子どもに「イジメられてる子を見たらどうしたらいい?」と聞かれたら
僕は今大学生だが、高校までに、
自分がいじめられることも経験したし、
友達がいじめられている場面に遭遇したこともある。
それに、自分は軽い悪ふざけのつもりでやった行為が、相手にとってはいじめだと受け取られたこともあったかもしれない。
そんな僕も、いまは大人になり、「人をいじめるのは弱い人間のやることだ」という認識をもっているので、
いい年をして他人をいじめるなんて恥ずかしいと思うし、
もし自分が多少他人に嫌なことをされてもスルーできるようなメンタルを身に付けることができている。
というか、大体の大人はそうなので、大人の社会ではあからさまないじめは滅多に起こらない。
しかし、子どもの世界では必ずしもそうではないだろう。
子どもは大人に比べると視野が狭いので、いじめられる人の辛さがわからず、「ちょっと変わった奴」とか「やり返して来なさそうな奴」とかをついついいじめてしまう子どもがいるのかもしれない。
いじめの加害者になるのも、被害者になるのも、とても不幸なことだ。
ただ、一番なる確率が高いのは、いじめの「目撃者」になることだろう。
今回は、仮に自分に子供ができたとして(随分と壮大な仮定ではあるのだが)、
「学校で○○君がいじめられてるんだけどどうしたらいいかな…?」と相談された場合、親としてどう答えるのが適切か、について考えたい。
「かばってあげなさい」vs「いじめには関わるな」
「三月のライオン」という映画の一場面で、ある女の子が学校でいじめられている子をかばったら今度は自分がいじめられるようになってしまった、というエピソードがある。
そしてそのことが親に知られ、女の子は親に「なぜいじめられっ子をかばうようなことをしたの!?」と怒られてしまう。
しかしその後、その親は我に返り、「いじめられている子を助けた我が子の方が正しかったのだ。大人として間違ったことを教えてしまった…」と悔やむ。
その親を、主人公は「我が子が危険なことに巻き込まれてほしくないと願うのは親として当たり前です」と慰めるのだ。
ここに、いじめの目撃者がどう振る舞うべきかという問題が集約されている。
つまり、「弱きを助ける」という人間としてあるべき行いをするのか、
自分がいじめに巻き込まれることを避けるため「知らん顔」をするのか、ということだ。
この状況に置かれているのが自分だったら、「心は痛むが見て見ぬふりをする」という両者の中間のような選択をするのかもしれないが、
子どもを教育する立場の人間が「かわいそうだけど見て見ぬふりをしようね」というのも違う気がする。
現時点での私の考え
私はいじめられている人を目撃しても「やめろよ!かわいそうだろ!」と止めに行けるような人間ではなかった(一回それに近いことをしたことはあるのだが)。
だから、自分の子どもができても、その子に「いじめられている子を見たらかばってあげなさい」と言えるような身分では到底ない。
しかし、あからさまに「見て見ぬふりをしなさい」と言うのも、人間として間違ったことを教えているような気がする。
ここで私が提案したいのは、「いじめっ子のいないところで、いじめられている子を精神的に支えてあげる」ということだ。
例えば、学校の中では全員に無視されている子に、下校時の誰も見ていないところで「最近辛そうだね」とか声をかけてあげるとか。
1/18 11:00追記:ただ、我が子に「あいつ最近○○(いじめられている子)と仲良くしているらしいぞ」という噂が広まって結局我が子が新たないじめのターゲットとなってしまう恐れもあるので、「もし△△(我が子)が危ない目にあったらすぐまた教えてね」と言う言葉を添えることも重要だろう。
先生にチクるとかは逆効果だろうし。
…どうだろうか。