【公式】日本フラヌール学会

フラヌリスト集団

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最近の記事

丘の上に[#013]

いったいどれくらい話をしても あなたのことぜんぜんわからない それはとても悲しいことね なんだかとてと悲しいよね 丘の上には いっぽん木があって あなたはその下で 考え事してたりする かっこつけてさ 寝転んでたりして 口にはいっぽん 草なんかくわえて いったいどれくらい話をしても あなたのことぜんぜんわからない それはとても悲しいことね なんだかとても悲しいよね 雨が降ったら一本傘をさし 早く帰ろうと 家路を急ぐ きっとこのまま 続くことはできない きっとこのまま

    • 正しさと美しさについて【#012】

      「正しさ」ってなんだろう。 それは、客観的なもの。 それは、論理的なもの。 それは、偽りのないもの。 それは、世間的に「よし」とされているもの。 それは、悪ではないもの。 正解・正論・正当性・正義・正式・公正・適正・純正・正直 (多くの場合に)正しさとは、集合体における過半数を占めるもの。 とくに法律は、「最新の正しさ」を言語化したものだとおもう。 +++++++++++++++++++ では、「美しさ」ってなんだろう。 それは、主観的なもの。 それは

      • りんごは染まる【#011】

        アイスクリーム 冷たい手で ソフトクリーム 柔らかい髪 ストロベリージュース すっぱいセリフ アイラービュー 月がきれい 僕のハートは真っ赤なリンゴ 真っ逆さまに落ちてゆく そして君の銀色のスプーンで 芯をくり抜かれてしまうのさ アイスクリーム そっぽをむいて ソフトクリーム 頬に光る汗 オレンジジュース もう1杯頂戴 アイラービュー 散歩でもしよう 僕のハートは真っ赤なリンゴ 真っ逆さまに落ちてゆく そして君の銀色のスプーンで 芯をくり抜かれてしまうのさ

        • まぶしい【#010】

          窓の隙間から 吹き込む風が頬をすべる 私はもう帰れない 青い列車は走る 霞のかかる春の空に 等間隔の鉄塔が リズムを刻んで 胸の奥で止まらない 生まれてきた痛みは 目を閉じると大きくなるの 浴槽の中、素肌を離れた泡が まぶしい、まぶしい 眠りにつく時 夜を走る自動車の エンジン音が渦まいて ゆっくり呼吸と重なる 遠い宇宙の彼方から届く星の光 君とみた夕暮れの美しさ 今でも胸で輝くの 君がいる、その痛みは 目を閉じると大きくなるの 誰かのために生きてみたいって そう

          街のひかり【#009】

          街のひかりが人混みと ミラーボールのように交差する 僕は誰かを待っている 誰かに出会えるような気がする 風冴える宵の空の 白く光る月 みんな踊りを踊っている 冷たいアスファルトの上で 軽やかにステップを踏んでいる とても愉快で痛快なダンスを とても愉快で痛快なダンスを 僕は誰かを待っている 僕は誰かを待っている 出会ったことのない人のやさしさ 見たことのない景色のうつくしさ 触れたことのない肌のあたたかさ 風冴える宵の空の 白く光る月 Ver 1.0

          Passing【#008】

          夕暮れ 通りをくぐり抜けて 暗闇にぼくらの影をあずけよう 古い夢を見ているみたいだ 飲みかけのサイダーは気が抜けてしまって 僕らの夢はどこへいってしまったのだろう 浜辺で彼女は寂しげに遠くを見つめていた ネイビーブルーの耳飾りはゆらゆらと 風の音が聞こえたよ 愛しい砂はすべり落ちてしまった 次の波が寄せて返したら 君に声をかけてみようかな Ver 1.0

          宇宙が死ぬとき 【#007】

          太陽は、今から約50億年後に爆発すると言われている。 phase1 : Red Giantまず、太陽のように自ら光を放つ星は、寿命が近づくと大きく膨らむ。 この状態を『赤色巨星』という。 (ちなみにこのとき、地球は飲み込まれて消滅すると言われている) phase2 : White Dwarf そして、太陽が爆発すると、月ほどの明るさの星になる。 この状態を『白色矮星』という。 phase3 : Black Dwarf 白色矮星の明るさは爆発の余熱によるもので、それもや

