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効率悪くても自分でやってみることが大切~メレンゲ作りからの学び~

ほんとうに久しぶりに風邪を引いた。久しぶりすぎて熱があることにも気づかず、測ってみたら今話題のCOVID-19の症状である37.5度前後。普段は多少の体調不良でも出かけてしまう私も、今回ばかりは周りの迷惑を考え自宅療養することに。しかし体力はあり余り、仕事も終わらせてしまい手持ち無沙汰の私は、料理やお菓子作りに精を出すことに。

ケーキを作ろうとお気に入りのレシピをクラシルで見つけたところ、ふと気が付く。

「あ、うちには電動泡立て器がない。」

そしてさらに気が付く。

「そもそも手動の泡立て器もない。」

今日お菓子を作りたいから目と鼻の先の大型量販店に行けばいいではないかとも考えた。しかしコロナかもしれない私が無闇に外出してはならぬという良心が勝り、結局、超主導メレンゲづくりを断行。世の中には手動泡立て器がなくとも簡単にメレンゲが作れる方法も紹介されているが、私は何を思ったのかスプーン一つでメレンゲづくりを決心したのである。今思えば明らかに効率の悪い作業であり、平時の私では絶対にしない選択である。きっと当時は発熱で頭と気がおかしくなっていたに違いない、と思うことにする。

卵白3個分に砂糖を加え、早速スプーンを高速で回し始める。はじめ数分全く変化がなく早くも後悔の念が頭をもたげ始める。しかしここで心が折れる私ではない。スプーンは左右交互に持ち替え高速回転を続ける。すると15分で少し泡たちはじめ、20分でまろやかなとろみが生まれたではないか。

嬉しさ判明、手首と腕だけを集中的に痛めつけることに限界を覚えつらくなる。しかしここでやめたら「ただの少しまろやかなあまい卵白」で終わってしまう。私が目指すべきはこんなものではな!と気合を入れなおし、腹筋、さらに脚の力をつかい全身を震わせながら高速回転をしていると、30分で緩いメレンゲができ、45分でレシピに載っているようなまろやかなメレンゲが完成したではないか!!

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神々しいまでに艶やかなメレンゲと、滝のように流れる汗にただならぬ達成感を覚える私(熱があるのにさらに悪化するだけでは、という突っ込みはしないでほしい)。エネルギーのほとんどを使い果たしつつもその後のケーキ作りも無事に終了。

ほんとうに効率が悪く、意味のない工程と言われればそれまでであるが、時間があるときこそ、日ごろ享受する「あたりまえ」や「便利さ」の殻を破って、自分の全身を使い、自分で創る楽しさや喜び、そこから得られる爽快感を味わうことで、人間が持っている能力や感性が磨かれるのではないかと思わせる出来事であった。

最後に一句「たまの無駄は、学びと喜びの宝庫哉」。


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