Flu.08

フローニンゲン大学(オランダ)  生命工学  international school(卒)  サッカードイツ8部⇒オランダ6部 physiology(脳や人体)を研究しています

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最近の記事

血の匂いは、なんの匂い?なんで不快なの

血の匂いというと、少し不快な感じがしますが、実はその匂いには科学的な理由があります。 血液中には、ヘモグロビンというタンパク質が含まれています。このヘモグロビンが、血液が酸素を運ぶための役割を果たすために必要なものです。しかし、ヘモグロビンには鉄分が含まれており、血液が酸化してしまうと、鉄分が酸化して鉄イオンが放出されます。 そして、この鉄イオンが、血の匂いの主な要因となっています。鉄イオンは、強い金属臭を持っているため、血液中に酸素がなくなり、血液が酸化した際に放出され

    • なぜ認知症患者は子供のころの記憶を思い出すのか?!

      認知症患者が子供のころの記憶を思い出すのは、脳の仕組みによるものです。 認知症は、脳の障害によって生じる病気であり、認知機能の低下や記憶力の喪失などが特徴です。しかし、多くの認知症患者は、子供のころの記憶を思い出すことができます。 これは、脳の中で新しい情報が処理される方法と、古い情報が処理される方法が異なるためです。新しい情報は、脳の大脳皮質の中で処理され、長期記憶として保存されます。一方、古い情報は、海馬と呼ばれる部分で処理され、長期記憶に転送されます。 認知症が進

      • クマが○色なのは、目の錯覚?!クマができる原因

        目の下にクマができると、疲れているように見えたり、年齢よりも老けて見えたりして、悩みの種になることがあります。 クマはなぜ緑に見えるのか?? クマが緑色に見えるのは、色覚に関する錯覚の1つであり、具体的には「対比錯視」によるものです。 目の中には、色を感じるための「錐体細胞」と、明暗を感じるための「桿体細胞」があります。そして、錐体細胞が刺激されることで、私たちは色を感じることができます。 クマが緑色に見える理由は、クマの色が周りの皮膚の色と対比することで、錐体細胞に

        • 脳の6割は○○!脳は何で、できてるのか?触り心地はどうなのか?

          脳は、私たちの身体をコントロールし、情報を処理する中枢神経系の重要な器官です。そして、脳の構造は非常に複雑で、多くの種類の細胞や物質で構成されています。 まず、脳は約60%の脂質で構成されています。これらの脂質は、神経細胞の細胞膜を形成するために必要であり、神経細胞の電気信号を伝えるためにも重要な役割を果たしています。 また、脳はタンパク質や炭水化物、水、塩などの物質も含まれています。タンパク質は、神経細胞やグリア細胞などの細胞質や骨格を構成するために必要であり、また、脳

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          [ホルモン図鑑]成長ホルモンってなに?

          成長ホルモンとは、脳下垂体から分泌されるホルモンの一種であり、身体の成長や代謝を調整する役割を持っています。正確には、「ソマトトロピン(Somatotropin)」と呼ばれるタンパク質の一種です。 成長ホルモンは、子どもの身体の発育に必要なため、特に成長期に分泌が活発になります。成長期以降でも、成長ホルモンは筋肉や骨、皮膚の再生や修復、免疫系の機能向上、脂肪燃焼促進など、様々な役割を担っています。 成長ホルモンの影響 成長ホルモンは、子供の成長や発育に重要な役割を果たす

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          「脳が縮む」は真実か?

          「脳は使わないと縮む」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。実際に、脳は使わないと縮むというのは真実なのでしょうか?この記事では、このテーマについて解説していきます。 まず、脳は非常に柔軟な器官であり、環境の変化に応じて自らを変化させることができます。脳の神経細胞は、学習や記憶、思考などの認知機能を担っており、これらの活動は脳の神経回路を活性化させます。逆に、脳を使わない生活を送ると、脳の神経回路は低下してしまいます。 脳は縮む! 脳を使わないと縮む現象は、脳の神

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          重度の糖尿病患者は、なぜ足を切断しないとならないのか

          糖尿病は、高血糖が長期間にわたって続くことによって、体の各部位に損傷を引き起こす疾患です。 まず、高血糖が継続すると、細胞内に糖が蓄積されるため、細胞が酸化ストレスに曝され、酸化的損傷を引き起こすことがあります。また、高血糖は炎症を引き起こすため、血管や神経などの組織にダメージを与えることがあります。 その中でも特に、下肢の神経や血管がダメージを受けやすく、それが原因で足の切断が必要になる場合があります。 足の切断が必要になる主な原因は、以下の通りです。 1. 神経障害

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          これがなければ生きられない!ダイエットの敵?脂肪を取り込むホルモン・インスリン

          インスリンとは インスリンは、膵臓から分泌されるホルモンで、血糖値を下げる働きがあります。血糖値が上昇すると、インスリンが分泌され、血糖値を下げるために、細胞内に取り込むべきブドウ糖や脂肪酸などの栄養素を輸送することができます。 食事を摂取すると、炭水化物が消化されてブドウ糖などの単糖類に分解され、腸から血液中に吸収されます。このとき、血液中のブドウ糖濃度が上昇すると、インスリンが膵臓から分泌されます。インスリンは、血液中のブドウ糖を細胞内に取り込み、エネルギーとして利用

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          食欲をコントロールするメカニズム。なぜ人は太り痩せるのか

          人間が食事をするのは、エネルギーを補充し、生き残るためです。しかし、過剰な食欲は肥満や健康上の問題を引き起こす可能性があります。食欲をコントロールすることは、健康的な生活を送るために重要です。 脳は、食欲をコントロールする重要な役割を担っています。食欲を制御する脳の領域は、下垂体、視床下部、視床視束、視床下部内側前頭皮質、扁桃体、腹側被蓋野などに分布しています。 脳は、食欲をコントロールするために、複数のホルモンや神経伝達物質を使用します。例えば、ホルモンの一つレプチンは

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