【梶ケ谷クリニックpart1】検診異常、肛門科の選択肢を切り分けた意図とは!?
皆さん、こんにちは。
メルプWEB問診は、回答に応じて次の質問を繋げていく形式で自由に問診を作成することができます。かなり自由度が高いので「どのようにしたら、より良い問診を作成できますか?」というお声をいただくこともあります。
そこで今回は、梶ケ谷クリニックの問診を例に、活用法をご紹介したいと思います。ぜひ参考にしてみてください。
梶ケ谷クリニックの問診ポイント
・患者さんの主訴ありきで問診を分岐して作成
・健康保険証と乳児医療証明証の写真アップロードを促す質問
・内服薬は「XXX(疾患名)の薬」を選択式で表示。お薬名の記入は必要に応じて促す。
梶ケ谷クリニックは、神奈川県川崎市にある、内科・消化器内科・循環器内科・小児科のクリニックです。幅広い診療科目に対応しています。
WEB問診のボタンをHP画面左下に、目立つように固定していただいて、ありがたいですね。
作成された先生にこだわられたポイントを伺ったところ
・患者さんがイラつかないように簡潔に入力できること
・何科か最初の段階で分かりやすくわけること
・カルテに転送するときに長すぎると読みにくいので大枠だけポイントを押さえて問診すること
・問診に聞かれないことや書きれない部分は、あえて患者さんにも話させるほうが満足度が高い場合があるので診察室で補うようにしたこと
などに気をつけながら作成されたとのことでした。では、梶ケ谷クリニックのWEB問診について見ていきましょう!
1)受診診療科の質問で肛門科と検診異常を切り出し
これは、どこの医院もだいたい同じだと思いますが、診療科ごとに質問を分岐させています。梶ケ谷クリニックが面白い点は肛門科を分けて作成している点ですね。あと、検診異常も最初から項目を分けています。
肛門科と検診異常を分けて選択肢として記載している点に関して、先生に伺いましたところ
肛門科目当てでいらっしゃる方は、痔が主訴でピンポイントの場合が多いので、分けて記載している。
また、患者さんは、主訴から入力するので
・検診で異常があった(項目は採血やバリウムなど色々)
・お尻が痛い
・胃カメラの検査を受けたい
は別物になるので、患者さんの目線で、主訴から問診に入りやすくしているとのことでした。医院側としては、上記3つの主訴から、今後行う検査や、想定する疾患がかぶることはありますが、検査や疾患ありきで問診を分けずに主訴ありきでということですね。
2)体温記入の時間帯の但し書き
こちらは、小児科を選択された方に表示する質問です。
体温と体重は患者さん全員に聞いていますので、上の階層に質問を持ってきていますね。また体温に関しては
クリニックの待合室で測った体温、もしくは、クリニックに来られる直前に測った体温を教えてください(前日以前の場合は不可です)
という風に詳しく但し書きが添えられています。これに関しては、当初は
現在の体温を教えてください
としていましたが、この質問の場合、自宅で熱を測ってかいてくる人もいて、それが来院される直前だと良いのですが、前日の体温を記入される場合もあり、それだと困るとのことで但し書きを添えたとのことでした。
3)小児科は、健康保険証と乳児医療証明証を提示
さらに小児科で初診を選択された場合には、下記のように健康保険証と乳児医療証の写真をアップロードするように促しています。こちらは、保険証事前取り込み機能を使っていますね。
保険証、乳児医療証明証を患者さんにアップロードしてもらうと、医院側の問診管理画面にアップロードされた画像が問診とともに表示されますので、初診の方でも事前にカルテ枠を作成して問診まで取り込んでおくことができます。
なので、患者さんが来院されてからカルテ枠を作成して問診を取り込む時間が削減されます。
ただし、web問診を記入している際に、患者さんの全員が保険証、乳児医療証明証を手持ちで持っているとは限らないので、必須ではなく任意の質問にしていますね。ですので、web問診記入時に保険証が手持ちにない患者さんの場合は、この質問をスキップできます。
ちなみに内科(成人)の場合は、乳児医療証ではなく、他の医療証をお持ちの方は画像をアップロードしてくださいとしています。
全体が鮮明に写るように写真を撮ってくださいとアナウンスも添えていますね。
また、再診の場合には、質問を分岐させて、前回から保険証が変わった場合のみ新しい保険証をアップロードするように促しています。受付で毎回聞いている内容をあらかじめweb問診の質問に落とし込んでいる感じです。
4)向精神病薬・睡眠薬は名前まで記載を促す
内服薬の質問をどのように作成するかは、もしかしたら悩まれるところかもしれません。
一般的な形は、下記のように「現在飲んでいるお薬はありますか?」と聞いて、「はい」と回答した人には、お薬名を自由記入してもらう形式だと思います。
ただし、患者さんがお薬名を覚えていない場合も多いですので、この場合ですとお薬名を記入してもらえず、結局診察室でお薬手帳を見せていただくか、患者さんに直接聞いて、医師が電子カルテに手打ちをするケースもあります。この点に関して、梶ケ谷クリニックではどうしているのでしょうか?
まず、下記のように、お薬名までは聞かずに、「血圧の薬」「糖尿病の薬」などと、疾患名のお薬選択肢を用意しています。これだとお薬名は分からなくても、選択できる患者さんは一定数いると思います。
また医師側としても、例えば内視鏡の検査をするときは、抗血小板薬や抗凝固薬を飲んでいるか否かが重要ですので、具体的なお薬名まで分からなくても種類まで把握できれば良い場合も多いです。折衷案という感じですね。
こちらは、選択肢の中身の編集画面です。患者さんには「血をサラサラにする薬」と平易な用語で提示して、医師側には「抗凝固剤」としていますね。そうしますと、医師側には抗凝固剤でカルテに表示されますので、医療用語で医師は確認できます。
また、梶ケ谷クリニックで面白いのは、向精神病薬・睡眠薬だけ選択肢を切り出して、選んだ人にはさらにお薬名まで聞いているところです。
これに関して院長先生に伺ったところ、向精神病薬を内服している人は5剤, 6剤など種類が多い人が多いので、毎回お薬名を書き写すのは大変なので、切り分けて表示したとのことでした。土地柄・患者柄・診療科にもよると思いますが、なるほどと感じました。
梶ケ谷クリニックのWEB問診について見てきました。
いかがでしたでしょうか?
次回は、梶ケ谷クリニックPART2として
・内科の中でも詳しい消化器の問診の作り方
・検診異常の場合の検査結果持参を促す質問
について紹介していきます。
梶ケ谷クリニックのWEB問診の全体に関しては、下記リンクから閲覧できますので、ご興味のある方は是非ご覧ください。
梶ケ谷クリニックWEB問診
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・「問診ツリーを見る」ボタンをクリックして、梶ケ谷クリニックが作成している問診ツリーを閲覧できます(編集は不可)。
youtubeで、梶ケ谷クリニックの問診解説も行っていますので、合わせてご覧ください。
今後も、各クリニックの参考になるメルプ問診の作り方を共有していきます。
どうぞよろしくお願いいたします。