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【感想1】第三の選択肢から見えたもの【FEif透魔王国】
※まずはじめに、この記事はファイアーエムブレムif(以下FEif)の全てのストーリーのネタバレを含めて感想を書き殴っています。ネタバレが嫌な方は閲覧をお控えください。
ついに全クリしまして………いやもう……本当にこのゲームが大好きです。ありがとう任天堂、ありがとうインテリジェントシステムズ。
あまりにも感想が長いので2部構成にしました。今回は透魔王国編のストーリーやシステムについて。次回は私が思いの丈をぶつけつつ感情的に感想を書き連ねます。もう備忘録です。この気持ちを残しておきたい。
FEifについておさらい
FEifには『白夜王国』『暗夜王国』の2種類のソフトがあります。白夜王国は主人公が産まれた国で、平和を愛する和風な国、暗夜王国は主人公が育った国で、白夜王国侵攻を目論む洋風な国です。両方の国にルーツがある主人公には、兄、姉、弟、妹が両国にそれぞれ4人+特殊枠1人の計9人のきょうだいがいます。メインストーリーとしては、購入したソフト側に主人公が所属し、それぞれのやり方で戦いの絶えない世界を平和へ導くことになります。
基本的に主人公は皆に愛されてまして、片方の国を選んでも、敵になる側のきょうだいは「妹(女主人公だったので)を誑かしたお前らを絶対に許さない!」と主人公奪還も目的としていました。
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最終的には所属国が勝利し、敵側のきょうだいとも丸く収まってはくれるのですが、必ず敵側のきょうだいが数名欠けた状態でのエンディングでした。死者が出るのです。
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平和を手に入れるために必要な犠牲ではあるのですが、それでも心にもやもやとするものがありました。
DLCインビジブルキングダムについて
第三の選択肢として配信された『インビジブルキングダム(透魔王国)』はその名の通り白夜にも暗夜にも所属しません。最初に『どちらの味方をしますか?』という質問があるのですがそこに『どちらにもつかない』という選択肢が出てくるのです。「私のために争わないで!それならどちらにもつきません!」的な感じなのですが、そう決断した主人公に両国のきょうだいが放った言葉は「裏切り者」でした。
あんなに他のストーリーでは溺愛してくれたのに、主人公がどこにもつかないと、怒りの矛先が敵国に向けようがないためにこちらに向いてしまったのです。他のストーリーを先にやって溺愛パターンを知っているとかなり悲しかったです。
こうして少人数陣営としてスタートした主人公は、実はこの世界には裏で争いを意図的に生み出している本当の敵がいる、ということを知らされるのですが、諸事情でそれを公言することはできず「本当の敵は他にいるんです」「今はそれしか言えません」「私を信じてください」ときょうだいたちを説得しつつ、仲間を徐々に増やしていきます。
敵が味方になっていく過程が気持ちいい
説得することで一部のきょうだいは初期から直感でこちらを信じてくれましたが、やはり中には証拠もない状態では信じられない派もいました。しかし、展開が進むにつれ、より信頼を得ていき仲間がどんどん増えていきました。きょうだい達と……その臣下各2名と……その他もろもろで全部で30人以上……いや多いわ!育てきれません。そして仲間になる瞬間がとても気持ちいい。主人公がピンチに陥った時に「待たせたな!」的な感じで駆けつけてくれます。キタコレーー!!!(古
中立だからこそ見られた支援会話
もともとの2種類のソフトだと完全に派閥が別れるため、陣営内でのメンバー間でのみ支援会話や結婚システムがありました。しかし今回は白夜も暗夜も関係ないので夢の組み合わせが実現するわけです。両ソフトをプレイした私からしたら9人全員が大切な家族で、ソフトでは終始いがみ合い続けていた2つの家で微笑ましい交流があったのです。妹同士が仲良くなったり、両家で結婚したりと、このルートじゃないと見られない組み合わせがたくさんで支援会話を開放するのが楽しかったです。
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これで両家が揃った。
もちろん家族に限らず両陣営の臣下同士でも交流はあるようなのですが、如何せん人数が多すぎて家族以外のメンバーを育てられないという。んーー、惜しい。
明らかになる真実
このゲームは2種類のソフトを単純にプレイするだけではストーリーの本質的な部分が明らかにはなりません。DLC商法……とも一部では言われているらしいのですが、残念ながらまさにそのとおりではあるなぁと思います。両国のきょうだいとの関係ははっきりしているのですが、特殊枠のきょうだいアクアと肝心の主人公の出自がやっと今作ではっきりしました。そもそも主人公だけ竜に変身できたり、白夜は産まれた国のはずなのにリョウマ兄さん(白夜兄)と結婚する時に「実は俺達に血の繋がりはない」と直前に言われたりと謎が多すぎるんですよね。
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FEifは家族のお話
これまで3つのバージョンをプレイしてきましたが、一貫して言えることはこの作品は『家族の絆』に焦点を当てていること。家族と云ってもただただ血の繋がりの有無ではなく、もっと広い括りでもあります。
最初に主人公のきょうだいが2倍に増えたこと、そのほとんどと血が繋がっていなかったこと、冒頭で実母が亡くなってしまうこと、養父に裏切られること、結婚して子供を持ったこと、黒幕に親を操られてしまうこと、黒幕自体が実の父親だったこと……この作品ではこんなにも家族関係のイベントがあります。
信じたり、信じてもらおうとしたり、疑ったり、裏切ったり、騙したりと、ことあるごとにキャラクター同士の信頼関係を試す場面が出てきます。でも終始主人公だけは人を信じ続けていました。(「まさか……!?」みたいな言動はあります)その様子は見ていると、この戦乱の世にそんな考えは甘ちゃんだな!とも思えてしまうのですが、そういう性格だからこそ、ソフト版でそれぞれの正義を貫く各陣営に所属して最後まで戦えたのかもしれません。やると決めたからには最後までやり抜く。甘ちゃんだけど好きだぜ!そういうやつ!
次回発狂感想編へ続く…