦いをしている人達はアルゴリズムの動きに本当に詳しいです。競合分析をする際に、相手の強さを見極めるというのがありましたが、どれくらいアルゴリズム対策が上手いか?という点があります。自分たちの知らないやり方でハックに成功しているほど強いし、真似しにくい&されにくいです。

YouTubeのサポート

YouTubeにはフォームやX(ツイッター)でサポート窓口がありますが、基本的にエージェントスミスなので、お役所仕事的な対応しかされません。返信が、これ読めっていう記事のリンクで終わるというケースが多々あります。メッセージは、アルゴリズムは絶対的に正しいと、詳細はお答えできなくて記事はよめ、の2つなので、もしサポートに対応してもらう必要がでてきてしまった場合は詰んだと思ったほうがよいです。

よくある間違い

サムネが重要!→あんま意味ない

昔は再生数が大事だったのでサムネで釣って再生数伸ばす方法が通用しました。しかし現在は視聴時間が大事なので、うまく連れても早期離脱ユーザーが増えたら困ります。例えるならリピート率の高い見込み顧客をECにつれてくるのか、初回お試しで離脱するユーザーを大量にかき集めるのかのような感じです。YouTubeの横長動画の場合は、人軸のチャンネルはまだサムネが効くやり方があると思います。(ストーリーやその人のコンセプトにあわせたフックとしての位置づけ)

登録者数が大事!→ ジャンルによる

よく、登録者数ばかりにこだわる人達がいます。他のプラットフォームでも、フォロワー数XX人、すごい!いいね数XX件、すごい!みたいなやつがありました。登録者数が少なくても再生数が伸びるジャンルがあります。だから目的から逆算して必要な再生数を稼げればそれでよくて、登録者数があとからついてきたりこなかったりします。

検索結果が重要!→あんま意味ない

よく検索エンジンと同じノリで、検索結果で上位表示するのが大事!って考える人がいますが関係ないです。大事なのはブラウジングで、ブラウジングにのせるためのアルゴリズム対策です。しかも検索結果みたらわかるとおり、もう検索結果は関連動画やおすすめ動画であふれてて検索したものがバシッとでなくなっています。すでに紹介しましたが、ブラウジングにのると総再生数に占める検索経由の再生数の割合が3%以下になります。

編集で丸く収まる!→あたまおかしい

よく、撮影したら編集が面白くしてくれるっしょ、と考える人がいます。撮影よくわからんけど撮影したら編集でなんとかなるでしょ、みたいなのもあります。物販で、すごいもの作ったからマーケティングよろしく、と似てます。しかし、そういう素材は容赦なくボツになります。意図なき撮影に意味がないのです。先にユーザーのニーズを考えて、何をどう見せたいのか設計してから、逆算して撮影手段と編集手段が決まります。

終わりに

いかがでしたでしょうか。できるだけ簡単に解説したつもりだったのですが、長くならないように短く短くと思いながら書いていたので、かえってわかりにくい部分がでてきてしまったかもしれません。今回ご紹介した方法は、なんとなく楽しく動画をやるものではなく、ロジカルで分析的なアプローチでひたすらコツコツ進めるものです。個人的にはやり方がSEOサイト制作に近づいている気がします。

譲渡したチャンネルに悪影響があったらいけないので、チャンネル名や具体的な部分は一応非公開としました。しかし私の友人や知人は知っていますし、実際にお会いして話をした方にはさらに詳細の部分をお話することができます。

ありがとうございました。


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