新聞記者Life⑥創業社長
私は経済記者だったので
新聞記者時代には
沢山の経営者の方に
お話を聞かせていただきました。
20代そこそこの
社会人経験も少ない
ぺーペーの女の子では
到底出会えない方々です。
清濁併せ吞んできた
人間的魅力の深い方々に
たくさん取材させて頂きました。
中でも
一代で会社を築き
新聞に取り上げられる程に
多店舗展開している
業界大手に成長している
ニッチ技術を開発している
企業へと成長させた
敏腕創業社長への取材は
本当に刺激的で、面白く
一生忘れられない
経験になりました。
ある建設・不動産大手の
上場企業の創業社長は
モーレツに働く人でした。
それは起業した20代から
70歳を超えた今でも変わらず、です。
とても70代とは思えない
若々しさをお持ちの方で
笑顔が爽やかでいて
凛々しく男らしい
とてもカッコイイ方でした。
また、彼は
とても野性的な人でした。
直感が鋭く
攻め時、守り時を
感覚的に察知できるのです。
攻め時には、大胆に投資し
決して、ケチらない。
守り時には、潔く長刀を振り
店舗の閉鎖も、いとわない。
明瞭快活で
太くてどっしりした人。
ただ歳を重ねただけでは
ああは、ならない。なれない。
百獣の王、ライオンのような
動物的な魅力を持った人でした。
欧州機械の専売権を持つ輸入販売会社と
航空機向け精密部品の製造販売会社
を経営する創業社長は
とにかく、人から愛される人でした。
それは、彼が大切にしている
「みんなで儲ける」
「一人勝ちはしないし、できない」
という考え方によるものでした。
景気には上り坂もあれば
下り坂もある。
40年の経営経験から
よく分かっている彼は
景況感を鋭く見極め
自社だけが儲かるような
タイミングでは
顧客への積極的な販売を
見送るようにしていました。
逆に、お客さんにとって高い投資でも
長い目で見て、今、必要な製品だったら
熱意を持って説明し
購入を促していました。
お客さんも、協力会社も
皆がHappyになれる取引を
とても大切にしていたのです。
一時的に自社だけ儲かっても
その後の信頼関係にとっては
マイナスになります。
目先の利益ではなく
自社と顧客の
長期的な利益に目を向けて
販売していました。
そんな彼の想いを知った顧客は
安心して今後も彼に任せます。
彼のところから購入し続けます。
彼の会社の業績は安定していて
着実に利益を積み重ねていました。