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反対、反逆のダンスミュージック

『ハードコア・テクノ・ガイドブック』に採用しなかった企画で、「ハードコア・テクノ史におけるディスソングの歴史」というのがあった。

90年代のハードコア・テクノとガバ、スピードコアなどにはディスソングが結構ある。ヒップホップ程ではないが、アンダーグラウンド気質が強く血気盛んだった当時のハードコア・シーンには、他ジャンルへ向けられたものや同じシーンにいるアーティスト/レーベルに向けられたもの、身内ネタ程度であったり、かなりシリアスであったりと、様々なディスソングがあった。

2017年にオランダに行った時、現地のハードコア・ヘッズとディスソングについて話をしたのだが、自分が思ってた以上の数が存在し驚いた。そこから、家にあるレコードの盤面(曲名)を見返したり、ちょくちょく集めていた海外のZineを読んで理解を深めていった。

幾つかディスソングをピックアップし、エンターテインメント性があり、その後作品展開やシーンの活性化に繋がったもの、意味のあるものや酷いものじゃないのをレビューして本に載せようと思ったのだが、書き始める直前になって、読者の方にハードコア・テクノに対してネガティブな印象を与える可能性の方が強いと感じ、企画を消去した。

規模や内容にもよるが、何かに反対、反逆する音楽には凄まじいエネルギーが宿っていると思う。そういった音楽が生まれるまでには、色々なストーリーがあり、知ることによって音楽をより多角的に感じることが出来る。

今回は個人的に印象に強く残った反対、反逆に纏わる曲を記録する。

The Prodigy - Their Law

UK Raveの歴史を辿る際に避けては通れない「クリミナル・ジャスティス・アクト(Criminal Justice and Public Order Act)」には幾つものストーリーがある。

クリミナル・ジャスティス・アクトとは、1994年11月3日に王室承認された法律。80年代末から90年代前半に掛けてイギリスで巻き起こったRaveムーブメントの裏では、スピーカーから発せられる大音量による騒音問題、事件事故を引き起こす薬物問題、Raveの会場として使われる建物への不法侵入など、幾つかの問題があった。Raveミュージックのヒットによってコマーシャルな層にまでRaveという存在は浸透し、参加者の数が爆発的に拡大。ポジティブな変化を多く生んだRaveカルチャーであるが、社会的な側面からはネガティブとされる部分もあり、その結果としてクリミナル・ジャスティス・アクトが誕生。
この法律は無許可のRaveパーティーの取り締まり、特定の反社会的な行動に対する罰則強化などを中心とし、ライセンスのないアンダーグランドなパーティーや特にフリーパーティーにとっては大打撃となった。

クリミナル・ジャスティス・アクトに対して、アンダーグランド/オーバーグラウンド問わず、Raveに関係のあるアーティスト達はこの法律に反対し、デモの行進や楽曲で意思を表明。そして、The Prodigyはアルバム『Music for the Jilted Generation』でクリミナル・ジャスティス・アクトへの反対を収録曲「Their Law」で示した。

「Their Law」はイギリスのバンドPop Will Eat ItselfをフィーチャーしたThe Prodigyにとって、ロック・テイストを全面に出した最初期の一つである。当初の計画ではイギリスのラップロック・バンドSenserを起用しようとしていたらしいが、紆余曲折あってPop Will Eat Itselfになったという。
オランダのTechno Groovesが1992年にリリースした「Drop That Bassline」のビートを大胆に使用しているのにも注目だ。The Prodigyのサンプリング・メソッドとして、素材を上手く加工してトラックに反映させることが多いが、「Drop That Bassline」は素材の良さをそのままに、余り加工せずに使われている。サンプリング第一世代の特徴的ともいえる、良いものはそのまま使う、何故なら良いから、といった強いメンタリティが感じられる。

