制限あるこの地上を選んだ女神クナウ(福寿草)
昨日、散歩の時に、福寿草が咲いているのを見つけました。
黄金色でした!
アイヌの昔話「クナウとひばり」を思いだしました。
私が読んだのは、「おはなしのろうそく20」(東京子ども図書館)の中に載っている瀬田貞二再話の「クナウとひばり」です。
とても短いですがなかなかに深いと私は思っています。
文字になった段階で「おはなし」は一度死ぬ。そして読む人によってまた生き返る。読書というのは、このちょっとした奇跡を誰でもが行っているもの。と聞いたことがあります。
文字を持たないアイヌ民族の人たちは、こういうおはなしを、生きたまま口伝えで伝承してきたんですよね。なんだかすごいなと思います。
アイヌの国の上空には
「広いうす緑のなかぞらのくに」があって、
そのまた上に「もっと広くて青いおおぞらのくに」がある。
この段階でなにか他のおはなしとは全く違う広がりを感じます。
このおはなしからは、アイヌ民族の大自然の神髄に触れた生き方、そして同時にどこまでも清らかなアイヌの国の空気を感じます。
クナウは「なかぞらのくに」の女神ですが、「おおぞらのくに」の神に嫁ぐよりも、地上にあるアイヌの国の美しい森や野原にいることを選んだのです。テンのしっぽの魔法にかかって福寿草にされてしまいます。
クナウは私たち人間のことではないかと、私は思います。
私たちは、このあらゆる制限のある三次元世界で生きています。でも私たちの魂はそれを選んで生まれてきたのではないでしょうか?
クナウはもともとは「なかぞら」の女神であったけれど、この不自由な地上で、美しいこの地で生きる体験をしたかったのです。大地に根をはり生きていきたかったのだと思います。花が咲くのは、一年のうちのほんのわずかだけれど、寒くてまだ他の花が咲いていない時期に光輝く黄金色の花を咲かせるクナウを見て、どれだけの人が春への希望をもらったことでしょう。
私たちも、それぞれにご縁ある人たちの力や希望になることができる。クナウのような黄金色の花を咲かせられる可能性がどんな人にもあるのだと思います。
そしてこのおはなしは、「ひばり」がどうして、シェリーの詩にあるように、「歌いながら舞い上がり、舞い上がりながら歌う」のかという由来も含まれていて、この時期になると思いだします。
それでは今日も、あたたかくして、あなたらしい花を咲かせられるように笑顔を増やしてくださいね。
私も読んでくださるあなたに感謝して笑顔で過ごしていきます。
ほんとうにありがとうございます♡
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