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デュポシオンの迷宮#3:辿り着けない部屋と奇妙な彫刻

(この記事はストーリーパズルでありフィクションです)
前回:デュポシオンの迷宮#2


辿り着けない部屋

 段差は、数えるのに苦労するほどあちらこちらに出現する。フロア同士の高さが合わず、せっかく上ったのにまた下ったり行き止まりになっていたりと、行き当たりばったりのような感じすらある。フロアの下に中途半端な隙間ができていることも少なくなく、非常にデッドスペースの多い作りだ。これに意味がないとしたら、それはそれでこの時代の見方を変える大発見になるかもしれないが、実のところ我々考古学者は必ず何か理由があると見て研究を続けている。

 ところで、この複雑なフロアを可能な限り再現して辿っていくと、おかしなことに気づく。どこをどうやっても例の壁画の部屋に辿り着けないのだ。複雑に重なり合うフロアの狭間に、部屋が丸ごと取り残されてしまっているという状況は、不気味以外の何ものでもない。再現が間違っているのか、意図的にそうしたのか、現時点で答えを知っている者はいない。


ヒント💡
逆さまの世界の人物も入り混じっていますが、それぞれの重力方向が変化しない限り、辿り着けるのは一人だけです。


装飾された入り口

 フロアの狭間に取り残されたはずの例の部屋の入り口には、彫刻の装飾が施されている。ドアがあったと思われる開口部の周りに、外側から何やら細かい模様が彫られているのだ。ほとんど装飾のないこの建物内において、いったいなぜ、こんな所に細密な彫刻を施す必要があったのだろうか。

 しかもよく見ると、パターンの繰り返しに紛れて、一塊りごとに全く違う組み合わせの図柄が並んでいる箇所があることが分かる。まるで、一つ一つのセクションに特別な意味が込められているかのようにだ。そしてそれらが開口部を囲むようにぐるりと巡っている様子は、我々に何らかの物語性を感じさせるのに十分なものであった。



ヒント💡
A~Dの絵柄に描かれた黒点の並び方に見覚えはありませんか?




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