イントロには「What we're dealing with here is a total lack of respect for the law」というセリフが使われ、ボーカルは不気味なトーンで「I'm the law and you can't beat the law」と呪文のように何度も繰り返す。法律には逆らえず従うしかないという歌詞に迫られるように圧迫感が押し寄せてくる中、「Fuck 'em and Their law」という言葉と共に雷鳴のようなギターが叩き込まれ、反逆的なロックとブレイクビーツが聴き手の胸ぐらを掴んでくる。
ブレイク後に差し込まれる「Crackdown at Sundown(日没の取り締まり)」など、全体を通して展開にストーリー性も感じられ、政府とRaver達の当時の対立構造を曲で表現しているようだ。

The Prodigyはレゲエのサンプリングを多用している部分と、自分達の姿勢を曲で表明するといった所にレベルミュージック的な側面を感じるが、「Their Law」は、Raveミュージックの中にあるレベルミュージックをThe Prodigyが引き出していると思う。
『Music for the Jilted Generation』のジャケットにある有名な警察(バビロン)対Raver(ザイオン)のイラストは未だに衝撃的だ。「How can the government stop young people from having a good time?」というメッセージもジャケット内に書かれており、当時の状況と彼等の姿勢が記録されている。


The Prodigyはロシアでの人気が非常に高く、熱狂的なロシアのクラウドとのライブ映像が結構あるが、今まさに「Their Law」が同国にとって違った意味を持って聴こえているのではないかと考えてしまう。

Autechre - Anti

こちらもクリミナル・ジャスティス・アクトに対する反対として作られた作品。
リスナーがAutechreに出会った時期によって、彼等への印象は変るかもしれないが、2000年代はIDMや実験音楽という枠で彼等を知る人が多いかと思う。Raveミュージックとの接点が無いように見えるかもしれないが、Autechreもアシッド・ハウスやテクノ、エレクトロのバックグラウンドを通じてRaveミュージックとの接続は多く、関係は深い。

クリミナル・ジャスティス・アクトの影響によって、フリーテクノ・シーンは特に大きな変化を迫られる。機材は没収され、パーティーは閉鎖。オーガナイザーは裁判にかけられるなどもあり、当時凄まじい人気であったSpiral Tribeはイギリスからフランスに移る。フリーテクノに影響が大きかったのは、条文にある「反復的なビートを連続して発することを特徴とする音楽」を扱ったイベントに対する法律であったので、四つ打ちを主体としたシーンは絶望的な状況であったのではないだろうか。

Autechre『Anti』に貼られているステッカーには注意書きがあり、収録曲には反復するビートの曲(「Lost」と「Djarum」)があることを記載。それらの曲をDJがプレイするとリスクが起きる可能性を促す。そして、「Flutter」は同じビートを繰り返さないので、法律の条件に適しているとも書かれていた。反復するビートが問題であれば反復しないビートを、ということで作られた「Flutter」は45回転/33回転で再生しても曲が成り立つようになっている。当時、彼等の主張として「Autechreは政治的に非同盟である」とも残されていた。

The Panacea - Rave Music Resurrected(Featuring AC Slater)

スカルステップ黄金期を象徴するFreak Recordingsのコンピレーション『The Freak Family Drum Circle Explosion LP』に収録された名曲。クレジットにあるように、フリーフォーム・ハードコアやハッピーハードコアを作っていた頃のAC Slaterがリリースした「Rave Music」(2003年)をドラムンベースとして再構築した内容。この曲はModeselektorのMix CD『Boogybytes Vol.03』の1曲目にエディットされて使われている。

これは、Black Flagのボーカルとしても知られ俳優や詩人、コメディアンとしても活動するHenry RollinsがRaveミュージックを嘲笑したトークをサンプリング。鍛え抜かれた体と酒や煙草などをやらないという健康体で有名なHenry Rollinsであるが、ネタとしてなのかRaveミュージックとそれに関わる人間をけちょんけちょんにした以下の動画は当時から非常に話題となっていた。

自身の活動を通してRaveミュージックに対して素直な愛情を捧げているPanaceaであるが、彼も非常にユーモアのある人物なので、この動画をシリアスに受け止めて怒りを込めて作ったという感じよりも、Henry RollinsがRaveミュージックを茶化したのと同じように、Henry Rollinsをネタに1曲作ってみたという感じもする。

PanaceaのレーベルPosition ChromeからリリースされたPropagandaによるテクノイド・クラシック「Nobody Listens To Techno」では、EminemがMobyをディスした「Without Me」をサンプリング。「Rave Music Resurrected」と「Nobody Listens To Techno」はPanaceaのDJセットなどで分解して再利用したりと長年に渡って使われ続けていた。

Alec Empire - Forgive Not Muthafuckers! ('Cause It Doesn't Make It Alright!)

