なぜ?民族で異なる腸内環境~アジア編~
こんにちは、とらこです🐯
早いものでもう今年も残すところあと数日ですね。
今年からnoteの作成を始めて、少しは文章作成に対するハードルが下がったものの、まだまだ細かい表現まで完璧とはいかず、悔しい日々です。
年内最後のnoteも興味を持って読んでいただけるよう頑張ります👊
さて、そんな今回のnoteは「民族による腸内環境の違い」です!
民族によって主食を始めとした食生活が異なるため、腸内環境にも民族間で違いが出てくると言われています。
実際に、民族別の腸内細菌の分布をまとめると、下記の図1のようになると報告されています。
国によってかなり分布に違いがありそうですね…!
本来ならば、各国の違いについて細かく紹介していきたいところですが、あまり長くなってしまっても…ということで!
今回は世界の民族の中でも、アジア圏に絞って腸内細菌の違いを見ていこうと思います!
同じアジアでも国ごとに特徴的な腸内細菌
日本、中国、台湾、タイ、インドネシアの5か国で、各国から都会と地方の2都市を選び、各都市25~45名、計303名の健常児童を対象に腸内フローラの解析をしたところ、下の図2のような分布になっていることが報告されています。
更に詳しく見ると、各都市の腸内環境を、次の2つのタイプに分けることができることが明らかになりました。
P-type(プレボテラ属細菌を主体とするタイプ)
BB-type(ビフィズス菌とバクテロイデス属細菌を主体とするタイプ)
実際に都市ごとのタイプ分けを行ったものが下の図3です。
図3を見て分かるように、東南アジア(タイ・インドネシア)の子どもは緑で示したP-typeが多いのに対して、東アジア(日本・台湾・中国)の子どもは黄色のBB-typeが多くなっています。
加えて、日本の子どもでは、東京、福岡ともに他国と比較してビフィドバクテリア科が多いという特徴も見つかりました。
特徴的な3つの腸内細菌について
プレボテラ属細菌
東南アジアの子どもたちに多く見られたプレボテラ科の腸内細菌ですが、食物繊維の分解酵素が強いという特徴をもっており、小麦やトウモロコシなど主に炭水化物(穀物)や食物繊維が多い食生活の人に多いと考えられています。
日本人がこれまで摂取してきた「全粒穀類」や、「玄米」、「麦」などと非常に仲がいい菌なので、動物性脂肪を抑えた伝統的な日本食生活を続けていた頃は日本人の腸内にも多く見られたと言われています。
ビフィズス菌
主に人間や動物の腸内に存在する代表的な善玉菌で、整腸作用だけではなく、病原菌の感染や腐敗物を生成する菌の増殖を抑える効果があると考えられています。
ビフィズス菌は人の腸内(大腸)に最も多く住んでいる善玉菌です。乳酸菌も善玉菌としてよく知られていますが、大腸でのビフィズス菌と乳酸菌の割合はなんと99.9%がビフィズス菌、0.1%が乳酸菌です。
「乳酸」だけではなく、乳酸菌には作ることができない「短鎖脂肪酸(酢酸)」を産生することができるため、さまざまな働きを持つ短鎖脂肪酸を増やすには、大腸でビフィズス菌を増やすことが重要です。
バクテロイデス属細菌
肉食中心の欧米人にはこのバクテロイデス属細菌が多いと考えられています。
バクテロイデスの中には日和見感染菌(身の回りに普通に存在するが、免疫力が低下すると感染症を起こす菌)も多いことから、以前は悪玉菌として考えられてきましたが、最近はいわゆる日和見菌と認識されています。
また、肥満者にはバクテロイデスが少ないことや、一部のバクテロイデス属細菌には免疫抑制活性があることが報告されており、善玉菌としての側面も注目されています。
各都市のタイプ分けからの考察
図3で示したタイプ分けですが、なぜこのような分布になったのか、その主な理由の1つに「食の西洋化」があると考えられています。
日本や台湾など、西洋の食文化が浸透した国ほどBB-typeが多くなり、タイやインドネシアなど、食の西洋化がさほど進んでおらず、伝統的な食文化が中心の国ほどP-typeが多くなっていることから、BB-typeとP-typeはそれぞれ、「先進国型」「発展途上国型」と呼ばれることもあるそうです。
自分の腸内環境が気になったら
ここまで国ごとの腸内細菌の違いを紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
ご自身の腸内環境もどうなっているのか知りたい!と興味を持っていただけていればとてもうれしいです。
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参考URL
アジアの子どもの腸内細菌叢に 2 つのタイプがあることを発見-日本の子どもにはビフィズス菌が豊富に存在-
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