【感想】マリオ映画のパンフは買っておこう
パンフレットの出来がすごく良かった。
さっそく野暮な事言うと、既に大ヒットしていてパンフにプレミアが付くかもしれないのでそういう意味でも買っておくのをオススメ(転売はダメよ。マウント用)
公式ページにも存分に掲載されてるけど、とにかくキービジュアルが良い。
どの画もなんだかカラフルで、陰影の付き方もキレイでリッチさがある。ワクワク感がある。
カラフルでワクワク感がある、というのは個人的にマリオワールドを皮切りにずっと続いているマリオ世界の雰囲気であり、ゲームにおける訴求力の基本みたいなものだと思ってる。
「ワールド」以降、マリオはロゴもカラフルになった。本来はスーパーファミコンのABXYボタンの4色(赤黄青緑)を使うことで、SFCのゲームだよ!と強調することが目的だったんじゃないかなと思うけど、結果的に近年のマリオのロゴにも脈々とこの味が残っている。
今となっては、ゲームの雰囲気全体に赤黄青緑が散りばめられてあるというのがマリオらしさなのかもしれない。
映画の主なキービジュアルも、近年のマリオのパッケージも、目につくところには必ずこの4色のいずれかがはっきりした色で使われてる。
とにかく、パンフレットには公式サイトには載ってない(宣伝用のPOPやポスターでは見かける)キービジュアルがデカデカと載っているのでぜひ見て欲しい。
ゲームの説明書や攻略本を旅先に持っていって、据え置きゲーム機を遊んでる気分を何とか摂取してたような子供時代を過ごした人には、特におすすめできる。
映画の感想
簡潔に言うと
「映像が楽しい。物語展開はむしろ楽しい映像を見せるための手段になっている」
という感じ。
各所で出ているインタビュー記事で宮本さんが話していることとして
「(世界中のお客さんの反応=ヒットについて)ラッキーそのもの。評論家が結構低い評価をしているのが、ある意味で追い風になって…」
というものがあるが、たしかキャラクターが物語を経て心理的に成長したことで問題を解決するとか、張られていた伏線を劇的に回収するとか、そういうストーリー的な面白さを評論しようとすると低めの評価になるのは分かる気がする。
物語展開が王道どころかむしろ単純で捻りがなく、たびたび訪れるピンチに対しての打開も悪く言えば脈絡が無い。
ハテナブロックから出たアイテムで一転攻勢になったり、その場で機転を利かせて凌いだり、という展開が多い。
映画好きの人からすると、子供向けの映画(悪く言えば幼稚な映画)に見えてしまうかもしれない。
自分も映画に期待するのは割とそういう物語的な面白さなので、公開前に仕事として「ヒットするかどうかを分析してね」と言われたらそういう点数付けになったと思う。
でもこれって「インタラクティブな体験を楽しんでもらうコンテンツで、ストーリー展開はむしろその手段」というゲームの基本を映画に転用したものだと考えるとすごく納得がいく。
マリオ映画は、知識や文化(つまり年齢や国境)を超えて楽しんでもらうために、キャラクターや環境にあるオブジェクトの動きとカメラワーク、それにリンクする音楽が生む「楽しい」という体験に最大限フォーカスした映画なんだと思う。
そういう部分って簡単に言語化できることじゃないし、人によって大きく感覚が異なる部分だから、そこを頼りに巨額を費やしたコンテンツって簡単には作れないよね。
その点、ILLUMINATIONとタッグを組んだこともなるほどと思える。
単に実績がある会社というだけでなく、ミニオンズはまさに「動きとカメラワーク、それにリンクする音楽」で映像を楽しんでもらうコンテンツだと言える。(ともすれば子供向けと捉えられてしまう点も共通)
ゲームもはじめは「子供がやるもの、幼稚なもの」という風評を浴びながら、「大人も子供も楽しめるコンテンツ」に至るまで進化を続けてきた。マリオはその最前線だ。
そのマリオが映画でも同じように理屈不要に楽しいコンテンツとして出てきた。
せっかくなので、4DXでも観てみたいなと思える映画でした。
【ネタバレあり】箇条書き感想
物語序盤の、ブルックリンの町並みを横スクロールで駆け抜けるシーン最高。10回くらい繰り返し再生したい
宮野真守さんの「ホッホ〜ゥ」みたいなオリジナルマリオのボイスの再現度がめちゃくちゃ高かった。すごすぎ
トレーラーでは別撮りだと思いこんでた
青い星(ルマリー)は結局何だったの?w
新鮮な肉が来たねぇ〜〜
マリオファミリーといえばマリオ、ドンキー、ピーチ、クッパを始めとするマリオシリーズの主要人物だったけど、本当の意味でのマリオファミリーが出てきたことにびっくり
というかマリオって「おじさん」じゃなかったのね
物語序盤で鳴ってたルイージのスマホの着信音がゲームキューブの起動音のメロディーだったのはマニアにはニヤリな要素ですね
ダークランドでのルイージマンションパロディも好き
結局ブルックリンの水害はマリオが戻ってくるころには収まってたのがなんとなくモヤッとした
ラストのヨッシーのたまごの意味深な締めは、劇中にちらっとヨッシーの群れが既に出ていたのであんまり貴重感がなかった
でももし次回作で大きくフィーチャーされるならぜひ観たいね〜〜
クッパによるピーチを想う愛の歌の、めちゃくちゃ頭の悪い歌詞でマジで吹きそうになった
ピーチ♪ピーチ♪ピーチピチピーチ♪ピーチ♪ピーチ♪ピーチピチピーチ♪オォ〜〜ウウォウ〜〜イェ〜♪
メロディーと声はめっちゃキレイなのズルい
クッパの憎めないけどちゃんと悪役してる感じ、バランスが凄い
個としての武力がやばい。別に極端に巨大化したりしないのに
タヌキマリオがしっぽを高速回転させてるのが意外だったw
パタパタさせてふんわり飛ぶマリオ3のイメージが強かった
現実っぽい配色のブルックリンとカラフルでゲームっぽいキノコ王国の対比が凄い。どっちも質感とかはリアルなのにね
マリオの人物としての扱いがちょっと意外だった
ストーリー色が強いマリオ作品だと、マリオは割と立場が確立している英雄っていう扱い
今作では社会的にも家族からも結構弱っちいやつって扱い
弟のためならやるときゃやるけどね!
ピーチとの仲よりルイージとの仲がフィーチャーされてるのいいよね