1993年にドイツのレーベルForce Incが反ナチズムをテーマに製作したコンピレーション『Destroy Deutschland!』に収録。Alec Empireは3曲提供しており、その内の一つが「Forgive Not Muthafuckers! ('Cause It Doesn't Make It Alright!)」である。イギリスの2トーン・スカバンドThe Specialsが1979年に発表したアルバム『The Specials』に収録されている「Doesn't Make It Alright」をサンプリングしている。

Alec Empireがデジタル・ハードコアを開発する寸前のパンキッシュでレイビーなブレイクビーツ・ハードコア・スタイルが極まり、前年の1992年には「Hetzjagd (Auf Nazis!)」をリリースし、自身の政治的アティチュードをストレートに表明し始めていた頃に生まれたのがこの1曲。
「Forgive Not Muthafuckers! ('Cause It Doesn't Make It Alright!)」は、ハイスピードなブレイクビーツに「Doesn't Make It Alright」のボーカル部分「Just because you're a black boy / Just because you're a white / It doesn't mean you've got to hate him / It doesn't mean you've got to fight」を乗せており、攻撃的なだけではなく、歌詞のように寄り添うような何処か少し穏やかさを感じさせるような珍しい曲である。

コンピレーション『Destroy Deutschland!』が生まれた背景にはネオナチによるドイツの一時収容施設に住んでいた難民への暴力行為や殺人に対する抗議として作られ、コンピレーションのリリース後にはForce Inc Anti Fascism Tour '93というツアーも企画された。

1993年はAtari Teenage Riotがデビューシングルをリリースした年でもあり、彼等が本格的に活動をスタートさせた時期でもある。1995年には1stアルバム『1995』をリリースし、その後の展開は皆が知る通りだ。
Force Inc時代のAlec Empireによる尖りまくった荒々しくもクリエイティビティに溢れたブレイクビーツ・ハードコアの曲を纏めたアルバム『Bass Terror』も必聴である。

Party Animals - ‎Die Nazi Scum(Whiplash Mix)

Technohead「I Wanna Be A Hippy」のミュージックビデオでお馴染みのParty AnimalsがRob Geeをボーカルに迎えて発表したアンチ・ナチのハードコア・ソング。1996年にリリースされたEP『Hava Naquila』に収録。

90年代前半、一部の国の一部の場所でガバはネオナチにもフォローされていたという記録がある。それに対して各国のアーティストやレーベル、DJ達は対抗し、パーティーにはドレスコードを設けてネオナチをシーンから排除しようとしていた。
Party Animalsの作品を発表していたオランダの老舗ハードコア・レーベルMokum Recordsは「UNITED GABBERS AGAINST RACISM & FASCISM」をスローガンとして掲げ、所属アーティストは人種差別に対する反対の意思をハードコア/ガバの曲に込めている。

DJ Hidden - All Kicks And Snares Are The Same Except They Really Aren't

ハードコアとドラムンベースを融合させたスタイル「クロスブリード」の発案者であるThe Outside AgencyのDJ Hiddenが自身のSouncCloudにUPした曲。
クロスブリードがハードコア/ドラムンベース双方のシーンで注目を集め、多くのプロデューサー達がThe Outside Agencyのトラックに影響を受けてクロスブロードを作り出していた頃に公開された。

以前、The Outside AgencyのWebサイトでQ & Aコーナーがあり、そこで「あなた達のインダストリアル・ハードコアの曲はどれも同じに聴こえる」みたいな質問が寄せられていた。記憶が曖昧なので、正確な回答ではないかもしれないが、確か彼等は「それはあなたがまだ若いからです」のように答えていたと思う。
このQ & A自体が自作かもしれず、The Outside Agencyはユーモアのセンスも凄く高いので、客観的に自分達の音楽をシニカルな視点で解説したような気もする。

