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弱点がプラスにはたらく

写真は雨に濡れるシルバーレース。
まさに銀色でした!

5月18日の葉山朔さんの絵をみて、
瞬間的に「まほうの馬」だ!と思ったので、
今日はそのことを書きます。

二人の兄たちから、いつも馬鹿にされている
まぬけな主人公の末息子イワンが、
「まほうの馬」に会い、その馬の力を借りて
美しい姫と結婚して幸せになるというお話。

(岩波書店の同名の本、福音館書店の昔話にも
載っています。)

「昔話の深層」(河合隼雄 講談社文庫)の中に、
「欠点、弱点がプラスにはたらく」というのがあります。

「もっとも劣等なものが最高のものにつながる
という逆説は、昔話のお得意である。
これは、体制の改変を行いうるものは、
その体制の目から見るかぎり愚かなものに見える
ということを示している。」
つまり体制の目から見ない、もっと広い視野で
見ることで、劣っていることは優れていることに
なりうる!ということなんです!!!

「自分にとって不得意の、劣等な機能が、
自分の人格を変えてゆくために
もっとも役立つことを
示しているとも考えられる」とも
書かれていました。

以前、ある経営者の人が言っていたことを
思い出しました。
「自分は学校の勉強が嫌いだったので、
成績も悪かったし、大学には行かなかった。
だから勉強の出来る人を尊敬している。
自分は勉強ができないが、
できる人に自分の会社で働いてもらえば
いいと思っている。
世の中には優秀な人がいくらでもいる。
社員を信頼し仕事を任せ、
そして全責任を自分が負う。
責任をとることと、決断することが
社長の仕事」

というようなことを言っていて、すごいなあと
思いました。
人の仕事の責任を負うなんてことは、私には
到底できないことだと思いました。
勉強ができなかったからこそ、
謙虚な姿勢で人を信頼し、
またそのことで、
その社長の人格を大きく広げることに
役立っているんだなあと。

そして劣等感のないフラットな視点、
広い視野がポイントなんだなあと思いました。

昔話の中で「主人公を援助する動物」は、
「無意識的な部分で
未だ明確には意識化されていない内容を
表していると思われれる」とあります。
まさに、この昔話がそうで、「まほうの馬」が
出てくる時、主人公の少年は、
「勇士のような」大声で叫びます。
「魔法の馬よ、未来を予言する馬よ、
私の前に現われろ」と。
そして、馬の右の耳から中に入り、
左の耳から外へ出ると、まぬけでさえない少年が、
美しい立派な若者になるのです。
「勇士」は既に彼の中にあるのです!

最後は魔法の馬の中に入らなくても、
ただ顔を洗い着替えただけで、
見違えるような立派な若者になり美しい姫と
結婚します。
つまり、潜在意識と顕在意識が一致したのです。

12月20日の「無用の用」の教えの記事にも
書きましたが、
「怠け」が「想像」をはぐくむ。
ということもあります。

「常識の世界に忙しく働いている人は、
天の声を聞くことができない。
怠け者の耳は天啓に対して開かれている」
とも書かれています。

難しいことではありますが、

自分を生かすために、
フラットで広い視野を心がけること、
自分の内面の声をゆっくり聞く時間
大事にしていきましょうね😊

葉山朔さん、いつも素敵な絵と
言葉をありがとうございます♡

雨に濡れるヒメヒオウギ

最後におまけ
主人公と結婚する姫の名前、
岩波書店では「エレーナひめ」ですが、
福音館書店は、なんとなんと
「うるわし美しひめ」なんです。
内田莉莎子さんの
翻訳のセンスの良さにうっとりです♡

最後まで読んでくださって本当にありがとうございます。
良い週末をお過ごしください。












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