ナンパ
銀座で声をかけてきた男にはフルシカトした。
わたしは先約があるので。
あなたと話す時間なんてありません。
媚び売る時間があれば自分のしたいことをやります。
こんな想いを胸に、横から覗き込む男を振り払っていた。
ナンパの声に耳を傾ける時は
ひまなとき。
落ち込んでいるとき。
心にすきがある時だ。
東京で生きていると心にすきができることは難しいし、何かに向かってただ急いでいる。
こうは言ったものの、反対に心にすきができやすい環境なのかもしれない。
慌ただしくすぎる日々。
何かが欠けている気がして。
とてつもなく気持ちがいっぱいになって。
雨のせいなのか、
少し肌寒くなったせいなのか、
友人の結婚式に参加したせいなのか、
既婚者の友人とごはんをしたせいなのか、
髪色を変えたせいなのか、
掃除ができていないせいなのか、
睡眠不足なせいなのか、
わからない。
喪失感ではなく空虚感。
あるものが失われたのではなく
もともとないもの。
ないところに可能性や期待をして
ないと気づいたときの空虚感。
この空虚感に包まれたとき
大きな衝動に駆られることがある。
今までとちがう決断、行動をする。
空虚感が何かを始めたり、何かの行動を起こすための原動力となることがある。
何によって埋められるかわからないが
何かにがむしゃらに、夢中になれるものを
探し続けなければらない。
やる気の感情待ちしたって一向に来ない。
行動を先にして、
感情を引き出すことはできる。
ハングリー精神は忘れたくない素質。