そして、この「All Kicks And Snares Are The Same Except They Really Aren't」であるが、クロスブリードをまだ理解していない当時のリスナーの一部から、全部同じに聴こえるとまた言われていたのかもしれない。The Outside Agencyは独自のシグネイチャーサウンドを毎回作っており、聴けばすぐに彼等のサウンドであるとファンなら理解出来るはずだが、一般的には違ったのだろうか。
もしくは、クロスブリードが一気に増え始めていた頃でもあったので、同じようなトラックばかりになりつつあったのを捻って批判しているようにも思える。まあ、深く考え過ぎかもしれないが。。

The Outside AgencyはSteve Aokiをスピードコア化させた曲を作ったりするのと同時に、ドナルド・トランプを意識したと思われる「Locker Room Talk VIP: The Return of The Pussy Grabber」といったユーモアもありながら批判的な曲も作っていたりする。ドナルド・トランプへのシリアスな態度の曲ではDolphin & Thrasher「Crank Those Speakers」というのもある。

Jahba - Bush is a Pussycloth

ハードコアなラガジャングルとラガコアを2000年代にリリースしていたJahbaが、2005年にBong-RaのレーベルKriss Recordsからリリースした12"レコード『The Part Time Revolutionary』に収録。

ジョージ・W・ブッシュに向けられたと思わしきラガマフィンを使った爆発力のあるラガジャングル。『The Part Time Revolutionary』には、他にも「Warpigz VIP」と「Part-Time Revolutionary」にポリティカルなメッセージが込められていると思われる。

2000年代はジョージ・W・ブッシュとイラク戦争に反対する動きが多方面から起きており、Jahba以外のラガジャングルではAaron Spectreの「Look Out Fi Liar」で、Cocoa Tea feat. Buju Banton「Too Young」を巧みに使い痛烈に批判していた。

General Malice - Coppershot

ラガジャングル・リバイバルの中心にいたアメリカのジャングリストGeneral Maliceが2004年にBig Cat Recordsからリリースしたホワイト盤の12"レコードに収録されていた曲。日本のレゲエディージェイRyo The Skywalkerの「Big Gun Salute」をサンプリングしている。

明確な意図は解らないが、これも同じくイラク戦争への反対に関連する曲であると思われる。Big Cat Recordsの親レーベルであるN2Oには日本人の関係者も関わっていたらしく、そういった背景から「Big Gun Salute」が歌詞の意味も含めてGeneral Maliceに渡ったのかもしれない。

サンプリング元の「Big Gun Salute」はストレートにアメリカを批判しており、「戦争やって罪なき人殺す(ならば)USA Dat a USAんくさい / 懲りずまた歴史に影落とす(あの)USA ほんとUSAんくさい / アジアから警告の鐘鳴らす(時に)USAマジUSAんくさい / 誰が為に白日のもとさらす(Mi Se)USA Mean USAんくさい」というコーラス部分をサンプリングし、ハードコアなジャパニーズ・ラガジャングルを作り上げている。

General Maliceはアルバム『Final Takeover』収録の「N2O Never Falsify」ではNIPPSの「Island」をサンプリングしたジャングルも作っていた。

Burial - Rival Dealer

Hyperdubから傑作を発表しているミステリアスなBurialが、2013年にリリースした作品。
発売に向けてBurial本人がBBC Radio 6 Musicに送った公開メッセージには、「I put my heart into the new EP, I hope someone likes it. I wanted the tunes to be anti-bullying tunes that could maybe help someone to believe in themselves, to not be afraid, and to not give up, and to know that someone out there cares and is looking out for them. So it's like an angel's spell to protect them against the unkind people, the dark times, and the self-doubts.」と書かれており、今作はいじめ防止の為の楽曲が収録されている。

