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【創作大賞2024】終末、きみの名を 第一話

「起きて、――」  声がした。優しい、どこか懐かしい声だった。誰を呼んでいたのかはわからない。僕ではなかったのかもしれない。けれど僕にはその声がどうにも、さみしくて悲しくて泣いているように聞こえて、無視することはできなかった。  たとえその声が呼んだのが僕ではなかったのだとしても、僕はその声に揺り起こされたのだ。  まぶたを開けると、世界の明るさにわずかに目がくらんだ。何度か瞬きを繰り返して完全に目を開ける。部屋の照明はついておらず、仄暗い。しかし窓から差し込んだ陽光が