見出し画像

Deathmachine『Zone Decay』

オランダのドラムンベース・シーンを代表するベテラン・ユニットBlack Sun Empireが運営するレーベルBlackout Music NLからUKハードコア/インダストリアル・ハードコア・プロデューサーDeathmachineのドラムンベース・トラックを収めたEP『Zone Decay』が発表された。

Deathmachineは活動初期からドラムンベースの要素をUKハードコア/インダストリアル・ハードコアにミックスしたグルービーでマッシブなハイブリッド・トラックをRebel ScumやIndustrial Movementといったレーベルからリリースし、クロスブリードというジャンルが確立される前からハードコアとドラムンベースを混合させていた過去があり、Deathmachineの音楽にとってドラムンベースは常に重要なパートを占めていた。

Forbidden Society「Skullcrawler (Deathmachine Remix)」や2021年にリリースされたアルバム『Mutability LP』収録の「Exoskeleton」などでDeathmachine流のドラムンベース・トラックを披露していたが、ドラムンベースに特化した作品は今までリリースされたことがなく、『Zero Decay』がDeathmachineにとって初のドラムンベース作品となった。

『Zone Decay』はニューロファンク~ハード・ドラムンベースを主体としたアグレッシブなドラムンベース・トラックが3曲収録されており、Blackout Music NLのレーベルカラーともマッチしている。細部まで徹底的に拘って作られた『Zero Decay』はドラムンベース・ファンを確実に満足させ、今作をキッカケにDeathmachineはドラムンベース・シーンでも人気を得ることになるかもしれない。

『Zero Decay』の発売に合わせてBlackout Music NLのポッドキャストにてDeathmachineのドラムンベース・ミックスも公開されているのだが、こちらのミックスを聴けば彼がどういったドラムンベースを好み影響を受けてるのかが垣間見える内容となっているので、『Zero Decay』と合わせてチェックするのをオススメしたい。

Black Sun Empire、Ed Rush、Current Value、Audioといったハード・ドラムンベースを初期から支える重要アーティスト達の作品をリリースし、クロスブリード・シーンとの関係も深いBlackout Music NLから今作が発表されたのは必然的なものを感じさせるし、今後も彼等が共に作品を作っていくことに期待したい。

Donny & Katharsys『Snare Shower』、Current Value『Dream Noire』といったハード・ドラムンベースの進化系が今年はリリースされ、The Panaceaがドラムンベース・セットを再開させるニュースが舞い込んできたりとハード・ドラムンベースに新たな動きが起きそうな雰囲気が漂っており、Deathmachine『Zone Decay』もその流れに勢いを与える刺激的な作品となっている。今作はドラムンベース・ファンだけではなく、UKハードコア/インダストリアル・ハードコア・ファンにも是非チェックして欲しい。









いいなと思ったら応援しよう!