花屋、花を扱う仕事の現実と課題
私は物心ついた時から花屋になりたかった。
というか、花を扱う仕事って花屋しかないって思ってた。
花屋は「人を幸せにできる」と思って幼稚園のあの頃、絶対なろうって決めたんだ。
はじまりはおばあちゃん。
いつの時もおばあちゃんとおじいちゃんが私の過去に関わってくる。
おばあちゃんはお花が大好きでよくお庭で育てていた。そんなこんなで私もお花を育てたり近くの土手や公園でよくお花を摘んでいた。
虫は苦手だったから、摘んだタンポポにてんとう虫がいたらタンポポごと吹っ飛ばすくらいだった。
アブラムシもほんとに嫌いだった。
でも、頑張って摘んできたお花をおばあちゃんに渡すとそれはそれは喜んで優しい笑顔で「ありがとう。嬉しいよ!」って言って飾ってくれるものだから毎日のように摘んだの覚えてる。
そこから「花は笑顔、幸せにすることができるんだ」と幼い私は思った。
花屋で生きていくのは過酷な現実
花屋で働く道は色々あった。
その中で私は専門学校を選択することにした。
資格も取れるし、知識も得られるしこれは役に立つと。
ただね、実践的ではなかったんだ。
花屋に勤めてわかったけど花束もアレンジメントもお花選びから製作を含め10-15分でラッピングまで終わらせなければならない。
学校では3時間くらいかけてたよ?
花の選び方、デザインはその会社ごとお店ごとに違った。
お花の生け方だって生け花でさえ何種類もあるのに、フラワーデザインの場合は世界中のデザインがあるからさらに多い。
自分のデザインをやりたかったら、独立するかその系統に合わせるしかない。
大手に勤めれば最低3年はお花を生けられないらしい。ずっと雑用だってさ。
入荷したお花の水切り、花瓶を洗う仕事。
先輩方のやる仕事の下準備。
これじゃあ若い芽が伸びないわけだ。
花瓶は2-3日に1回、ないしは1日1回替える。
水の入った花瓶はとても重たい。
さらに言えば、常に主はお花ので環境も花に合わせる。冬は暖房を使えないから極寒だし、夏はクーラーで冷える。熱帯植物のお店でないならそうだろう。
とても体力をつかう仕事だから、見た目の華やかな雰囲気は表の顔。
見た目で楽だと思って「やっぱ無理」と辞める人も多いと聞いた。
花屋に憧れて入った私も最初はびっくりしたけど、花のためならと苦ではなかった。
花によって最初の水揚げ作業は違う。
火で炙ったり、新聞紙をまいたり、茎を折る花もある。全部覚えなければならない。
これだけ大変なら給料もいいのだろう。
そう思った人、それは大概間違え。
アルバイトであれば時給800-850円が普通。
月13万がいいところ。
正社員で25万ほどで朝は早いし夜は遅い。
徹夜に近い日も普通にある。
ほぼ不定休に近い中で貰えるのがこれ。
そしてお花は生ものだから仕入れてきたうちの3割は捨てることになる。
飲食とある意味似てる。
私は花業界をある程度かえない限り、難しいと思った。
コンテストにはすべてで早いが八百長に近いこともあると聞いた。
年功序列形式の場所も中にはあって若手や中堅は上にぺこぺこするしかない場所もあると聞く。
花屋に憧れたり、なりたいって人もこれでは夢を見ることができない。
私は20歳そこそこでそういう事を目利きして知ったから自分の足で立つことにした。
自分で勝負して花のことも知ってもらって少しでもいいから花業界も変えたい。
今やっと少しずつ活躍する場が増えてきて発信できる方法も増えてきた。
世界に通用するビジネススタイルを私は作りたい。
念のため花屋のよくある
タイムスケジュールを載せます。
10:00-開店
中にしまったお花類を外に並べてく。
植木の花に水をあげる。
枯れた花や葉を落としていく。
月、水、金は花の仕入れがあるので花瓶を洗う。
届いた花をすべて運びこんで水揚げ作業。
12:00
お客さんの状況を見てお昼。
13:00-15:00
事務作業しながら、お客さんがきたら接客。
19:00 閉店
外の花をすべてお店の中へ運ぶ
※合間で配達や打ち合わせ、会場セッティングや片付けがあればやりにいく。足りないものがあれば買い出し。打ち合わせ資料の製作や見本品の製作。
発送物があれば梱包、集荷まで。
次の日の発送物や予約の確認。
母の日などの際には100個の段ボール箱を作り、100個近くのリボンを作る。
お店により数は1000以上になることも。