職場の同僚や上司といい距離感でいたい(知的障害・発達障害のある社員のためのお仕事ハック)~ 総務からはじめる、障害者雇用ノウハウ ~
はじめに(チームより)
「こどもたちのために、日本を変える。」事業開発、政策提言、文化創造の3つの軸で、こども・子育て領域の社会課題解決活動と価値創造を行う国内最大規模のNPOである「認定NPO法人フローレンス※ご紹介>」において、総務関連チームで障害者雇用スタッフのサポートを担当しているジョブコーチ*1の和田です。自己紹介>
知的障害・発達障害のある社員が持つ悩みに対して、本人やサポーターが今日から取り入れられる「お仕事ハック」をご紹介しています。
▼本日のお悩み
「障害者雇用で働いています。職場で頻繁に飲み会に誘われて困っています。参加すると疲れてしまうので、参加したくないのですが、上手な断り方がわかりません」
障害特性によっては、職場での適度な距離感がつかめず、同僚や上司との関係に悩む方もいます。
たとえば「飲み会に誘われても断れない」といった場面で、ほどよい距離感を保つことが難しいと感じることもあるでしょう。ここでは、職場の人との距離感の取り方についてご紹介します。
<ケース紹介>職場の人との距離感の悩み
・ケース1:「職場で飲み会に誘われた時に、参加したくないけど断れない」
仕事以外で職場の人に付き合って体調を崩したり、気持ちが重くなるよりも「仕事以外のことは断る」と決めたほうが、悩まずにすむかもしれません。
もしくは「会社の飲み会は年に1回程度」など、自分が無理のない参加回数を事前に決めておくのも良いでしょう。
・ケース2:「今までは職場の人と休日も遊んでいたのに、断られるようになった」
相手は家族と一緒に過ごしたり、趣味を楽しむことを優先しているのかもしれません。「職場の人とは仕事だけの付き合い」と割り切り、プライベートの友達と遊んだり、新しく興味を持てるものを見つけてみましょう。
お仕事ハック①職場の人とほどよい距離感を保つために、守っておきたいこと
・挨拶を大切に:「おはようございます」「お先に失礼します」「お疲れさまでした」といった挨拶をしっかり行いましょう。
・感謝の気持ちを伝える:教えてもらったり手伝ってもらった際には、「ありがとうございます」と感謝を伝えます。
・丁寧な言葉づかいを心がける:目上の人だけでなく、同僚や部下にも丁寧な言葉を使いましょう。
・自分の苦手な点を伝えておく:「ミスが多いかもしれません」といった自分の苦手な点は、あらかじめ伝えておくと良いでしょう。
お仕事ハック②心地よい状態の作り方を知っておこう
苦手だと感じながら適応しようと努力して無理をしてしまう人がいます。
対人関係や段取りなどを人と同じ基準でこなそうとせず、疲れた時に休める場所や、自分が楽にいられる心地よい状態を探っていきましょう。
・リラックスできる場所を見つける:職場近くの公園のベンチや家のソファなど、自分が落ち着ける場所を把握しておきましょう。
・好きなものを思い出す:気持ちをリフレッシュできるよう、好きなアニメや趣味を思い浮かべてみるのも良い方法です。
・苦手なものを避ける:大人数が集まる場所など、自分が苦手な環境を把握し、無理に近づかないようにしましょう。
・無理せず自分のペースで:マルチタスクなど苦手なことは無理にこなそうとせず、自分のペースで進めていきましょう。
・疲れたときはしっかり休む:心や体が疲れた時には、有給休暇をとって家でリフレッシュするなど、休む手段も大切にしてください。
最後に
今回は、職場のでの適度な距離感の取り方をご紹介しました。無理な人付き合いをせず、「職場は働く場所」と割り切り、自分が心地よく働ける環境を大切にしてみましょう。
*1「ジョブコーチ」 企業に在籍し、同じ企業に雇用されている障害のある労働者が職場適応できるよう様々な支援を行う人を、企業在籍型ジョブコーチといいます。
執筆の背景
障害者雇用関連の情報は、採用・育成の事例やノウハウばかりで、採用した障害者雇用の社員に「どのような業務を、どうやってもらうのか」のノウハウが足りていません。
そこで、実務ノウハウや、障害者雇用チームの立ち上げ経緯などを公開することで、障害のある社員自身や総務担当者が、はじめの一歩を踏み出せるシリーズを立ち上げました
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