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我が青春のなんば
なんばから引越ししました。
20歳のNSC(よしもと養成学校)の頃から36歳の今まで16年間お世話になりました。
10代の頃に何かに熱狂できなかった僕にとって、芸人になってからのなんばで過ごした日々は青春そのものでした。
初舞台でスベって泣きながら寝た日本橋の家
初めておもしろ荘に出演が決まって泣いて喜んだ大国町の相方と住んでた家。
会社を起業し、家族ができた元町の家。
3つの家にそれぞれ忘れられない思い出があります。
芸人引退して直後は正直「なんばから離れたい」と思っていました。
芸人と会いたくなかったからです。
芸人と会うと自分の事を惨めに感じました。
まだ未練もあり、早く忘れたくもありました。
大きな挫折感と劣等感を常に感じていて、芸人と会うと傷口が疼くように心が苦しくなり、芸人が街で遠くに見えたりすると会わないように逃げて生活していました。
「芸人との人間関係はもうなくなるんだろう」と思っていました。
僕自身現役時代、芸人を辞めた方に合うと「辞める方に引っ張られる」感覚があったので会わないようにしていたからです。
でもそれは「思い込み」でした。
そして思い込みを無くしてくれたのがバンカラでした。
バンカラで店長をしている事を聞きつけた芸人時代の仲間が店に来てくれたからです。
そしてSNSで宣伝してくれました。
僕の為に「こいつの事を宜しくお願いします!」とオーナーやお客様に頭を下げてくれる先輩もいました。
少しづつ思い込みが無くなって行きました。
僕は芸人生活で「ちゃんと関係性」を作れていたんだなと感動しました。
そして「芸人の優しさ」を強く感じました。
バンカラがなかったら、会いに来れないような仕事をしていたら、今でも芸人から逃げる生活をしていたかもしれません。
たくさんの敗北感を味わったけど、たくさんの友達ができたなんば。
紛れもなく人生で一番濃い「青春」の場所でした。
これからはまた違う場所で起業と家族の成長を通して「青春」を味わって行きたいと思います。