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🧠友人と大喧嘩して世界の見方が180度変わっちまった女の話


渡る世間に鬼はなし

なんて偽善者ぶったこと言うと「そんなことねぇ!」なんつって殴りかかられそうである。
でも今日はそんな鬼のいなかったお話をしようと思う。

それでは、はじまりはじまり

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ある時ワイは友人と一緒にグアテマラにある小さな村に滞在していた。
目的はマヤ遺跡の1つであるキリグア遺跡だ。

日本でも2012年マヤの人類滅亡説はそれなりに話題に上ったが、何を隠そうこのキリグア遺跡こそ人類の滅亡を示唆していると言われている碑文が発見された場所なのである。

碑文⬆️これに人類滅亡が記されているのか:( ;´꒳`;):



そんなロマン溢れる遺跡群を一目見ようと遠路はるばるグアテマラの外れであるこの場所に降り立ったわけだ。

よく整備の行き届いた真っ青な芝生に点在している遺跡郡はどちらかと言うと公園に聳え立つモニュメントを彷彿とさせた。

雨風を凌ぐため遺跡ごとに屋根が備え付けられてるよ、家みたいで可愛い🏠✨️


途中アメリカから1人でやってきたという女性と仲良くなり、この時点でまだ宿を取っていなかった我々は彼女の勧めもあり同じ宿に一泊することに決めた。
渡りに船とはこのこと、全てが上手くいっていた。

たまたま映画の撮影してた!左下の女の子が件のアメリカ人女性だよ😊



宿に着きふかふかとは言えないが折り目ひとつない綺麗なシーツを敷いたベッドの上で荷物の整理をしているとだんだん友人の機嫌が下り坂になってきた。もうすでに2週間ほど一緒に旅をしているので友人の扱いは熟れたものである。こんな時は物理的距離をとるのが最善策。
ワイは部屋を出て外にあるベンチに腰掛けながらなんとはなしに風景を眺めていた。

暫くそうしていると先程のアメリカ女性が一緒にお菓子を食べないかと誘ってくれた。友人にも一声掛けたのだがどうやらまだ機嫌が治っていないらしい、仕方ないので自分1人彼女のお部屋にお邪魔することにした。
お茶会が楽しくてあっという間に1時間ほど時間が経ってしまった。夕飯の調達もあるしこれ以上長居はしていられない、後ろ髪引かれる思いで彼女の部屋を後にした。

ガチャリ

ドアノブをそっと回し部屋の様子を伺いながらまるで猫のように気配を消して中に入る。

今までにないくらい部屋の空気が重い。その重たい空気をかき消そうと敢えて屈託のない会話を投げかけた。

🐱「彼女凄い親切ですよねー!宿も教えてくれたし」

返事は返ってこなかった。
夕飯の事もなんとなく言いそびれてしまい再び重たい沈黙が部屋を圧迫する。

何がそんなに気に食わないのだろう。遺跡巡りも順調だし、宿だってスムーズに決まった。
“人のことはよく分からないなぁ”気分を変えるため持参したMP3の電源を入れベッドに横になる。

すると友人が重たい口を開いた。
😡「明日の予定を話し合いたかったのにすぐ外に出てっちゃってあまつさえお菓子なんか食べてきてどういうつもり?」

🐱「いや、話するような雰囲気じゃなかったですよね?それにお菓子だって一緒にどうかって一声掛けたじゃないですか」

😡「そういうこと言ってるんじゃないの!ほんとに気が使えない人ね!」

🐱「…」

ワイは着の身着のままホテルを飛び出した。
行くあてもなく知らない道を肩を落としてとぼとぼと歩いていると先程友人に言われた言葉がリフレインする。

気が使えない人ね 気が使えない人ね 気が使えない人ね

“最大限に気を使った結果がこれかよ…もう旅も止めて日本に帰りたいな。”
そう思ったら今までにないくらいホームシックになってしまい、涙がとめどなく溢れ出てきた。

歩き疲れて足も棒のようになってきたし、さっきからグーグーお腹も鳴っている。心細さに比例して泣き声もだんだん大きくなった。

その声を聞きつけた村の人たちがどんどん集まってきて円陣を組むようにワイを取り囲んでいるのに気づいたのは1人の村人が肩を叩いてたどたどしい英語で話しかけてくれた時だった。ワイはダムが決壊したかの如くこれまでの経緯を涙ながら村人に話した。

スペイン語はおろか英語もままならないワイの話がどこまで通じたかは伺い知れないがそれでも村人たちは寄り添うように懸命に聞いてくれた。

一通り話し終えたら何だがあのゴミ虫クソアマのせいでこんな目に遭っている事が非常に腹立たしく思えてきた。
村人の1人がとりあえず日も暮れるし宿に戻った方がいいんじゃないかと促してくれたがその時のワイは言わば無敵の人、世界一のきかん坊と化していたので「ぜってぇヤダ!戻るくらいならこの道端で寝てやらぁ」と大の字になり道のど真ん中に寝そべって見せた。

そんなワイの頑なな様子にほとほと困りきった村人は「とりあえずウチの旦那が英語分かるから家においで」とこの状況を打開する提案をしてくれたのだ。

感謝感激雨あられ

こうしてマリア様のように慈悲深く親切な村人のお家に1泊する運びとなったわけである。


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人は1人じゃ生きていけないってよく聞くけど、こういう体験をする前のワイは1人で生きていきたかったし生きていけると本気でそう思っていた。今はそんな無茶苦茶なこと考えもしなくなったがそれは偏に人に助けられてここまで生きてこれた経験があるからなんだと思う。

だから1人で生きていきたいと現段階で思っていても良いのである。色んな体験を経ることで人の考え方なんて180度変わってしまうものなのだから。

そう昔の自分に伝えてあげたいですね。


めでたしめでたし


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