#17 【写真でお散歩】ニューヨーク植物園のチューリップの使い方を見てみませんか?

画像1 お出かけもままならない、今日この頃。せめて写真でガーデンのお散歩、ご一緒にいかがですか? 過去に訪れたガーデンの記録から、シェアさせていただこうと思います。今回は、ニューヨーク市、ブロンクス区にあるニューヨーク植物園(The New York Botanical Garden)のチューリップを見に行くことにしましょう。 ※今日現在(2020.4.11)、植物園は、非常事態宣言のため、閉園しています。
画像2 ニューヨーク植物園は、世界三大植物園のひとつで、1891年に創立され、ニューヨーク市内唯一の自然林とその間を流れるブロンクス・リバーを含む、約102ヘクタールの敷地の中に、様々な植物のコレクションを見ることができます。 ここは、シーズンのディスプレイが楽しめる、長いボーダー花壇。オランダ人のガーデンデザイナー、Piet Oudolf ピート・ウッドーフ氏のデザインに、球根を加えたボーダー。
画像3 生垣の向こうのクラブアップルと同じような色合いのチューリップ。「バラバラ、っとドリフト(流れる雲のよう)に」。ウッドーフ氏自ら、数種類の球根を混ぜたバケツを持って、ばら撒いてくれました。私たちは、その後を追っかけるように植えていきました。一面を埋めなくても、自然な感じがいいと思います。空いて見える部分には、まだ冬眠中の宿根草が植えられています。
画像4 次は、デモンストレーション・ガーデンです。扇形のフォーマルな花壇にチューリップとヴィオラ。
画像5 「スプリング・グリーン ’Spring Green'」という、バタークリームのような白に緑のストライプが入った品種のチューリップ。高さを出すため、中に大きな鉢を置いてアクセントにしています。
画像6 左右対称になって、とてもクラッシックなデザイン。
画像7 家庭でもできるような、見本ガーデン。チューリップとヴィオラ、それに水仙などの組み合わせ。色のテーマ別にディスプレイされているので、自分の好みのものを真似してみるのも良さそうです。 手前は、すみれ色とオレンジ色の対照的な色の組み合わせ。
画像8 後ろは、ソフト・パステル。イースターっぽい色合い。よく見ると、ピンクと黄色のチューリップ、クリーム色のヒヤシンス、水仙、ヴィオラと盛りだくさん。
画像9 こちらは、白とブルーの寒色系のトーン。チューリップとヒヤシンスが同時に咲くように品種を選んだようです。
画像10 ダークブルー、紫色のヴィオラにラベンダー色のヒヤシンスの花が縦に長くポツポツと混ざり、白いチューリップが点々と散らばっています。
画像11 こちらはピンクと白の可愛いコンビネーション。
画像12 赤紫色のヴィオラを背景にピンクと白のチューリップ、白の水仙、ライト・ピンクのヒヤシンス。
画像13 ほんの数日後には、これくらい賑やかになりました。チューリップも3種類くらい入ってますね。チューリップを選ぶ時、色はもちろんですが、咲く時期を一緒にしたり、わざとずらして、花の時期を長くしたり、また、高さを同じにして統一感を出したり、高低をつけて、遠くから見た時、花の色の層が分厚く見えるようにしたり。これもチューリップの品種をよく知っていればできる技ですね。キューレーターは、かなりの時間をデザインに費やしていますが、その成果が出ています。
画像14 こちらは、鮮やかな黄色と濃い赤、その間をとりもつオレンジ色、の組み合わせ。春にはこれくらい派手でも、暑苦しくは感じません。むしろ、歓迎、かも。
画像15 濃い赤のチューリップには、2種類。一つは、パーロット咲き。高さがほぼ一緒。
画像16 こちらは、プレ二アル・ガーデン。宿根草の庭、という意味ですが、最近の庭のデザインは、潅木、一、二年草も混ざって、ミックス花壇です。デザイナーによる、洗練された組み合わせ。植物園のプレ二アルガーデンは、寒色系のクールセクションと、暖色系のホットセクションに分けられています。こちらは、クールセクション。斑入りのサンゴミズキ (Cornus alba 'Elegantissima' コーナス・アルバ・エレガンティッシマと、チューリップ ’スプリング・グリーン’。緑と白のストライプが呼応しています。
画像17 こちらは、ご覧の通り、ホットセクション。寒い日には、暖炉に囲まれているようです。オレンジ、黄色のチューリップとヴィオラ。
画像18 潅木や宿根草にも暖色系の葉や幹の色を使って統一感を出しています。
画像19 後ろの桜のような低木は、パープルリーフ・サンドチェリー (Prunus x cistena、プルーナス・システーナ)。あまり大きくならず、カラーリーフ(銅葉)で、なかなか重宝する潅木です。
画像20 チューリップ ’ガヴォータ (Gavota)’ は、他のチューリップとは合わせにくい個性の強さです。私はいつも、どぎつい口紅を連想してしまいます。でも、なぜか気になる色合い。バックにシモツケ ’ゴールド・フレーム (Gold Flame)’をおくと、引き立ちます。
画像21 メギ、イカリ草の中にポツンとひとつでも十分、その存在感がありますね。
画像22 さて、プレ二アル・ガーデンの次は、ロックガーデン。日本の枯山水と思ってくるお客さんもありますが、ロックガーデンは、イギリスのガーデナーたちが、アルプスなどの山野草を育てるために作り上げたガーデンスタイルです。早春が見頃です。
画像23 チューリップが、思った以上に使われているのですが、原種に近いものが多く、周りの植物の邪魔にならないよう、さりげなく咲いています。よーく見ないと見逃しそうです。ちなみに毎年、リスとシマリスが、美味しい球根を狙っているので、ホットペッパースプレイ、ネット、深く深く植える、など、あの手この手で対策を講じています。
画像24 ロックガーデンに続いて、こちらは、植物勉強用のチルドレンズ・ガーデン。彩りが明るくて、キャンディー・ストアみたいです。
画像25 七変化のヴィオラ、’パンドラの匣 (Pandora's Box)’と、明るいオレンジレッドのチューリップ。明るい色が子供達は大好き。
画像26 オレンジ色のフリンジ咲きのチューリップと薄いブルー系のヴィオラ。間が空いているのは、そこから宿根草が生えてくる予定だからです。
画像27 こちらも、チルドレンズ・ガーデン。ペラーゴウニアムの葉、ヴィオラ、チェリーレッドの細長いチューリップ。子供達に気づいてもらうためにも、組み合わせは大胆に。以上で、植物園はおしまいです。
画像28 おまけです。当時住んでいたアパートの前にチューリップの球根を無理やり植えました。木の根っこがある上に、地面の深さは10〜15cm。フェンスはいつの間にかガタガタになります。犬の散歩もあるようです。通りは駐車OKです。なので、駐車した車の助手席を開けると、はい、ドアと最初の一歩は、花壇の中です。そんな中、健気に咲いてくれて嬉しい限りでした。
画像29 偶然にもチューリップの色とバラの葉の筋の色が同じ♬ 今日も最後までご覧いただき、ありがとうございました。2012年4月の写真よりお届けしました。また、いいのがあったらご紹介しますので、ご一緒にお散歩、おつきあいくださいね。

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