デュポシオンの迷宮#1:奇妙な挿絵が紡ぐパズル
(この記事はストーリーパズルでありフィクションです)
はじめに
私がデュポシオン遺跡に出会ったのは、高校生の頃だった。当時、図書館で何気なく手に取ったキース・エドワーズ博士の著書が、私の運命を決したと言っても過言ではない。そこに綴られていたのは、それまでの日常生活では味わったことのない刺激的で神秘的な謎の数々だった。
あれから20年以上が経ち、驚くべきことに私も当時のエドワーズ博士の年齢に追いつこうとしている。未だ遺跡の謎のほとんどは解明できていないが、それでもいくつかの新事実の発見があり、多少の進展があったと言えよう。
そこで、私も博士に倣って、現状を新たに一冊の本にまとめることにする。この遺跡の魅力ができるだけ多くの人、とりわけ若者に届くことを願いながら。
第1章 謎多き遺跡
壁画の部屋
大小さまざまな三角形が四方の壁を埋め尽くす奇妙な部屋。それはミケーネ文明の都市遺跡、デュポシオンに遺された謎の一つだ。この部屋がはらむさまざまな特異性は、先人たちを大いに惹きつけ、悩ませてきた。
なぜ、王宮でもない建物の一室にこのような壮大な壁画が描かれたのか。なぜ、剥き出しの石壁の続く質素な建物の中で、この部屋だけが飾り立てられたのか。そしてなぜ、それが丘の上の王宮で見つかったような、人物や動物が色鮮やかに描かれた特徴的なフレスコ画ではないのか。
このたった一つの小さな部屋の中に渦巻くさまざまな違和感が、そこに何か特別な意図の存在を感じさせて止まないのである。
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