見出し画像

まぶしい【#010】

窓の隙間から
吹き込む風が頬をすべる
私はもう帰れない
青い列車は走る

霞のかかる春の空に
等間隔の鉄塔が
リズムを刻んで
胸の奥で止まらない

生まれてきた痛みは
目を閉じると大きくなるの
浴槽の中、素肌を離れた泡が
まぶしい、まぶしい

眠りにつく時
夜を走る自動車の
エンジン音が渦まいて
ゆっくり呼吸と重なる

遠い宇宙の彼方から届く星の光

君とみた夕暮れの美しさ
今でも胸で輝くの

君がいる、その痛みは
目を閉じると大きくなるの
誰かのために生きてみたいって
そう思える

まぶしい、まぶしい

アートボード 12 のコピー 7@3x-100

Ver 1.0

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?