愛媛直送の新鮮魚を、捌き、味わう
おいしいもの好きの知人と日本の食材はいかに美味しいかを話していた際に、「愛媛の知り合いの漁師に魚を送ってもらうようお願いするよ!」というので本当か?と思っていたら本当に届いた!
その日捕れた魚の鱗と内臓を取りすぐに送ってくれるため、何が来るかは箱のふたを開けてみるまでお楽しみだ。今回は、真鯛、黒メバル、アジ、エボダイ2尾、イサキ2尾、カマス2尾とたくさんのお魚が送られてきた。目は透明に輝き、お腹は弾力と張りがあり、どれも新鮮そのもの。
知人に写メを送り調理法を質問し、真鯛、アジ、イサキはお刺身、黒メバルは煮つけ、エボダイ、カマスは塩焼きに、そして中落はなめろう、アラを使ってアラ汁を作ることに決定。翌日早朝からyoutubeで見よう見まねで覚えた手順で必死に魚を捌く。同じ魚でも身の締まり方、脂の多さで包丁の入り方や切りやすさが全く異なるのが面白い。アジが最も捌きやすく、脂身が少ないイサキは三枚おろしも皮とりも一番難しかった。
その晩我が家は急きょ魚パーティーを開催。どれも大好評であったが、一番人気はアジのお刺身。網ではなく釣りで捕ったためストレスがかかっておらず絶品と知人から聞いていた情報に思わず納得。臭みが全くなくみずみずしさと程よい脂が口に広がり、今まで食べていたものが本当にアジではないのではと思えるほどだ。真鯛の弾力、イサキの繊細な身を堪能したのち、濃いめの醤油風味の味付けで煮たメバルをいただく。メバルはその見た目から品格の高さが伺え、白身とタレが絡み合い満足の一品となり、エボダイとカマスも同じ塩焼きにもかかわらず味や食感が全く異なりそれぞれの良さをかみしめることができた。新鮮な魚でしか作れないなめろうは贅沢としか言いようがなく、アラ汁は五臓六腑に染み渡るうまみ。
じっと見つめると愛らしくも思える魚と対面し、捌かせていただくことで、自分は、一昨日まで確かに生きて泳いでいた魚の命をいただきエネルギーを得て生かされているのだと感じた。スーパーの切り身や加工食品だけを見ていては絶対に味わえない感謝、自然への畏怖の気持ち。これからも口にする食品は可能な限り生産現場に近いところから入手して、魚や野菜の本来の姿、育てた人、捕った人を想いながら調理してじっくりと味わいながらいただきたい。そして魚を最もおいしくなるよう捌き、調理するのは魚への敬意である。今後は魚捌きや料理の技も磨きたいものだ。