【 遊び人は我慢強い 】
明日の朝までに―
アタクシにはどうしても片付けねばならない仕事があった。
が、反面その一方で
アタクシの心中にはどうしても今やってしまいたい遊びが疼きはじめていた。
こんなことなら
こんな切羽詰るまえに一頻り遊んでおくべきだった という
後悔の念がアタクシの胸をかきむしる。 ぐももも‥
【 遊ぶべきか働くべきか、それが問題だ 】
通常一般の考え方からいくと、
この場合、今やりたい遊びを我慢してでも
仕事を優先するが至極当然なのであるが、
ある意味アタクシの疲れと我慢はピークに達していて、
もはやこれ以上仕事を続けるとなると
必ず 歯ぐきから血を流すであろうことは明白だった。
癖なのだ。辛いことが重なるとグッと奥歯をかみ締めてしまう。
すると日ごろの運動不足と体調不良でへろへろになったそれは
ぐらぐらと震災のごとく揺れはじめ、つい知らぬ間に歯ぐきから血を流してしまう。
まさに流血沙汰だが、誰が悪いでもなし、自業自得だし。
普段在宅勤務ということもあってこんな夜更けに独り騒いだところで
隣の部屋の住人から壁を蹴られるがオチである。
ので、いつも哀しくティッシュで口を拭う。それだけ。
・
もうそれだけは嫌だった。
大の大人がこんな聞き分けのないことを大声でわめき散らすも
大人気ないとは思うので決して生声には出さないが、
ブログでは文字を大にして書かせていただく。
嫌だ!嫌だ!ぜったいに嫌!!!
・
再三迷ったが、どうせこんな調子じゃロクに仕事が手につかない。
結句、アタクシは遊びに走ったのである。
はじめは多少の後ろめたさもあった。
だが、遊んでるうちそんな憂さも忘れてしまえるほど
一生懸命遊びに打ち込んでた!
仕事以上に汗水洟たらし、遊び仲間からたくさんのフォローをいただきながら やりがいを仕事以上に感じていた! 仕事以上アタクシは輝いてた!!
ちょっとの間、そんな軽い気持ちだった。
だが、ふと我に返り、モニター下の時計を見、驚愕した。
「もう朝やんけ!!!」
・
結果はいうまでもない。
担当さんからこっぴどく叱られ、殴られ、唾され、靴下のにおいを嗅がされた。ZOOMで画面越しに。
さすがのアタクシも泣きました。
「ごめん。ごめんなさい。こんな迂闊なこともう二度としない。うんほんとにほんと。パソコンが悪いんだ、ゲームが悪いんだ、ネットつながるからこんなことに。ってわかってる。そんな機械のせいにしたって状況は変わらないよね。どうにもならんよねもねまね」
・
・
―― 次の日 ――
改めて謝りに会社へ出向いて、担当さんに会ったのだけど
すごく顔色悪そうだった。
疲れと我慢を溜め込んだような青い顔をしていて
よく見ると、口から血が出てた。
「あっ」となって、さらに辺り一面顔を振ると、
会社の人、全員、
口から血が..
【 そっかァ みんな 頑張ってんだなァ 】
2010.10.15記