宇宙が死ぬとき 【#007】
太陽は、今から約50億年後に爆発すると言われている。
phase1 : Red Giant
まず、太陽のように自ら光を放つ星は、寿命が近づくと大きく膨らむ。
この状態を『赤色巨星』という。
(ちなみにこのとき、地球は飲み込まれて消滅すると言われている)
phase2 : White Dwarf
そして、太陽が爆発すると、月ほどの明るさの星になる。
この状態を『白色矮星』という。
phase3 : Black Dwarf
白色矮星の明るさは爆発の余熱によるもので、それもやがて冷やされ、完全に光を失ったとき、明るさや熱を持たない完全に死んだ星になる。
この状態を『黒色矮星』という。
いわば、燃え尽きた星の灰だ。
こうして太陽系は永遠に昏く、冷たく、何もを起きない星の集団となる。
Final phase : The Heat Death of The Universe
さて、僕らが所属する『天の川銀河』には、太陽のような恒星が約5000億個あると言われている。
(地球のような惑星、月のような衛星は含まない)
さらに、こうした銀河は宇宙に1000億個以上あるらしいので、これに5000億を掛け合わせたものが、ざっくりとした全宇宙における恒星の総数である。
そして、このすべての恒星たちにおいても、太陽と同じように寿命があり、赤色巨星→白色矮星→黒色矮星という運命を辿る。
宇宙に存在する、すべての銀河系の、すべての恒星が黒色矮星になったとき、宇宙からは一切の光や熱が消え、永遠に何もを起こらず、永遠に変わらない宇宙の最終状態になる。
この状態を『宇宙の熱的死』と呼ぶ。
無限大に広がる宇宙の闇に浮かぶ、無数の球体。
この寂しさをどう言葉にしたらよいのだろう。
いま、僕らは《星々の輝く時代》を生きているのだ。
夜空を見上げれば無数の光る星々があり、それらはみな命を燃やし、光を放って生きている。
なんと美しい時代に生まれたことか。
もしかしたら、宇宙さえも複数あって、すでに《星々の輝く時代》を終えた宇宙だってあるかもしれない。
そう考えてみると、僕らはとてつもなくラッキーだ。
今のうちに、夜空を見上げておこう。
輝く星々に、乾杯。
Ver 1.8