ミサキの人生
「ミサキの人生」
1.
ぼくは生まれてニ日間は
賑やかな子供たちが
代わる代わるに
抱っこして頭撫でてくれた
日曜日になったら
車に乗せられた
泣き顔の女の子の
膝の上でウトウトしてた
※
車止まるとそこは
青い空、碧い海、青い風
突き出た岬の灯台の下
ぼくを毛布の上に寝かして
車は走り去った
2.
ぼくは目覚めて暫くは
潮風を感じながら
じっとしてたよ
周り見ても誰も人影がない
そのあたりを歩いて
大空見上げると
寂しさがこみ上げてきて
草の上でションボリしてた
※
二日くらい過ぎたが
青い空、碧い海、青い風
突き出た岬の灯台の下
ぼくは毛布の上で固まり
お腹はグーッと鳴った
3.
やがて足音近づいた
すり寄って行く元気無く
ひとこと「ニャン」
聞いてくれただろか
それはわからない。
気がついて驚いた
お兄さんの腕の中
温かさ伝わってきて
その懐で眠っていた
(間奏)
※
気づいて瞳を開けると
青い空、碧い山、青い風
優しげなおばさん覗き込む
ぼくにミルクを振る舞ってくれた
遠慮なしでいただいた
※※
お兄さんは学生
僕の面倒はみれない
故郷の母さんちに
届けてくれたらしい
そしてその日から
ぼくは家族になった
ふたりは僕を
「ミサキ」と呼んだ
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※ TV番組で紹介されてたエピソードに心動かされて創作しました。
イラストは「お絵かきオニ」さんにお借りしました。
https://www.ac-illust.com/main/profile.php?id=rFWFLAaV&area=1