「ダメ元でチャレンジする」を可能にする4つの心理の扱い方(変化の4象限分析)
「(どうせ失うものなんてないんだから)ダメ元でやってみよう」
という言葉をよく聞きますが、実際には、多くの人は「いつかやろう」と思って結局ノーアクションで終わります(かつても私もそうでしたが)。なぜでしょうか?
転職でも、新規事業(起業)でも、投資でも、営業でも、結婚でも、新しいアクションを取ろうとするときに、我々の心の中でどんな葛藤が起こっているのでしょうか?
行動を躊躇する心理の「解像度」を上げることで、そこに隠れている行動のヒントが見つかります。
今回は「飛び込み営業」を例に、躊躇して行動できない状態を、
縦軸に「変える」「変えない」
横軸に「プラス」「マイナス」
をとって、4つのボックス=4象限(マトリックス)で整理してみます。
まず第1象限の「アクションを取るメリット」については、営業で案件が取れれば、売上が上がり、社内の評価も上がる(コミッションも増えるかも)のはある程度明白なので、行動のメリット自体は本人にも直感的に見えているものと思います。
ただ、このメリットがふわふわして=解像度が低いと、なかなか行動に繋がりません。多くの場合、行動できないのは得られるメリットが自分の中できちんと整理できていないことに起因します。
「プロになりたい」なら、解像度を上げるためには、それをすでに実現している人と直接会ったり、講演会行くのも一手ですし、「お金持ちになりたい」なら、金持ちが泊まるホテルに行って、(泊まなくても)ホテル内のラウンジで食事しながら一流の接客を受けたり、周りを観察しながら、具体的イメージを持つことです。
次に、第2象限の「アクションを取るリスク」です。
「怒られたらどうしよう」
「難しいことを質問されたらどうしよう」
といった漠然とした不安が行動にブレーキをかけます。新しくやることには、どうしても不確定要素がつきまとうことが当たり前ですから、
「漠然とした不安」
が具体的に何なのかを、書き出して整理し、事前に対策を準備することが役立ちます。(本当にリスクが大きいなら、やめるのも懸命な判断ですが、「ダメ元」なら、本来はリスクが低いはずです)
つまり、リスクがコントロールできることを明確にすることです。
そして、意外に行動の大きなブレーキになってるのが第3象限の「いま享受している(現状維持の)メリット」を失うことに対する恐怖です。
新しいチャレンジをしなくても、現状維持で十分満足なら、その安全圏に留まっているのがベストです。新たなプレッシャーを感じなくて済みますし、相手からお断りをされて、プライドが傷つくこともありません。(だからこそ、いまままで現状維持してきたわけです。)
最後の第4象限「現状維持のリスク」ですが、いまの状態を続けて困らないなら、わざわざ新しいリスクを取って、チャレンジする意味が見出せないのは当たり前です。
逆に言えば、「売上が立たないと会社が潰れる」「クビになる」となれば、躊躇なく行動するはずです。そうしなければ、第3象限の現状維持のメリットも、連鎖的に失われることになるからです。
実行方法を考える
さて、以上の考察から、チャレンジしない状態をうまく変化させるステップが明らかになります。
さて、以上の考察から、チャレンジしない状態をうまく変化させるステップが明らかになります。
STEP1)(第4象限=「行動しないリスク」をリストアップ):
このまま(現状維持)の自分で本当にいいのか(困らないのか)を考える。例えば今の状態を続けて5年後、10年後に後悔はないのか?すでに見えている変化の兆しが時代とともに加速して、現状維持できなくなるリスクはないのか?
STEP2)(第1象限=「行動するメリット」をクリアにする):
新しいアクションが成功したときのメリットを明確にする
STEP3)(第2象限=「行動するリスク」に対策を打つ):
ダメ元で行動したら、実際にはどんなリスクがあるかをリスト化し、それぞれについて致命的なダメージにならない(=死なない)ように事前対策する
STEP4)(第3象限=「行動しない(現状維持)のメリット」を考える):
変化しても、現状のメリットが失われない方法を考えてみましょう。例えば、営業マンのキャラを別に作り、それを演じるんだと考えることで、断られても傷つかないようにできます。また実際は、行動することで、現状維持のメリットは失われるかも知れませんが、新しく手に入るものと比べたら、本当は失っても惜しくないものなのかも知れません。
割とシンプルですよね。いずれにしても4つの心理状態を言語化して、解像度を上げることが重要です。行動を躊躇してしまう場合、1−4のステップのどこかが必ずボトルネックになっています。
一般に年齢が高くなるほど、「変えない(現状維持)」メリットのほうが大きくなるので、腰が重くなりますし、そんな自分を正当化する理由も明確になります。いつまで立ってもYoung at Heartで、軽快に自分を変えられる自分でいたいものですね。
参考になる動画
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