ブルーハムハムの可愛さを解剖してみる
突然ですが『ブルーハムハム』というキャラクターを知っていますか?
有村泰志さんという方が作ったキャラクターで、音楽に合わせて動く姿が魅力的で思わず眺めてしまいます。
こんな感じで4匹の宇宙ハムスターが音楽を全身で表現してます。
ブルーハムハム for twitter
有村泰志 for twitter
さて。
魅力的だということを理解した時、同時に僕の中でなぜ彼らは魅力的なのか?という疑問が生まれました。
冷静な目で見てみると、まずハムスターっぽくありません。青いし。あと多くの動物は音楽と無関係です。何だか情報がチグハグなんですよね。
だから魅力的だと思うのと同時に
「いやどこがやねん」
という疑問が生まれたのだと思います。
という訳で、魅力的に感じる自分を第三者視点で観察してみました。
・無表情なのに体全体で音楽にノっていて楽しそう
・機械的に動いていると思いきや臨機応変
・音楽と動画の完璧なシンクロで生み出されるハムスターの能力の高さ
・細かい所までちゃんと再現していて目を皿にして眺めてしまう
・疲れた時に流し見をしてもちゃんと楽しめる大きな要素が入っている
・彩度が統一され、かつ限られた色で描かれているのでシンプルで見やすい
・何とも言えないモチモチ感
・癖になる弾力
・コイツらがプレイヤーの中にいて再生してくれたら多分時間が溶ける
・楽器や音だけかと思いきやコーラスとかもしてる
・真面目にやってると思ってたのに時々サボったり遊んだりしてる
・割とマルチなプレイヤー
・その発想はなかった
所々語彙力が消失しているのですが、これ、実は様々な人気キャラクターに共通している事が沢山あるんです。
まず等身を下げてモチモチとした丸みにデフォルメされているキャラといえば、サンエックスに沢山いますよね。というかゆるキャラは大体こんな感じだと思います。
そしてもう1つ大切な要素として表情が無いということがあげられます。
多くのデフォルメキャラは表情を持ちません。口が描かれていないキャラすらいます。例を出すとするならミッフィーやすみっコぐらしでしょうか。
無表情を相手にした時、人間は相手の気持ちを読もうと注視します。顔でダメなら体の動きも見ます。そして勝手に自分が好きなイメージを相手のイメージとして受け取ります。
キャラクターや製作者の意図とは別に、より好意的な解釈をしてしまうんですよね。だから誰にとってもハズレが少ない。
受け取る側の僕らがそうして想像する余白が作られていて、かつ想像するための材料が適度に入っている。
そうして丁度良い不思議さを見出した時、人はそれに惹かれるのだと思います。
こうしてみるときちんと計算されたキャラクターだということが分かりますね。
もちろん丁度良い不思議さの度合いは人によってそれぞれなので、好きになる人もいればスルーする人もいます。
しかし多くの人から好意を持たれるキャラクターは似たパラメーターを持っています。
今流行っているキャラクターを見るとどうにも無表情が多いと思いませんか?これは個人的な意見ですが、多くの日本人は表情や感情を作ることに疲れているのだと思います。
日本は表の顔と裏の顔を使い分けなければいけない国です。上っ面に笑顔を貼り付けて頑張っている日本人の多いこと。誰にも本音を言えないまま死を選ぶ人の多いこと。
こんなご時世だからこそ、無表情でマイペース、だけど少しだけ頑張り屋なキャラクターが流行るのかもしれません。