悲しいときには涙なんかこぼれない
これはエレカシの「涙」という曲の歌い出しである。
僕がエレカシに出会った頃は小学生だったので、正直歌詞の内容を理解できなかった。「涙がこぼれないほどの悲しみ」も体験したことがなかった。
今なら分かる。本当に悲しいときって「ゔぁーーー😭😭」みたいな泣き方ってしない。涙が出てこない。「あぁ…はい…そうですか…」みたいな感じ。
エレカシに「悲しみの果て」という曲があるが、あの曲はエレカシの中では割とサラッと歌い上げてる曲だと私は感じる。
絶叫もするしパワフルなボーカリストであるミヤジがサラッと、淡々と歌い上げることで、より歌詞が自分に染み込んでくる曲なんだなぁと気づいた。
ミヤジの「悲しみ」に対する考え方が私は好きだ。
悲しみの果てといえば、銀杏boyzがカバーしたバージョンがあるが、あれは峯田が1人で絶叫してるバージョンだ。
正直、エレカシファンとしてはちゃんと歌ってよーと思ってしまった。
でも、あれは彼なりの解釈というか、叫んでないとやってられない状況だったのだろう。ゴイステ解散後1人になってしまったタイミングだと聞いた。
本人がどう思ってるかは分からないけど、自分なりの解釈としては、聴き手に届けるというより自分のために叫ばざるを得なかった、という解釈だ。
だから、賛否はあるけどあれでいいのだと思う。
一応言っておくとエレカシだから綺麗に歌ってもしょうがないだろ、みたいなことを思ってる人は多分エレカシをざっくりとでしか認識してない。
峯田に関しては悲しみの果ての件もあるし、ピーズと共演したライブでちゃんと歌ってよ…って思っちゃったことがあるので、個人的に相容れないところはあるのだが、でもそんな彼が好きな人は好きなんだろうし、それで良いんだと思う。
ただ、本当に悲しいときは涙は出ないし、感情を剥き出しにせず淡々と歌い上げることで、めちゃくちゃ心に響く瞬間がある、ってことは知っておいても良いのかもしれない。