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男性更年期のホルモン治療について
友人のご主人(50代)が最近元気がなく、うつ病かもという相談を受けました。話を聞いていると、うつ状態とは少し違っていて、もしかして、男性ホルモン低下によるものかも!という結論になり、ご主人は素直に男性更年期に詳しい医師の元を受診し、男性ホルモン低下により症状が出ていることがわかり、ホルモン療法を開始し、今では元気に毎日を過ごされています。
男性更年期の主な原因は男性ホルモン「テストステロン」の減少によるものです。このため、ホルモン治療(テストステロン補充療法:TRT)は、男性更年期の症状を改善するための効果的な方法の一つとされています。ここでは、ホルモン治療の概要、効果、リスクについてお話します。
ホルモン補充療法(TRT)とは?
ホルモン補充療法は、体内で不足しているテストステロンを補充する治療法です。
テストステロンの補充には以下の方法があります:
注射:定期的に医療機関で筋肉注射を受ける。
貼付薬(パッチ):皮膚に貼るタイプの薬剤。
ジェル:皮膚に塗るタイプの薬剤。
内服薬:テストステロンを含む薬を服用する。
2.ホルモン治療の効果
①心身の改善
②エネルギー回復:慢性的な疲労感が軽減する。
③精神の安定:不安感やうつ症状が改善する可能性がある。
④集中力向上:思考力や記憶力の向上を助ける。
体の健康の回復
⑤筋力の増加:筋肉量が増え、骨密度の維持にも役立つ。
⑥性機能の改善:性欲の回復や勃起障害の改善が期待できる。
⑦体脂肪減少:体脂肪が減少し、代謝が向上する。
3.ホルモン治療の注意点と副作用
テストステロン補充療法には効果が期待できる一方で、副作用やリスクもあります。
主な副作用
血液の濃縮:赤血球の増加による血液の粘度上昇。前立腺肥大:前立腺の成長を刺激する可能性がある。
にきびや脂性肌:皮脂分泌が増えることがある。
心血管リスク:血栓症や心血管疾患のリスクが上がる可能性。
血液検査(テストステロン濃度、赤血球数など)
前立腺の検査(PSA値の測定)
全身の健康状態の確認
3.治療を始める前のアドバイス
①専門医に相談:泌尿器科や内分泌科を受診する。
②正しい診断を受ける:テストステロン値の測定が必要。
③メリットとリスクを理解:副作用の可能性も含め、治療の利点を医師に聞く。
4.まとめ
男性更年期のホルモン治療は、適切な診断と医師の管理のもと行えば、心身ともに健康を取り戻す効果的な手段です。しかし、治療を始める前には、リスクを理解し、自分に合った治療法を選択することが大切です。まずは信頼できる医師に相談し、前向きな一歩を踏み出してみてください。