#39 【写真でお散歩】ニューヨークのガーデンから植栽のヒント集。この時期に役立つ植物。フウチソウ、 柏葉アジサイ & オルレイヤ。
こんにちは。
今日も雨模様の大阪です。
アメリカ滞在中に撮り続けた、植物とガーデンの写真が、プリント写真に始まって、スライド、デジタル、とその数、ウン万単位で、思い出とともに残っています。
見直しながら、毎年、毎年、飽きもせず同じ場所で似たような写真を撮っているなと思います。
このブログをきっかけに、これらの写真を活用してみようと思っていますので、おつきあいのほど、よろしくお願いいたします。
さて、この時期、日本と違って、ニューヨークには梅雨はありません。
夏至にふさわしく、日の長さ、日差しの強さを感じる毎日。
湿度は日本より低め、朝晩の気温も若干涼しめです。
夏の一年草がピークを迎える前に、宿根草(プレニアルス/Perennials)や灌木(アメリカでは、シュラブ/Shrubs)が脚光を浴びるのが、5月の終わりから7月半ばです。
今回は、最近日本でも使われるようになってきた植物を、ニューヨーク植物園のプレニアル・ガーデン(Perennial Garden)を見ながら、とりあげてみようと思います。
これは、プレニアルガーデンの通路をクールガーデン(寒色系の庭)からホットガーデン(暖色系の庭)に向かって見たところです。
デザインは、Lynden Miller (リンデン・ミラー)さん、という女性です。
リンデンさんは、画家でもあるので、色やテクスチャーを混ぜるのもお上手です。それではまず、上の写真の 左手前をご覧ください。
私のお気に入りスポットです。
キンウラハグサ or 斑入り風知草、名前は色々ありますが、学名は一つ。Hakonechloa macra 'Aureola' (ハコネクロゥア・マク(r)ラ・オーリオーラ)が最初にご紹介する植物です。学名通り、箱根を含む、日本原産です。
これを見るとなぜか七夕を思ってしまいます。
フウチソウの葉が笹、アジサイが星に見えるせいでしょうか。
滝、川の流れをイメージさせるフウチソウと岩の間に咲くように見える、赤い茎のアジサイ('Lady in Red'という品種)。
少し季節が進むとここへ、もう一品、加わります。
フウチソウの後ろにあるのは、レモンイエローのアジア系のユリ('Tyrol’タイロール)です。
ラベルが入ってますが、ご勘弁を。
支柱を立ててユリを後ろに固めず、あえて少し前に倒しているのがまたいいんです。
上から見ると日本画のようです。
流れている感じがとても涼しげです。
その向かい斜めにあるのが、フウチソウ、フジバカマの一種のユーパトウリアム(Eupatorium maculatum atropupureum;)、シュウメイギク(の葉)、サルビアのコンビネーション。こちら側の方が、日当たりが良いのです。
放っておいても、毎年勝手に育つものばかりです。
違うエリアで、ほんの短い間だけのコンビネーションですが、ジャーマン・アイリスの花を引き立てるフウチソウ。
これが見れたら、その年はラッキーと、嬉しくなります。
右上に見えるのは斑入りのファッツへデラ(x Fatshedera ヤツデのハイブリッド)です。
葉っぱのコンビネーションも素敵です。
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さて、次にご紹介するのは、柏葉アジサイ(Hydrangea quercifolia :ハイドレンジア・ケルシフォーリア)です。
その名のごとく、葉の形が柏(Quercus)の葉のようだからです。
今では、日本でもよく見かけるようになりました。
1990年初め、前述のリンデンさんがニューヨーク市内の庭のデザインを始めた頃から必ず使用していた植物です。以来、柏葉アジサイは、ニューヨークの庭を代表する植物となっていますので、これからもどんどん登場すると思います。
最近は、八重咲きも出ています。スノウフレイク (Snowflake TM)という名前です。
ニューヨークでは、日向でも日陰でもよく育ち、病害虫の被害もほとんど聞いたことがありません。
剪定もあまりこだわらずに放っておいても、毎年咲いてくれる優れものです。
秋には、葉の色が、黄色、オレンジ、栗色になって美しいです。
柏葉アジサイをベースにして、周りに好きな花を植えるだけで、お庭らしく見えると思います。
こちらはホットガーデンのエリアの組み合わせ。
こちらは黄色のエキネイシャ・パラドクサ (Echinacea paradoxa)とホリーホック。
花の形が違うせいか、ほんの少しのエキネイシャなのに、目が行ってしまうコンビネーションです。
大胆にユッカ(Yucca filamentosa)との組み合わせもバランスが良いように思えます。
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本日最後の植物は、オルレイヤ・グランディフローラ (Orlaya grandiflora)です。
私には、大きなキャンディタフト(アイベリス Iberis)に見えます。
一昔前でしたら、クイーン・アンズ・レース(Queen Anne's Lace=Ammi majus アンミ・メイジャス)という似た植物の方がもっとたくさん使われていました。
クイーン・アンが、レースを縫っている時、針を指に刺したという話に由来して、白い花の真ん中にちょっとだけ、紫の点があるのだそうです。
実は、このプレニアル・ガーデンでも、クイーン・アンズ・レースが使われていました。
メドウ風、草原風、野草の野原、でしたら、今でもクイーン・アンズ・レースが人気だと思いますが、このガーデンの場合ですと、オルレイヤの方が、はびこりにくくて他の植物と競合しない、ややフォーマルな庭にも合う、という理由で選ばれました。
自分を主張しすぎない、物静かなオルレイヤは一年草です。
ともすれば他の宿根草に負けています(涙&笑)。
紫、すみれ色、藤色の花との相性がとても良いようです。
ここでは、キャットミント(Nepeta ネペタ)、ゼラニウム(Geranium ジュレイニアム)、サルビア、アリウムなど。
それらの紫色と硬いイメージのオベリスク・トレリスの間でフワフワと優しい動きを与えてくれます。
葉は、細かく切れ込んだセリ科らしい軽やかさです。
上の写真、お隣の葉は、ギボウシ(Hosta)とゼラニウムです。
季節が進んで、クレマチスが咲き始めました。
オベリスクの白い部分をつなぐようにポッポッとオルレイヤが咲いています。
その奥の少し、とんがった白い”ポッポッ”、は、柏葉アジサイです。
こうやって、目線を誘導するのは、デザインとしてよく使われますね。
今日も最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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