まぶしい【#010】
窓の隙間から
吹き込む風が頬をすべる
私はもう帰れない
青い列車は走る
霞のかかる春の空に
等間隔の鉄塔が
リズムを刻んで
胸の奥で止まらない
生まれてきた痛みは
目を閉じると大きくなるの
浴槽の中、素肌を離れた泡が
まぶしい、まぶしい
眠りにつく時
夜を走る自動車の
エンジン音が渦まいて
ゆっくり呼吸と重なる
遠い宇宙の彼方から届く星の光
君とみた夕暮れの美しさ
今でも胸で輝くの
君がいる、その痛みは
目を閉じると大きくなるの
誰かのために生きてみたいって
そう思える
まぶしい、まぶしい
Ver 1.0
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