          不在への重みづけの試みとその素描【#006】

          真夜中に目が覚める、眠ろうとしても眠れない。それは意味ありげだけど、もう何度も口にしたことがある。だから特別なことではない。それでもやってきた。意味ありげに。 眠りたいのに眠れないというのは、もどかしい。もどかしくてきもちがわるい。眠り直そうと目を閉じても、すごくすごく頭が冴えているのだ。 眠ろうとしているのに、眠れないというのは苦しい。眠りたくても、眠ることはとてもできそうにない。何度試してもできない。できなくて、苦しい。 眠れない時は無理に眠ろうとしない方がいい、という言

          不在への重みづけの試みとその素描【#006】

          デザインと摩擦 【#005】

          デザインというのは、摩擦の調整だとおもう。 ここでいう「摩擦」というのは、物理的なテクスチャーのことではなく、人に与える感情や感覚における「ひっかかり」のようなもの。 例えば、「わかりやすい」というのは「理解に対する摩擦が小さい」ということになるし、「キャッチー」というのは「(とりわけ視覚や聴覚における)情報取得に対する摩擦が大きい」といった具合になる。 摩擦が大きければ何らかのストレス(負荷)がかかり、小さければストレスフリーになる。 ストレスがかかったほうがいいの

          デザインと摩擦 【#005】

          それでも心は交じりあうだろうか 【#004】

          ミュージシャンの小沢健二さん(オザケン)が一昨年、ツイッターでこんなことをつぶやいた。 日本の歩道橋等に書いてある、標語なのか、川柳なのか、あれ、好きです。すてきです。そこで、一つ。「忘れるな、他人の普通は、超異常」 僕はオザケンの大ファンだ。 名盤『LIFE』がリリースされた翌年の夏に僕は生まれたので、彼を知ったのは2017年に音楽活動を本格的に再開してからだけど、コーネリアスの小山田さんと組んでいたフリッパーズギター(パーフリ)まで遡るほどオザケンに熱中した。 最近オ

          それでも心は交じりあうだろうか 【#004】

          PS25『THE EARTH』 【#003】

          小学生のころから、この世界はすべてゲームの中の出来事なのかもしれないとおもうようになった。 きっかけは、小学生のときに買ってもらったゲーム、ポケットモンスター『サファイヤ』だ。 このRPGゲームの中のキンセツシティという街には「ゲームセンター」という建物があって、主人公がスロットやルーレットをやってお金を稼いだり、景品と交換したりするわけなんだけど。 これが当時、なんだかすごく不思議な感覚だった。 僕は、ゲームをやっている。そして、ゲームの中で、主人公がさらにゲームを

          フラヌールの陶酔について【#002】

          フラヌールは陶酔する人間です。 この陶酔について考えたいと思います。 陶酔とは、自分の行動や容姿などにうっとりして酔いしれることです。 多くの場合、自分が他者を優越していると感じた時に人は自己に陶酔します。 しかしフラヌールは他者に優越することは考えてないように思えます。 むしろ群衆の中の名前のないただ一人であることを自ら求めています。 では、なぜフラヌールは遊歩をする中で自己陶酔をするのでしょうか。 この矛盾について、役割からの逃避という観点から考えようと思います。

          フラヌールの陶酔について【#002】

          フラヌールって? Qu'est-ce que Flâneur? 【#001】

          フラヌール(Flâneur)はフランス語で遊歩者という意味です。 つまり、目的もなくぶらぶら歩く人をさします。 忙しい現代社会では、無為な時間を過ごすことはもったいないとされます。 けれども何もしない時間、目的のない行為というのは本当に価値のないものでしょうか。 20世紀初めにドイツの哲学者ヴァルター・ベンヤミンは、著書『パサージュ論』でフラヌールの意義について考察しました。 いわく、フラヌールは遊歩しながら観察し、研究し、陶酔する人間である、と。 我われ日本フラヌール

          フラヌールって? Qu'est-ce que Flâneur? 【#001】