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ギリシャ海軍イドラ級海防戦艦1/700フルスクラッチビルド

「イドラ」1891~1930
「スペツァイ」1891~1931
「プサラ」1892~1932

何かおかしいことにお気づきだろうか?

…帆!そう、イドラ級は海防汽帆戦艦なのである(属性多いなオイ)。


第一の違和感は解けた。では続いてもう一つ...主砲はどれでしょう?               ヒント:主砲は1基ではない。


後部にある30口径27㎝露砲塔とは別に、砲郭2段目(!)の両側に配置されている36口径27㎝砲も主砲である。
ちなみに、副砲は15㎝砲が砲郭4隅から突き出してる1基ずつ+砲郭2段目正面の1基で5門。

…砲郭中段にむき出しで主砲搭載してる戦艦とか前代未聞だろ。

前から見るとこの砲配置の意味が分かる。つまり守備線上に主砲を配置すると帆柱が邪魔で前へ砲撃できないので。この配置によって前へは2基射線を確保。 ちなみに艦首から突き出してるのは対水雷艇用の10㎝砲。
側面への主砲射線は2基
後方への主砲射線は3基(ぴったり後方でないと両舷のどちらかが射撃できないので実質全方向に2/3門が射撃できることになる…各種装備の破損を気にしなければ)

 ”中小海軍国主力艦””砲郭中段両舷主砲配置””汽帆””海防戦艦”…だから属性盛りすぎだよ!
 フランス製なのでのちのリシュリュー級なんかへ続く容赦のない仏国面を感じなくもない(まあタンブルホームだとかジューヌ・エコールだとかこの時代のフランスも充分仏国面だけれど)。


次代主力艦の装甲巡洋艦「イェロギオフ・アヴェロフ」約1万トンとイドラ級約5000トン。 
じつはミスリーディングな写真。

 イドラ級は17ノットの優秀艦であり、さすがに帆装は要らないと思ったのか1897年~1900年に帆装撤去檣短縮をしている。また艦首の10㎝砲は96~97年装備なのでこの姿を見られたのはわずかな期間、当然帆装時代は「イェロギオフ・アヴェロフ」は存在すらしなかった(のちに対トルコで共闘することになる。

 模型化するために多数の小口径砲を省いている。

参考資料としては「橋本若路著,2022,海防戦艦ー設計・建造・運用 1872~1938ー,イカロス出版」315~319p

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