Raveミュージックにある煌びやかなサウンドと世界観をBurial流に解釈し、ブレイクビーツ・ハードコア~ジャングル~ドラムンベース~UKG~ダブステップという進化の過程も曲の中に落とし込まれているようだ。
曲中には映画『マトリックス』シリーズの監督と脚本を務めている映画監督のラナ・ウォシャウスキーが、ヒューマン・ライツ・キャンペーンで行ったスピーチがサンプリングされ、NASAの科学者メリッサ・ドーソン・ヒギンズのインタビューもサンプリングされている。

Euromasters - F..K DJ Murderhouse

ガバというジャンルを世界に知らしめたオランダのRotterdam Recordsの記念すべき第一弾作品であるEuromastersのデビュー作『Amsterdam Waar Lech Dat Dan?』に収録。
SequencialのメンバーであるアムステルダムのプロデューサーAd De FeijterことDJ Murderhouseへのディス・ソングとされている曲。Ad De Feijterは、オランダの雑誌『Disco Dance』でDJ Murderhouseとしてディスクレビューを担当しており、そこでHolly Noise「Get Down Everybody」を酷評したのをキッカケの一つとして生まれたという。

DJ Murderhouseがプッシュしていたハウスと、それらとは違った可能性を追求していたロッテルダムのハウスは後にガバへと進化。元々は同じルーツから派生した音楽であるが、ハウスとガバには溝があり、それは徐々に大きくなっていく。Euromastersはオランダの伝説的なハウスDJ Dimitriもネタにし、ラジオのダンスミュージック番組やアンビエント・ハウスといったジャンルをネタにした曲もリリースしている。

ある意見では、ロッテルダムのガバとアムステルダムのハウス・ミュージックがライバル関係になったのには、ガバがハウスに敵意を向けたからだという。どちらが先に仕掛けたのかは謎のままであるが、実は音楽は関係なく、フーリガンの問題が深く関係していた為、という話もある。

当時のオランダのガバの状況については、Gabba Summitの第一回目にてMike RedmanとDJ Technorch、DJ SHARPNEL、DieTRAXの対談でも記録を残している。

Leathernecks - At War

90年代前半はドイツを拠点に、ハードコア・テクノがヨーロッパで大きな注目を集め、テクノ・シーンではハードコアな作風が人気でRichie Hawtinもハードコア・テクノの12"レコードを製作していた。そして、そのハードコア・テクノのムーブメントを牽引していたのがPlanet Core ProductionsのボスであるMarc TraunerことMarc Acardipaneである。

LeathernecksはMarc Acardipaneの数多くの名義の一つであり、「At War」にはLenny Deeがボーカルで起用されている。
歌詞は「Fuck you, Fuck them, Fuck your mother, Fuck your sister, Fuck your father, Fuck your family, Fuck, them all」という憎悪丸出しの超アグレッシブな内容で、「Low Spirit, suck my cock!」と名指しでドイツのテクノ・レーベルLow Spiritをディスした。ハードコア・テクノとテクノが枝分かれしていくキッカケの一つともなったMAYDAYでのLow SpiritによるPCP(Marc Acardipane)とLenny Deeのパフォーマンスの妨害が事の発端とされている。

この曲が生まれた背景は『ハードコア・テクノ・ガイドブック オールドスクール編』にてMarc AcardipaneとLenny Deeに直接お聞きしている。

G36 - Floor Weapons Vol​.​1

2018年に突如表れた長崎のアナーコ・ダブ・パンクスG36による衝撃のデビュー作。
音源以外にまったく情報が無く、レコードの盤面にはG36(Kappa、Tera、Kaku)というクレジットがあり、ジャケットに移っている3人の人物によって作られたと当時は推測していたが、The BugとGorgonnのプロジェクトであることが去年公式にアナウンスされた。

何の説明が無くても一瞬で感じ取れる殺気だった反体制的なサウンドとアプローチは、レーベルのインフォにあったMark Stewart + Maffia vs Underground Resistanceというイメージにピッタリである。
曲名の「Militant」、「Them Vs Us」、「Mass Surveillance」にも表れているが、G36は無政府状態という意味のアナーコ(Anarcho)を現代的な手法を交えて体現している。彼等が何に抵抗しようとしていたのか、何処に向けて攻撃しようとしていたのか、我々は知らずとも曲から感じ取ることは出来るはずだ。



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