ヒット曲で個人的に鍵になるのは「持続可能な盛り上がりをネットで作れるか」と思う!
2021年も1ヶ月が経過して、音楽シーンも2021年が始まっていく実感がある。
そこで個人的に今年のヒットで鍵になるのではと思うのは「アーティスト側がいかに「持続可能な盛り上がりをネットで作れるか」というところ。
そう思うようになった背景はここ数年の音楽シーンを見て感じた事が、2020年よりはっきりとした形で表れたきた「総合的なヒット曲とCDだけのヒット曲の断絶」による事が大きい。
2020年の音楽シーンは3月までと4月からで大きく変化した印象がある。
目に見えない脅威の影響により4月から5月はCDの発売の延期が多くなり、ヒットのきっかけがネット発のものがより増えていった実感がある。
YOASOBIの「夜に駆ける」であったり、瑛人さんの「香水」はその中でも最たるものである。
12月に発表されたビルボードの年間ソングスチャートにおいて、CD以外の総合チャートとCDのみのチャートでは楽曲の重複が全くなく、CDだけではヒットの大きさは測れないという事がより突きつけられた形になった印象がある。
そういった中で2021年のビルボードのチャートを見ると、CDで1位になるアーティストが総合チャートでも1位をとっているが、注目しているのは2位以下のロングヒット曲だ。
ここ最近だとBTS「Dynamite」、LiSAさん「炎」、YOASOBI「夜に駆ける」、優里さん「ドライフラワー」が2位から6位にランクインする事が多い。
自分がよく見ている音楽ブログでは1位に限らず初登場の曲はその翌週以降も見るという事が書かれていて、そこから意識してチャートを見るようになった。
今年もネット発のヒット曲というものがまた多く出てくるように思う。
直近では優里さんの「ドライフラワー」やAdoさんの「うっせぇわ」がダウンロードやストリーミングのランキングを中心に上位に入ってきている。
TikTokもより浸透している印象があり、そこから予期せぬ話題曲も出てくる事がある。
2014年リリースのフレデリックの「オドループ」がTikTokで2020年に大ヒットしたのを知った時は「どこからヒットが産まれるのかがさらに広くなってきている」という印象を受けた。
ダウンロードやストリーミングの未解禁に関しては個人的には「機会損失」だと考えており、「CDだけで良い」というのは長期的な目線からいくと必ずしも得策とはいえない。
Twitterで嵐やLittle Glee Monsterがリスニングパーティーでトレンド入りをしていた事や、ストリーミングで“より広く“認知されたあいみょんさんやOfficial髭男dismのように、近年でヒット曲としてより認知をされるためには、CDだけではなくダウンロードやストリーミングというのも外せない武器になっている。
その上で、さらに広く認知させるためには「持続可能な盛り上がりを作る」という事が大きい。
ミュージックビデオを公開して終わり、ダウンロードやストリーミングにリリースして終わり、CDをリリースして終わりではなく、そこから先の盛り上がりというものがヒット曲としてより大事になってきている。
昨年の年間チャートの上位の中で「Pretender」や「紅蓮華」「白日」「宿命」は2019年の曲で、「マリーゴールド」に至っては2018年の曲である。
昨年リリースで年間チャートを制した「夜に駆ける」はトップ10に入ってから1度も週間チャートでトップ10から落ちたことはない。
片一方でCDチャートを武器に週間1位を取ったとしても、翌週以降の盛り上がりがなければ長い目で見たヒット曲にはならないという事が目に見えてしまう。
もちろんファン主導で盛り上げていくのもいいが、必ずしもそれが大きなうねりになる事は難しい事で、余程の母体が大きいところでなければ厳しい。
また2020年1月現在は目に見えぬ大きな脅威からライブの開催も難しく、販促の為のミニライブや握手会も難しい。そのため「持続可能な盛り上がりを“ネット“で作る」とした。
そういった現状に対して先に挙げたリスニングパーティーであったり、YouTubeでの動画の上げ方をただあげて終わりでは無くメイキングやインタビューであったり、スタジオライブを新曲軸にあげてみたり、「よりカジュアルに」「より楽しく」盛り上げる事で今のうねりよりも大きなうねりをあげる事が出来る可能性がある。
さらにそこで入ってきた人にさらに好感を持続してもらうために、ダウンロードやストリーミングサービスという「よりカジュアルに音楽に触れられる」ところで充分に聴ける体制を作っておくことによって、更なる盛り上がりも期待出来る。
これらに関してはライブが出来るようになったり、ミニライブや握手会が出来るようになってからでも続けた方がいいと思う。
なかなか行ける状態じゃない人たちも参加できる間口を残していく事によって、「自分たちもこの盛り上がりを作っている」という意識が大きい小さいは違うが続いていけるし、より広く盛り上がりを産んでいけるのではないかと考えられる。
こういった「持続可能な盛り上がり」はよりヒット曲として認知されるための鍵になることが考えられる。