『ニックネーム』の削る作業と足す作業
■そろそろ泥臭い話
「ななな社長」のエモい話からスタートした『ニックネーム』ですが、
ゲームを完成させるとなると、こんなの最初の1歩。いろいろ決めないといけないことが山ほどあります。
■たくさん詰め込みたい気持ちがふくらむ
やっぱりスタート当初は、いろいろなアイデアをゲームに詰め込みたかったりします。呼び方はたくさんあったっほうが良い!と「呼び名自体をカード化」して集めるようにしてみたり、いろいろ考えてみました。
でも、負のスパイラルへ
・呼び名自体をカード化する
・呼び名のバリエーションが足りない
・呼び方を「姓」」と「名」で呼び方を分ける
・キムタク方式の呼び方もやりたい
・本名でやらないと進まない
結果、遊ぶときめんどくさい。
やりたいことやコンセプトを貫くことは大切ですが、こだわりすぎ注意。
■遊ぶ人に面倒をおしつけない
「やりたいことは判る」ということは多々ありますが、
遊ぶのに「本名が必要」となると、準備もたいへんですし、嫌がる人もいます。集めるカードが直感的でないと、確認などに気を取られてしまいます。
めんどくさい部分を、自分のエゴで遊んでくれる人に押しつけることになり、最終的なゴールだった「名前を呼んで仲良くなる」ことに雑味が入ってしまうことになります。
ということで、結局、
「カードに書かれた呼び方で呼んで、アイテムを集める」ルール
という、決まってしまえば、
なんとも当たり前なシステムになりました。
■「なりきり」という副産物
実際に「カードに書かれた名前で呼んで、アイテムを集める」ルールで遊ぶと、どうしても、「○○どの□□ください」とリクエストされると、自然と「うむ、おぬしにくれてやろう」と「どの」感をつけて返事をしてしまうのです。
このタイミングで初めて
「あれ?名前を呼ぶってすげーな」
と感じ、「ななな社長」が友だちの名前を呼べたとき仲良くなれたと感じた瞬間の気持ちが、ちょっと見えた気がしたのでした。
ということで、七味Studiosの永尾氏の提案もあり、そこに「ごっこ遊び」を盛り込むことになりました。日頃から、ジェダイの格好してライトセイバーを振り回している氏だからこそリーチできた遊びでした。
■コンポーネントに夢広がるが
名札を同梱することも検討もしました
あとはコンポーネントを決めるわけですが、「名札とペン」を同梱して、すぐにどこでも遊べるようにしよう!と検討しました。
このコンポーネントにより、いつでも遊べるし「名前を呼ぶ」というコンセプトをもっと明確にしようという思わくもありました。
ただ、まぁ、ニーズと手間とコスト的にいらないとなりました。
■状況把握のためのカードは追加
ひとつカルテットと構成要素として違うところといえば「ニックネームカード」です。これはゲームの進行自体には大きく影響しません。
ニックネームカード
上部で「呼び方」、下部のアイコンで「もちもの」が確認できます
ニックネームカードは、ゲーム始める前に「どんな呼び名ともちものがあるのか」そして、ゲームの進行中は「あとどれだけグループが残っているのか」を把握するためのガイドとなるカードになります。
呼び名などが全てが書かれたサマリーカードを準備することも考えましたが「動的に呼び名を差し替えられる」「進捗がみえる」「キャラを書くことで『なりきり』をイメージしやすい」「進行の邪魔にならない」という理由で採用しました。
■もろもろを決めるときの方針
デジタルゲームではないので、ルールを追加すればその分遊ぶ人の負荷があがります。いろいろ出てくるアイデア、沸き立つやりたいこと、発生する問題等あると思いますが、
・なるべく問題を足し算で解決しない
・遊ぶ人が自然に感じる
ことを方針として、もろもろを決めていきました。
そして、いっけん変哲のない普通のゲーム『ニックネーム』が出来たのでした。
『ニックネーム』の取扱店
コロコロ堂
http://www.korokorodou.shop/shopdetail/000000000294/ …
すごろくや
https://sugorokuya.jp/gamelist?s=ニックネーム
mother's space ミーナ
https://happymina.com/archives/6648
JELLY
https://shop.jellyjellycafe.com/products/detail/1102
メロンブックス 各店舗
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