はたらくということ
今年で46歳になった。
子供の頃、思っていた40代のイメージと今の自分は程遠い。
それが良いのか悪いのか分からないが、今だに20代の時のように人生をもがいている。
四国の田舎から関西の大学に出てきて一人暮らしを始めた。
関西の水が合い、そのまま就職する決断をするが時代は就職氷河期。
それでも運良く6月頃には内定をもらえた。
その頃の仕事の考え方は
「この会社で定年まで働き、役員まで上り詰める!」
と、本気で思っていた。
が、自分でもビックリしたが、たった1年で退職。
人間関係に嫌気がさして、と周りには言っていたが実は違う。
確かにそれもあるが、最初に配属されたのがその会社で製造している商品の工場だった。
その工場には30人ぐらいの社員とパートさんがたくさんいたが、社員の中で大卒は工場長と新卒の自分だけだった。
その工場で働いている高卒の年下の先輩に「次期工場長候補!」といじられていたが、そのいじりに新卒1年目の自分には苦笑いで返すしかなかった。
その先輩の言葉を真に受けたわけではないが、
自分が思っていたサラリーマン像とどんどんかけ離れていった。
ミーハーな考えだが、オシャレなオフィスでスマートに仕事をする、トレンディドラマ(死語かな?)に出てくるようなサラリーマン像を大学時代は描いていた。
こんな考え方の人間が、滋賀の工場で4日ごとに、昼勤と夜勤を、交互に行うような仕事に耐えられるわけがなく。
同期が20人近くいたが、一番最初に退職したのは自分だった。
自分の父親は高卒で就職した会社で定年まで勤め上げた。
そういう姿を見ていたので、自分もそういう考え方だったはずだが、ビックリである。
そういうミーハーな考え方でもう一度就職活動を始めるが、大卒1年で辞めた根性のない人間はことごとく面接で落とされた。
若干焦り始めたその頃、全く向いていないと思っていた営業職を希望すると次々と内定をもらえた。
今思うと、訪問販売の会社や、40万円の海外製の掃除機を売る会社など、受かった会社は離職率が半端ないちょっと怪しそうな会社ばがりだった。
その内の一社に入社するわけだが、その会社はインテリア商品や家具を販売する一見、華やかに見える会社だった。
相変わらず外面の見た目だけで決めてしまった訳である。
そこでは面接時の話と現実とのギャップに悩まされる。
面接時は基本的には土日は休みと聞いていた。
だが、それは事務職の人たちで営業職の自分は土日に開催されるイベント運営に出ないと行けない為、ほぼ出勤だった。
当時はそんな言葉はなかったが完全なブラック企業だった。
でも、当時はそれが当たり前で周りの会社もほとんどブラックだった。
年間休日は60日程度、家に帰るのは22時から23時頃。
それでも約2年間、自分なりに、真面目に頑張ってきたつもりだ。
その頃の仕事に対する考え方は
「休みが欲しい」とか「早く帰りたい」
とかではなく、
「どうすれば上司(課長)に怒られないように仕事をするか。」
それだけだった。
とにかく理不尽な怒られ方をよくされた。
それこそ、パワハラ、モラハラ全盛期。
でも、自分は
早く仕事を覚えて、課長と一緒に行動しなければ怒られなくなる。
早くひとり立ちをしよう!
当時はそういう思いでひたむきに仕事をしていた。
そして2年が経過したころ転機が訪れることになる。
自分の部署のトップ(常務)が独立することになった。
常務のイメージは良かった。
営業の鏡のような人だった。自分の部署のの仕事はほとんど常務が取ってきていた。
部署のトップが独立するという事はこの先はどうなるのか、入社3年目26歳の自分には想像もつかなかった。
常務が独立してから半年間は地獄だった。
売上はガタ落ち、会社の雰囲気も悪く、いきあたりばったりの仕事ばかりで、お先真っ暗だった。
半年を過ぎた頃に常務から電話があった。
「一回飯でも食わんか?」
この先は予想がつくと思いますが、
ひたむきに頑張ってきた2年を常務はちゃんと見てくれていて、晴れて自分は常務の新会社に入ることになった。
社長(元常務)の会社には事務員さん1人しかいなかったので自分を入れても3人の会社で再スタートを切ることになった。
仕事は前の会社と同じ内容なので戸惑いは全くなかった。
社長が取ってきた仕事をひたすらこなしていった。
当時27歳 めちゃめちゃ忙しかったが待遇は良かった。
その時の気持ちは「自分を拾ってくれた社長の為に」という思いが強かった。
それから会社もリーマンショックの影響を受けたり、紆余曲折あった。
あれから19年が経過した。
社員もMAX15人まで増えたが現在は4人。
社長も含めた初期メンバー3人+1人
社長も還暦が近くなり、昔のバリバリ働いていた面影はなくなってきている。
19年前から今までで世間の変化のスピードは凄まじい。
会社に入った頃はSNSもLINEも
もちろんスマホもない。
ネットショッピングもない。
会社のホームページすらない時代。
あれからこんなに変わったのに。
うちの会社は20年前から商品の売り方が何も変わっていない。
まだ会社が生き残ってるのは奇跡としか言いようがない。
逆に言えば、時代に合った売り方が出来ていれば。
とも思う。
完全なアナログ世代に生きてきた社長を説得出来ず、新たな手法を取り入れる事が出来なかった自分にも責任はある。
さすがに将来が不安になる。
このまま時代に乗り遅れたままでいいのだろうか?
今からでも間に合うだろうか?
それは、会社を時代に合ったシステムに作り変えるという事ではなく、そういう会社に身を置いて凝り固まった古い考え方を、アップロードする事が出来るかどうか。
と言う事。
働き方改革+コロナで個人の考え方が尊重され、自由にどこでも効率良く働ける環境が整ってきている。
「オフィスで働く」ではなく「働く場所がオフィス」という考え方は昔、自分が理想としていたミーハーな働き方を実現できるのではないだろうか?
かなり年は取ってしまったが今の20代のように、自由な生き方をひたむきに頑張って見てもいいのではないか。
色々な経験をし、40代も折り返してしまったが、子供の頃に思った落ち着いた威厳のある40代のイメージではなく、今、自分が思う理想の生き方をがむしゃらに追い求める事ができるチャンスなんじゃないか。
20数年サラリーマン生活を経験して、新しい事にチャレンジするのはかなり勇気がいるが、このnoteでの発信を決意表明の場としたいと思う。
自分の思うように楽しく、ひたむきに。
笑顔多めで😁